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ヴィンテージ(推定20世紀中期) ブグロー画アレンジ ”船出と祝福”
縦:約50mm
横:約37mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
一目見てわかる20世紀中期の名品、アモールとプシュケーを描いた珍しいカメオの入荷です。
プシュケーとアモール。
神話において愛を代表するモチーフであり、それそのものも古来人々に愛されてきました。
アモールの方は現代でもラテン語系のイタリア語やフランス語などにおいて愛を意味する単語の語源となっており、その歴史の長さを思わせます。
絵画や彫刻のモチーフとしてももちろん人気が高く、特によく知られるのはウィリアム・アドルフ・ブグローによる作品で、それぞれのシンボルとなる蝶の羽と鳥の羽を背にした二人の姿は目にしたことのある人も多いことでしょう。
今回の作品はそんな二人を描いたカメオの中でも異例の作品。
カメオの世界においても人気のある本モチーフは19世紀から現代にいたるまで途切れることなくカメオの題材とされてきましたが、このような作品はほかに例を見ません。
作品の大本のモデルは、ブグローによる絵画”クピドとプシュケー”、しかし本作に描かれる二人はヴェネツィアのゴンドラのような小舟に乗っており、二人の天使たちが彼らを助けるように付き添っています。
彫りは大変に精密で19世紀のものと比べても劣らないレベルですが、構図の取り方は19世紀の様式ではなく、間違いなく20世紀中期のジョヴァンニ・ノトをはじめとするオールドモダンのそれ。
画面の奥は貝の濃淡を巧みに利用して空気にかすむ遠景を描写し、画面手前は貝の厚みを活かして高く彫るという典型的な特徴が表れています。
この時代の作者についてはかなり情報が散逸してしまっておりほとんどわからなくなっているものの、現在当ギャラリーにて取り扱いがあるなかでいうなら技術的にはチャラヴォーロ氏より一歩上をいくように見え、ノト氏に匹敵するレベルでしょうか。
主役の二人は概ね元の絵画の模写ですが、それにしても美しい人体のバランスであり、それは元の絵にはない両脇のプッティを見てもわかる通り。
全体的な構図バランスもよく、良質なカメオの制作に不可欠な絵画的技術と彫刻的技術をかなりハイレベルな域で習得していることがあきらかで、いずれ作者についてもわかるときがくると思われます。
もちろん作者の情報が明らかになった場合評価を一考する必要がでてきますので、出世の確率も高くある逸品です。
貝はコーヒー色の地に濃い白色の乗ったサルドニクス。
状態は完璧で、ヘアライン、欠け、摩耗などなど、ダメージといえるものは一切ありません。
横:約37mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
一目見てわかる20世紀中期の名品、アモールとプシュケーを描いた珍しいカメオの入荷です。
プシュケーとアモール。
神話において愛を代表するモチーフであり、それそのものも古来人々に愛されてきました。
アモールの方は現代でもラテン語系のイタリア語やフランス語などにおいて愛を意味する単語の語源となっており、その歴史の長さを思わせます。
絵画や彫刻のモチーフとしてももちろん人気が高く、特によく知られるのはウィリアム・アドルフ・ブグローによる作品で、それぞれのシンボルとなる蝶の羽と鳥の羽を背にした二人の姿は目にしたことのある人も多いことでしょう。
今回の作品はそんな二人を描いたカメオの中でも異例の作品。
カメオの世界においても人気のある本モチーフは19世紀から現代にいたるまで途切れることなくカメオの題材とされてきましたが、このような作品はほかに例を見ません。
作品の大本のモデルは、ブグローによる絵画”クピドとプシュケー”、しかし本作に描かれる二人はヴェネツィアのゴンドラのような小舟に乗っており、二人の天使たちが彼らを助けるように付き添っています。
彫りは大変に精密で19世紀のものと比べても劣らないレベルですが、構図の取り方は19世紀の様式ではなく、間違いなく20世紀中期のジョヴァンニ・ノトをはじめとするオールドモダンのそれ。
画面の奥は貝の濃淡を巧みに利用して空気にかすむ遠景を描写し、画面手前は貝の厚みを活かして高く彫るという典型的な特徴が表れています。
この時代の作者についてはかなり情報が散逸してしまっておりほとんどわからなくなっているものの、現在当ギャラリーにて取り扱いがあるなかでいうなら技術的にはチャラヴォーロ氏より一歩上をいくように見え、ノト氏に匹敵するレベルでしょうか。
主役の二人は概ね元の絵画の模写ですが、それにしても美しい人体のバランスであり、それは元の絵にはない両脇のプッティを見てもわかる通り。
全体的な構図バランスもよく、良質なカメオの制作に不可欠な絵画的技術と彫刻的技術をかなりハイレベルな域で習得していることがあきらかで、いずれ作者についてもわかるときがくると思われます。
もちろん作者の情報が明らかになった場合評価を一考する必要がでてきますので、出世の確率も高くある逸品です。
貝はコーヒー色の地に濃い白色の乗ったサルドニクス。
状態は完璧で、ヘアライン、欠け、摩耗などなど、ダメージといえるものは一切ありません。