Item
アンティーク(推定19世紀中期) 珠玉 ”黒瑪瑙のバッカンテ”
縦:約52mm(カメオ46mm)
横:約42mm(カメオ36mm)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
19世紀のストーンカメオの名品、過去にないマスターピースの入荷です。
現在でこそ機械生産がおこなわれ大量生産されているメノウを素材としたハードストーンカメオ。
カメオの歴史においては1970年代より作られ始めたもので、それより前は人が手作業で鋼より硬いメノウを彫って作っていたため、希少性も価格も現在の比ではありませんでした。
一般に、カメオはストーンカメオが本式であり高級品であると言われるのはこの時代のもののことで、現在のストーンカメオは高級品どころかそもそもカメオの定義に沿っているかどうかすら怪しい工業品であり、本式とうたわれる確かなストーンカメオは時を経るごとに貴重になってきております。
当ギャラリーにおいては機械彫りカメオは原則取り扱っておらず本式のみ、そのなかでも品質の良い物ばかりを選んで買い付けてきております。
今回はなんと良質なオニキスの大粒カメオ。
オニキスの黒と白、両極端の色からなるコントラストはほかのどんな色のものより強く、カメオ用の素材としては間違いなく最上です。
しかし白色層が薄く、またヒビの入ったものが多いようで、オニキスのカメオの多くは小粒の、ブローチとイヤリングのスリーピースアクセサリーなどに用いられており、大粒のブローチというとそうおいそれとみられるものではありません。
実際、このような色むらのない漆黒と目立つヒビのない大粒のカメオは私は今回初めて見たと記憶しています。
そんなオニキスを大きく使って彫りだされるのは、超一流の彫刻師の手によるバッカンテ。
特徴的な木蔦の冠は古代ローマの彫像、アンティノウスのバッカスと同様のものです。
ストーンカメオではシェルカメオと異なりこちらの様式が多く見られますね。
次に彫りに関して…と思いますものの、彫りはもう、この場では画像をご覧になっていただければと思います。
可能なら現物を見ていただきたいです。
ストーンカメオの良作はどれも貴重ではありますが、その中でも輪をかけて稀なストーンカメオの傑作と、品質についてはただそれだけ添えておきたいと思います。
石は先述の通りオニキス。
白色層にほんのりとごく薄い黄色の層があるものの、オニキスでここまでムラの少ない白色層が、しかもこの像を表現できるだけの厚みを備えたものがあるというのは本当に貴重です。
オニキスのカメオの白色層にヒビが多いのも先に書きました通りで、本作にも首のあたりに何とか視認できるもので1筋だけそれっぽいものがみえるものの、ほかのオニキスのカメオで見られるように色が入ったヒビではないのでぱっと見(精査しても気づかないことも多いと思われる)無傷です。
実際、首にあると言われていても、そしてかなり寄って撮影した6枚目の写真からでも探すのはなかなか大変なのではないでしょうか。
その他の状態も大変によく、髪はこの細かさなので彫刻時のものと思われる髪のラインのごく小さなチップはあるものの、保管・使用中のダメージは一切見られません。
フレームは14ctローズゴールド製。
古いオニキスのカメオのオリジナルのフレームは大抵装飾がないように思いますが、モーニングジュエリーとしての用途も想定していたのでしょうか。
あるいは色の相性の問題なのか…思ってみれば確かにカーネリアンやサードニクスだと金細工の絢爛な装飾もよく似合いますが、モノトーンのカメオに派手な金細工は合わない感じはしますね。
ともあれ本作の状態はカメオ同様に完璧に近く、この手のフレームは外周部は空洞になっているはずですが凹み一切なし、ピン元の金板にもゆがみなし、針は緩く曲がっているもののしっかりバネがかかるようにして金具に留まり、150年前のものとしてはかなり良好な状態です。
横:約42mm(カメオ36mm)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
19世紀のストーンカメオの名品、過去にないマスターピースの入荷です。
現在でこそ機械生産がおこなわれ大量生産されているメノウを素材としたハードストーンカメオ。
カメオの歴史においては1970年代より作られ始めたもので、それより前は人が手作業で鋼より硬いメノウを彫って作っていたため、希少性も価格も現在の比ではありませんでした。
一般に、カメオはストーンカメオが本式であり高級品であると言われるのはこの時代のもののことで、現在のストーンカメオは高級品どころかそもそもカメオの定義に沿っているかどうかすら怪しい工業品であり、本式とうたわれる確かなストーンカメオは時を経るごとに貴重になってきております。
当ギャラリーにおいては機械彫りカメオは原則取り扱っておらず本式のみ、そのなかでも品質の良い物ばかりを選んで買い付けてきております。
今回はなんと良質なオニキスの大粒カメオ。
オニキスの黒と白、両極端の色からなるコントラストはほかのどんな色のものより強く、カメオ用の素材としては間違いなく最上です。
しかし白色層が薄く、またヒビの入ったものが多いようで、オニキスのカメオの多くは小粒の、ブローチとイヤリングのスリーピースアクセサリーなどに用いられており、大粒のブローチというとそうおいそれとみられるものではありません。
実際、このような色むらのない漆黒と目立つヒビのない大粒のカメオは私は今回初めて見たと記憶しています。
そんなオニキスを大きく使って彫りだされるのは、超一流の彫刻師の手によるバッカンテ。
特徴的な木蔦の冠は古代ローマの彫像、アンティノウスのバッカスと同様のものです。
ストーンカメオではシェルカメオと異なりこちらの様式が多く見られますね。
次に彫りに関して…と思いますものの、彫りはもう、この場では画像をご覧になっていただければと思います。
可能なら現物を見ていただきたいです。
ストーンカメオの良作はどれも貴重ではありますが、その中でも輪をかけて稀なストーンカメオの傑作と、品質についてはただそれだけ添えておきたいと思います。
石は先述の通りオニキス。
白色層にほんのりとごく薄い黄色の層があるものの、オニキスでここまでムラの少ない白色層が、しかもこの像を表現できるだけの厚みを備えたものがあるというのは本当に貴重です。
オニキスのカメオの白色層にヒビが多いのも先に書きました通りで、本作にも首のあたりに何とか視認できるもので1筋だけそれっぽいものがみえるものの、ほかのオニキスのカメオで見られるように色が入ったヒビではないのでぱっと見(精査しても気づかないことも多いと思われる)無傷です。
実際、首にあると言われていても、そしてかなり寄って撮影した6枚目の写真からでも探すのはなかなか大変なのではないでしょうか。
その他の状態も大変によく、髪はこの細かさなので彫刻時のものと思われる髪のラインのごく小さなチップはあるものの、保管・使用中のダメージは一切見られません。
フレームは14ctローズゴールド製。
古いオニキスのカメオのオリジナルのフレームは大抵装飾がないように思いますが、モーニングジュエリーとしての用途も想定していたのでしょうか。
あるいは色の相性の問題なのか…思ってみれば確かにカーネリアンやサードニクスだと金細工の絢爛な装飾もよく似合いますが、モノトーンのカメオに派手な金細工は合わない感じはしますね。
ともあれ本作の状態はカメオ同様に完璧に近く、この手のフレームは外周部は空洞になっているはずですが凹み一切なし、ピン元の金板にもゆがみなし、針は緩く曲がっているもののしっかりバネがかかるようにして金具に留まり、150年前のものとしてはかなり良好な状態です。