Item
アンティーク(推定1900年頃) 訳あり品 ”紅差すデメテル”
縦:約32mm
横:約26mm
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
人気のアンティークストーンカメオ、その中でも像の厚いメノウカメオの入荷です。
カメオの原点であり高級品とされるストーンカメオ。
しかしながら現在のストーンカメオは99%機械生産品であり、工芸品ではなく工業品と呼ぶべきものが大半を占めます。
このカメオの機械生産は1970年代から起こったもので、それ以前の作品は昔ながらの手彫りのカメオであり、作品数もずっと少なく、そして価格も文字通り桁違いに高価なものになります。
さて、今回はいくつかの素材の中でも像の高さに定評があるスモーク状のメノウのカメオ。
本作も例にもれず画面いっぱいに厚い像が乗っており、ルースの段階ではどこかころっとした印象があります。
本作の素材の石は4層になっており、背面のスモーク状のメノウの上に薄い白の層、その上にまたスモーク状の薄層があり、さらにその上に像のメインとなる白色の厚い層が乗っておりますが、下の層に赤が差しており、デメテルの髪や麦穂などにうっすらと朱がかかっているのも面白いです。
モチーフは冠とその隣に挿した麦穂からわかるように地母神デメテル。
デメテルは豊穣神ですから、本作のようにふくよかな印象があるカメオだと、本来のその性質が表現される感じがあってとりわけ良い品に感じられます。
彫りは1900年前後のもので、20世紀前半のものほど省略された印象が無い一方で19世紀中期のものよりはいささか簡素といったところ。
とはいえ鋼より硬いメノウに彫り入れられるものとしては驚くほどに細やかといってよく、特に現代のように像に高さが無く平面的な彫り込みではなく、立体像を作るに近い彫り込みを行っている点は、やはりアンティーク特有のものとして特筆すべき見どころです。
石はアンティークストーンカメオに多いスモークと白色のメノウ。
石質自体はよく、白色が濃くのっております。
ただ状態面はうちで取り扱うものとしては少々傷が多いといえ、麦の葉や冠、首元に小さなチップが散見されます。
また背面のスモーク状のメノウの方には天然のクラックが3点見られ、裏面の5時半位置、9時半位置、10時半位置にそれぞれ入っております。
いずれも反対側まで貫通しているわけでなく、また天然クラックの特徴として背面層のクラックは他の層にまで達していないため、見た目ほど強度に問題があったりするわけではありませんが、さすがに3点のクラックに保管上のチップも複数あるとなると多少の傷で流すわけにはいかないかなということで今回訳あり品という扱いとし、時価も大幅に下げての取り扱いとなっております。
横:約26mm
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
人気のアンティークストーンカメオ、その中でも像の厚いメノウカメオの入荷です。
カメオの原点であり高級品とされるストーンカメオ。
しかしながら現在のストーンカメオは99%機械生産品であり、工芸品ではなく工業品と呼ぶべきものが大半を占めます。
このカメオの機械生産は1970年代から起こったもので、それ以前の作品は昔ながらの手彫りのカメオであり、作品数もずっと少なく、そして価格も文字通り桁違いに高価なものになります。
さて、今回はいくつかの素材の中でも像の高さに定評があるスモーク状のメノウのカメオ。
本作も例にもれず画面いっぱいに厚い像が乗っており、ルースの段階ではどこかころっとした印象があります。
本作の素材の石は4層になっており、背面のスモーク状のメノウの上に薄い白の層、その上にまたスモーク状の薄層があり、さらにその上に像のメインとなる白色の厚い層が乗っておりますが、下の層に赤が差しており、デメテルの髪や麦穂などにうっすらと朱がかかっているのも面白いです。
モチーフは冠とその隣に挿した麦穂からわかるように地母神デメテル。
デメテルは豊穣神ですから、本作のようにふくよかな印象があるカメオだと、本来のその性質が表現される感じがあってとりわけ良い品に感じられます。
彫りは1900年前後のもので、20世紀前半のものほど省略された印象が無い一方で19世紀中期のものよりはいささか簡素といったところ。
とはいえ鋼より硬いメノウに彫り入れられるものとしては驚くほどに細やかといってよく、特に現代のように像に高さが無く平面的な彫り込みではなく、立体像を作るに近い彫り込みを行っている点は、やはりアンティーク特有のものとして特筆すべき見どころです。
石はアンティークストーンカメオに多いスモークと白色のメノウ。
石質自体はよく、白色が濃くのっております。
ただ状態面はうちで取り扱うものとしては少々傷が多いといえ、麦の葉や冠、首元に小さなチップが散見されます。
また背面のスモーク状のメノウの方には天然のクラックが3点見られ、裏面の5時半位置、9時半位置、10時半位置にそれぞれ入っております。
いずれも反対側まで貫通しているわけでなく、また天然クラックの特徴として背面層のクラックは他の層にまで達していないため、見た目ほど強度に問題があったりするわけではありませんが、さすがに3点のクラックに保管上のチップも複数あるとなると多少の傷で流すわけにはいかないかなということで今回訳あり品という扱いとし、時価も大幅に下げての取り扱いとなっております。