Item
アンティーク(推定20世紀初期) 大判三層 ”ポーモーナ”
縦:約49㎜(枠含55㎜)
横:約34㎜(枠含41㎜)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
現在でこそ機械生産がおこなわれ大量生産されているメノウを素材としたハードストーンカメオ。
カメオの歴史においては1970年代より作られ始めたもので、それより前は人が手作業で鋼より硬いメノウを彫って作っていたため、希少性も価格も現在の比ではありませんでした。
今回のお品物はただでさえ貴重な手彫りの良質なストーンカメオのなかでも一層入手困難な大粒かつ三層彫りのカメオです。
モチーフは果物の女神ポーモーナ。
一般にはバッカンテとされる葡萄の髪飾りですが、ヘーラーやデーメーテールに見られるような冠、アプロディーテーにみられるネット状の髪飾り等、バッカスに仕える巫女には似つかわしくない高貴な姿で描かれていることから果物の女神ポーモーナであると解釈しています。
ただ、冠まであるとなるとガイアやデーメーテールといったより高位の女神を象ったものという解釈の余地もありです。
彫りの様式は19世紀の雰囲気を残しつつ、19世紀の作にしてはディテールがやや簡略化された感じから見るに、作品年代は1900年前後と思われます。
もちろん幾分簡略化があるとはいえその彫りは美しく、特にギリシャやローマの大理石彫刻を思わせる古典的な美しい顔立ちは見事の一言。
さらに三層目の葡萄を彩る上品で落ち着いた橙色のこの層はわずかに0.5mmあるかどうかという薄さでして、この層を活かし、かつ自然な造形として全体を構成するには並外れた技量が要されるというのは想像に難くありません。
大きさも1年に数個も出ない2インチサイズであり、そこにこの彫りと色使いが備わった本作は、日本はもちろん世界的に見てもそうそう同等品が見つからない稀少性をもっております。
石は鮮やかなサードニクスで、白色層も色交じりが少なく綺麗な石です。
またこの手の色付きのメノウは白色層が薄いことが多いですが、本作に関しましては比較的厚みがあり像に立体感があるのもこの石の良質さゆえ。
100年以上を経たストーンカメオとしては状態も良く、保管に際してついた傷は首筋にかかる髪にごく小さなチップがあるのみです。
素材由来のものでは白色層に極々薄いクラックか、もしくはインクルージョンと思われる線が見受けられますが、こちらも通常の鑑賞・実用において気になるものではありません。
フレームは14ctゴールド製。
カメオ本体と比べて年代が新しく、こちらは20世紀中頃のリメイクと思われます。
金具は風車式でピンはまっすぐしておりしっかりと留めることができますので、このまま現代のものと同様にご使用になれます。
横:約34㎜(枠含41㎜)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
現在でこそ機械生産がおこなわれ大量生産されているメノウを素材としたハードストーンカメオ。
カメオの歴史においては1970年代より作られ始めたもので、それより前は人が手作業で鋼より硬いメノウを彫って作っていたため、希少性も価格も現在の比ではありませんでした。
今回のお品物はただでさえ貴重な手彫りの良質なストーンカメオのなかでも一層入手困難な大粒かつ三層彫りのカメオです。
モチーフは果物の女神ポーモーナ。
一般にはバッカンテとされる葡萄の髪飾りですが、ヘーラーやデーメーテールに見られるような冠、アプロディーテーにみられるネット状の髪飾り等、バッカスに仕える巫女には似つかわしくない高貴な姿で描かれていることから果物の女神ポーモーナであると解釈しています。
ただ、冠まであるとなるとガイアやデーメーテールといったより高位の女神を象ったものという解釈の余地もありです。
彫りの様式は19世紀の雰囲気を残しつつ、19世紀の作にしてはディテールがやや簡略化された感じから見るに、作品年代は1900年前後と思われます。
もちろん幾分簡略化があるとはいえその彫りは美しく、特にギリシャやローマの大理石彫刻を思わせる古典的な美しい顔立ちは見事の一言。
さらに三層目の葡萄を彩る上品で落ち着いた橙色のこの層はわずかに0.5mmあるかどうかという薄さでして、この層を活かし、かつ自然な造形として全体を構成するには並外れた技量が要されるというのは想像に難くありません。
大きさも1年に数個も出ない2インチサイズであり、そこにこの彫りと色使いが備わった本作は、日本はもちろん世界的に見てもそうそう同等品が見つからない稀少性をもっております。
石は鮮やかなサードニクスで、白色層も色交じりが少なく綺麗な石です。
またこの手の色付きのメノウは白色層が薄いことが多いですが、本作に関しましては比較的厚みがあり像に立体感があるのもこの石の良質さゆえ。
100年以上を経たストーンカメオとしては状態も良く、保管に際してついた傷は首筋にかかる髪にごく小さなチップがあるのみです。
素材由来のものでは白色層に極々薄いクラックか、もしくはインクルージョンと思われる線が見受けられますが、こちらも通常の鑑賞・実用において気になるものではありません。
フレームは14ctゴールド製。
カメオ本体と比べて年代が新しく、こちらは20世紀中頃のリメイクと思われます。
金具は風車式でピンはまっすぐしておりしっかりと留めることができますので、このまま現代のものと同様にご使用になれます。