Item
アンティーク(推定19世紀後半) 古色バーメイル枠入り ”バッカンテ”
縦:約53mm(カメオ40mm)
横:約45mm(カメオ32mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
定番ながらも最近あまり入荷が無い19世紀のバッカンテのカメオの入荷です。
19世紀当時大変人気のあったカメオモチーフであるバッカンテ。
一説にはバッカンテのカメオを着用してパーティーに出席することでその後の予定などを示したといわれ、そういった階級の人物たちが用いたものが多かったことを示すように質の高い作品が現在も多く残っております。
一方でそういった貴族的な文化が鳴りを潜めてきた第1次大戦以降は(カメオの市場の中心がイギリスからアメリカに移ったことも手伝って)バッカンテの作品も少なくなってきたという背景があり、バッカンテはヴィクトリアンを象徴するアンティークカメオの代表的存在といえましょう。
古物カメオの専門店としてアンティークカメオの充実を目標にしている当ギャラリーにおいても多く取り扱ってきたバッカンテですが、ギャラリーとして少しずつ取り扱う作品のランクを上げてきたことや、非常に高価なストーンカメオの入荷などに予算を取ることも多くなってきたことで、最近はバッカンテの入荷も半年に1つか2つくらいといった頻度となってきました。
今回は久しぶりのバッカンテの入荷、立ち上げ当初に取り扱ってきたような少しライトな、それでいて決して質の悪くないクオリティの作品です。
超一流の作品群に比べれば像の厚みや葡萄のディテールで落ちるものの、カメオにおいて最重要となる顔立ちの美しさは一級のそれ。
この辺りはもちろん見る人の好みで左右される部分はあるものの、ニュートラルに判断するにはデッサンの正確さを見極める感覚的練度が必要となるところ、本作の造形は10年以上自分で絵を描き、観て感覚的な練度を高めてきた私からみても崩れを感じさせない造形です。
バッカンテの質を左右する要素の一つである葡萄も超一流には劣るとはいえ葡萄の実は一つ一つ彫り出されており、葉の葉脈やうねりなどもしっかり表現されているあたり、中級品よりは一段階上といえる品質に仕上がっております。
貝はコーヒー色の地にくっきりとした白色層の良質なサードニクス。
現在に比べると色の面では質にばらつきが多かった当時のカメオとしては安定した良い貝を使っております。
裏面を見た感じ裏からごく浅い層に剥離があり、これは貝からカメオの母材を切り出す際に回転砥石の振動でできたもの。
とはいえ全体的な状態は良く、表面には経年のわずかなナレがあるもののヘアラインやヒビなどもなし、層剥離も表から見てわかるものでなく、これは実際に私自身が貝を切ってカメオ母材を作った時にも同様の現象を確認、現物も手にしており、強度的問題もないことを確認しております。
フレームは銀に金メッキをかけたバーメイル。
メッキはほとんど落ちており、銀地金の色がでておりますが、黒化した部分も多く金・銀・黒の色のバランスが美しい古色を呈しております。
作りも丁寧でキャッチはC型クラスプでありながらピンの保持力が強く、現在でも補助具無しで着用可能。
6時位置には小さな丸環が取り付けられており、万一に備えて落下防止のチェーンの装備も可能となっております。
ただ、おそらくもともとは別のカメオのフレームであったと思われ、覆輪留めの外周部をみたところではカメオに完全にあっていない様子。
もちろんカメオの保持はしっかりしており、通常の着用においてカメオが脱落するような心配はありません。
横:約45mm(カメオ32mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
定番ながらも最近あまり入荷が無い19世紀のバッカンテのカメオの入荷です。
19世紀当時大変人気のあったカメオモチーフであるバッカンテ。
一説にはバッカンテのカメオを着用してパーティーに出席することでその後の予定などを示したといわれ、そういった階級の人物たちが用いたものが多かったことを示すように質の高い作品が現在も多く残っております。
一方でそういった貴族的な文化が鳴りを潜めてきた第1次大戦以降は(カメオの市場の中心がイギリスからアメリカに移ったことも手伝って)バッカンテの作品も少なくなってきたという背景があり、バッカンテはヴィクトリアンを象徴するアンティークカメオの代表的存在といえましょう。
古物カメオの専門店としてアンティークカメオの充実を目標にしている当ギャラリーにおいても多く取り扱ってきたバッカンテですが、ギャラリーとして少しずつ取り扱う作品のランクを上げてきたことや、非常に高価なストーンカメオの入荷などに予算を取ることも多くなってきたことで、最近はバッカンテの入荷も半年に1つか2つくらいといった頻度となってきました。
今回は久しぶりのバッカンテの入荷、立ち上げ当初に取り扱ってきたような少しライトな、それでいて決して質の悪くないクオリティの作品です。
超一流の作品群に比べれば像の厚みや葡萄のディテールで落ちるものの、カメオにおいて最重要となる顔立ちの美しさは一級のそれ。
この辺りはもちろん見る人の好みで左右される部分はあるものの、ニュートラルに判断するにはデッサンの正確さを見極める感覚的練度が必要となるところ、本作の造形は10年以上自分で絵を描き、観て感覚的な練度を高めてきた私からみても崩れを感じさせない造形です。
バッカンテの質を左右する要素の一つである葡萄も超一流には劣るとはいえ葡萄の実は一つ一つ彫り出されており、葉の葉脈やうねりなどもしっかり表現されているあたり、中級品よりは一段階上といえる品質に仕上がっております。
貝はコーヒー色の地にくっきりとした白色層の良質なサードニクス。
現在に比べると色の面では質にばらつきが多かった当時のカメオとしては安定した良い貝を使っております。
裏面を見た感じ裏からごく浅い層に剥離があり、これは貝からカメオの母材を切り出す際に回転砥石の振動でできたもの。
とはいえ全体的な状態は良く、表面には経年のわずかなナレがあるもののヘアラインやヒビなどもなし、層剥離も表から見てわかるものでなく、これは実際に私自身が貝を切ってカメオ母材を作った時にも同様の現象を確認、現物も手にしており、強度的問題もないことを確認しております。
フレームは銀に金メッキをかけたバーメイル。
メッキはほとんど落ちており、銀地金の色がでておりますが、黒化した部分も多く金・銀・黒の色のバランスが美しい古色を呈しております。
作りも丁寧でキャッチはC型クラスプでありながらピンの保持力が強く、現在でも補助具無しで着用可能。
6時位置には小さな丸環が取り付けられており、万一に備えて落下防止のチェーンの装備も可能となっております。
ただ、おそらくもともとは別のカメオのフレームであったと思われ、覆輪留めの外周部をみたところではカメオに完全にあっていない様子。
もちろんカメオの保持はしっかりしており、通常の着用においてカメオが脱落するような心配はありません。