Item
ヴィンテージ(推定20世紀中期) ”幼き洗礼者ヨハネ”
縦:約60mm
横:約45mm
作者:-
QR:カタログクオリティ
良作の少ないミッドセンチュリー、その中から当時指折りの作者の手によるものと見えるカメオの入荷です。
20世紀初期の第1次大戦から45年の第2次大戦まで、短い時期に大きな波乱と混乱に飲まれた欧州では、その後半期ともなると文化をはぐくむ余裕もなく、19世紀に隆盛を極めたカメオの技術も多くが失伝してしまいました。
その後落ち着きわずかな名匠たちが活動を再開したものの、このときカメオの様式は一変するまでになっており、また顧客となる国がイギリス、アメリカ、オーストラリア、そして日本へと移っていくにしたがって、モチーフにも変化がみらえるなど、大きな転換期を迎えます。
この時期のカメオは特徴的で、19世紀のものほど彫像的ではなく現代ほど絵画的でもない、その中間の性質を持ったカメオが作られておりましたが、当時活動した作家自体が少ないことと、その中で十分な経験を持った作者はさらに少ないことで、カメオ史上においても良作は稀なものとなっております。
さて、今回はそんな20世紀中ごろの作品とみられるカメオで、モチーフはイエスに最も早く礼拝する事になった使途ヨハネです。
ヨハネというと19世紀から20世紀初期までは、ラファエロ作の絵画”聖母子と幼ヨハネ”をはじめ聖母子とともにカメオのモチーフとして見られましたが、単独で描かれるケースは非常に稀なものでした。
20世紀後半もそれなりにすすむと主な市場が日本に移り、キリスト教のカメオが敬遠されることになったため、現在に至るまでヨハネが単独で描かれるカメオというのは非常に稀である状態は続いております。
彫りの技術はこの時期の物らしく貝の厚みを巧みに使用しており、もともとさほど厚い部材が取れないコルネリアンでありながら、輪郭のコントラストの取り方などはこの時期最高の作者であったジョヴァンニ・ノトと同様のテクニックが見られるなど、作者の経験および技量の高さが垣間見えるところ。
カメオに選ばれる他のモチーフと比べると、装飾となるものが少ないこともあり派手さはないものの、精巧な顔つきは一流のカメオにしかない生気が感じられるものとなっており、品質と希少性を備えた確かな逸品といえましょう。
貝はコルネリアン外周部の殻口付近のもので、コルネリアン1つから1枚しか取れない最良の部位。
大きさは60mmサイズとコルネリアンとしては最大級の大判です。
古いカメオながらほぼデッドストックといった感じで摩耗や背景部のスレもほとんどなく、コルネリアンのこの部位に特有の画面上部から左下にかけて走るヘアライン以外はヘアライン系の傷みもみられない美品です。
横:約45mm
作者:-
QR:カタログクオリティ
良作の少ないミッドセンチュリー、その中から当時指折りの作者の手によるものと見えるカメオの入荷です。
20世紀初期の第1次大戦から45年の第2次大戦まで、短い時期に大きな波乱と混乱に飲まれた欧州では、その後半期ともなると文化をはぐくむ余裕もなく、19世紀に隆盛を極めたカメオの技術も多くが失伝してしまいました。
その後落ち着きわずかな名匠たちが活動を再開したものの、このときカメオの様式は一変するまでになっており、また顧客となる国がイギリス、アメリカ、オーストラリア、そして日本へと移っていくにしたがって、モチーフにも変化がみらえるなど、大きな転換期を迎えます。
この時期のカメオは特徴的で、19世紀のものほど彫像的ではなく現代ほど絵画的でもない、その中間の性質を持ったカメオが作られておりましたが、当時活動した作家自体が少ないことと、その中で十分な経験を持った作者はさらに少ないことで、カメオ史上においても良作は稀なものとなっております。
さて、今回はそんな20世紀中ごろの作品とみられるカメオで、モチーフはイエスに最も早く礼拝する事になった使途ヨハネです。
ヨハネというと19世紀から20世紀初期までは、ラファエロ作の絵画”聖母子と幼ヨハネ”をはじめ聖母子とともにカメオのモチーフとして見られましたが、単独で描かれるケースは非常に稀なものでした。
20世紀後半もそれなりにすすむと主な市場が日本に移り、キリスト教のカメオが敬遠されることになったため、現在に至るまでヨハネが単独で描かれるカメオというのは非常に稀である状態は続いております。
彫りの技術はこの時期の物らしく貝の厚みを巧みに使用しており、もともとさほど厚い部材が取れないコルネリアンでありながら、輪郭のコントラストの取り方などはこの時期最高の作者であったジョヴァンニ・ノトと同様のテクニックが見られるなど、作者の経験および技量の高さが垣間見えるところ。
カメオに選ばれる他のモチーフと比べると、装飾となるものが少ないこともあり派手さはないものの、精巧な顔つきは一流のカメオにしかない生気が感じられるものとなっており、品質と希少性を備えた確かな逸品といえましょう。
貝はコルネリアン外周部の殻口付近のもので、コルネリアン1つから1枚しか取れない最良の部位。
大きさは60mmサイズとコルネリアンとしては最大級の大判です。
古いカメオながらほぼデッドストックといった感じで摩耗や背景部のスレもほとんどなく、コルネリアンのこの部位に特有の画面上部から左下にかけて走るヘアライン以外はヘアライン系の傷みもみられない美品です。