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カルロ・パルラーティ作 マニア向け ”帽子の少女”

カルロ・パルラーティ作 マニア向け ”帽子の少女”
縦:約42mm(カメオ39mm)
横:約32mm(カメオ28mm)
作者:カルロ・パルラーティ)
QR:カタログクオリティ

日本で高い人気を誇る彫刻家カルロ・パルラーティ作とみられる超希少作の入荷です。

20世紀の彫刻の鬼才カルロ・パルラーティ。
カメオについて調べる人が真っ先に覚える作者のひとりであり、その特徴的なデザインは一度見れば忘れることはありません。
カルロ氏が活動し始めた当時、すでにジョヴァンニ・ノト氏の活躍によってモダンカメオの時代が到来しており、華やかなプロフィールや絵画のカメオ化などが一般的になりつつありましたが、カルロ氏はその流れに身を任せることなく一度古典的な構図へと立ち返り、そこから独自に再スタートする形で独特の生命観や宗教観などを描いてゆきました。
比較的単純なプロフィールのカメオにおいても、構図は19世紀のアンティークカメオに通じるものがほとんどを占めており、カルロ氏の解説においても古典的なようでいて現代的でもある革新性、市場からの需要を無視し自身の芸術性を追求する反抗性についての記述がみられることがありますが、その構図に表れている傾向はまさに、カルロ氏のそうした取り組みが形になったものと言えましょう。
また、その構図があまりにも印象的で技術的な面について触れられることがほぼ皆無ですが、まったくブレのない線で彫られた作品たちからして、仮に普通のカメオを彫ったとしても極めてレベルの高い作品を作り得る高い技術を持っていることも忘れてはならないところです。
実際にパトリツィア・パルラーティ氏よりカルロ氏の初期の習作として提供された写真には、まさに古典彫刻のミニチュアといった精緻な素晴らしい作品が写っており、またそれらの作品は全て厚みのあるコンクシェルに彫られていましたが、カルロ氏が”若手のカメオ彫刻家はコンクシェルで修業を積むべきだ”という彫刻の基礎の修練の重要さを説く言葉を残したことも伝えられており、決して奇抜な作風のみでその名を挙げたわけではないことが伺えます。

今回のカメオは日本ではまず見ることがない1970年前後の作品です。
日本に多く残っているカルロ作はそのほとんどが90年代から多く作られたもので、80年代のものもさほど多くなく、70年代以前のものに至っては私の知る限り確かなものは確認されておりません。
そもそも日本には、作者に関係なく70年代のカメオ自体があまりありませんが※、そうかといって海外であれば見かけるというものでもないので、元より以前から積極的にカメオを彫っていたわけではないのではと思います。
本作は当然海外で見つけたもので、その作風は古いパルラーティ家の作風そのもの。
90年代以降のカルロ作と、その外見を模倣したパトリツィア氏の作品が主なイメージとなっている現在ではほぼ見られなくなったものの、幾何学的な装飾を細かに入れていくスタイルはカルロ氏の父であるアントニオ氏の作品のほか(ちなみにアントニオ作にサインは無い。日本市場にあるA.Parlati銘のカメオはカルロ氏の兄であるアニエロ・パルラーティ作とみる。作風と年代から、少なくともアントニオ作ではありえない)ヴィンチェンツォ・パルラーティ氏の古い作とみられるもの、それからパルラーティ家で修行していたヴィンチェンツォ・インジェニート氏の作品にもみられるパルラーティ家の特色です。
今回のカメオは、古いカルロ作を見たことがなかった経験から最初アントニオ・パルラーティ作かと思って購入したものでしたが、あとから一応アントニオ作の作例を確認してみると、アントニオ氏の髪の彫り方は兄弟であるラファエレ・パルラーティ氏のものと似通っているのに対して本作のそれはカルロ氏のサンゴ彫刻で見られる彫り方によく似ていること、顔つきもアントニオ作と本作では若干違い、むしろ80年代のカルロ作によく似ていることからアントニオ作ではないと判断しました。
また両ヴィンチェンツォ作とも顔つきが違い、それに帽子に彫られている網目状の装飾はヴィンチェンツォ作では網目ですが、本作は左上から右下に入る線は一本線でありつつ、右上から左下に入るように見える線はつながらず一本線ではない…すなわち網目状ではあるが網目ではないこと、そしてフリーハンドでこういった幾何学的な模様を美しく表現できるのは並外れて優れた彫刻技術やバランス感覚を持った彫刻師のみということから、髪と顔の彫りと合わせてカルロ作という判定に至りました。

※商業的な輸入が始まってきたのが80年前後になるため。それ以前のものは邦人がナポリ旅行の際にジョヴァンニ・アパなどで買ってきたものやアンティークジュエリーとして取り扱われてきたもので、全体として数は多くない。

彫刻の技量はこの時点で優れていることは明らかで、先述のとおり幾何学模様の美しさだけでなく、彫がくっきりとしていて唇や目の影にブレがない事からもはっきりわかります。
作品に流れを感じるのも80年代のカルロ作や彫刻作品等で見る物と同様の感覚であり、さらに本作は裏にパルラーティ工房のアシッドサインがある(画像6参照:黒文字はアシッドサインをトレースしたもの)ことから、当時の作例資料が非常に少ない現状でもパルラーティ家のカメオであることは100%間違いなく、その中でも特に彫刻の技量に秀でた作者のものということでかなり高い確率でカルロ作、次点で父であるアントニオ作の可能性を含む(それ以外の作者である可能性は現状考えられない)といったところになります。

貝はコルネリアン、2番材だと思いますが、殻底の部材で色はきれいです。
状態は非常によく、ヘアラインは8時位置から9時位置にかけて1筋のみ。
ほかに摩耗やいたみは無く、半世紀ほど前のカメオとしては十分に健全といえましょう。

フレームは14ctゴールド製。
ヤケがあるもののゆがみなどは無いので、磨けばきれいになります。
キャッチは古い風車式、ピンも曲がりなくしっかり留まり、こちらも状態良しです。
¥150,000 SOLD OUT
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