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アンティーク(推定19世紀末期)「黙祷」
縦:約42mm
横:約32mm
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ+
カメオの原点であり高級品とされるストーンカメオ。
しかしながら現在のストーンカメオは99%機械生産品であり、工芸品ではなく工業品と呼ぶべきものが大半を占めます。
このカメオの機械生産は1970年代から起こったもので、それ以前の作品は昔ながらの手彫りのカメオであり、作品数もずっと少なく、そして価格も誇張無しに桁2つ高価なものになります。
今回は19世紀末期、もちろんすべて手彫りによるハンドカーヴドカメオです。
モチーフとなっているのはキリスト教を基とするモチーフの中でも特に人気が高いマリア像。
すっきりとしたシルエットと飾り気のない姿から、いわゆるモーニングジュエリーという分類に属するものとして制作されたと思われます。
石もモノトーンの天然オニキスを使用しており、どう見ても華美さを演出するカメオではありません。
しかしながらその彫り自体は熟練した精緻なもので、髪の彫り筋の1本1本やヴェールの立体的なうねりから、作者の技量の高さが見てとれます。
また面白いのが光輪で、本作のオニキスは4色の層で構成されているのですが、実は上のマリア像は一番上の層でできていて、光輪は上から3番目の層で出来ています。
その中間には灰色の層が1層挟まっているのですが、これはマリア像の下になっていて、正面から見たらわからないようになっているのです。
もちろんマリア像を彫る際に少しでも手元が狂えば下の層まで彫り抜いてしまいますし、光輪の白色層もそれ自体は非常に薄い物なので、ここも残しすぎず削りすぎず、非常に精密な作業が求められます。
当時のストーンカメオの制作はシェルカメオと違って人力のろくろに研磨剤を塗布した棒を設置し、カメオの素材になるオニキスの方を手に持ってその棒に押しつけることで少しずつ少しずつ彫り進めていたといいますから、このような作業がいかに熟練した職人の手によるものであったかがよくわかるかと思います。
石は普通に見る分には漆黒にしか見えないオニキス。
実際には限りなく濃い茶色で光にすかすと茶色に見えますが、これこそが現在の着色オニキスとの違いでもあります。
精査してみたところクラック等自然由来の傷は見当たりませんでしたが、裏面縁の4時位置および6時半位置にチップあり。
共に表から見ればわからないどころか手にしてみてもわかりにくく、撮影にも非常に苦労したくらいですので、鑑賞するにもジュエリー化するにも気になることは無いかと思います。
横:約32mm
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ+
カメオの原点であり高級品とされるストーンカメオ。
しかしながら現在のストーンカメオは99%機械生産品であり、工芸品ではなく工業品と呼ぶべきものが大半を占めます。
このカメオの機械生産は1970年代から起こったもので、それ以前の作品は昔ながらの手彫りのカメオであり、作品数もずっと少なく、そして価格も誇張無しに桁2つ高価なものになります。
今回は19世紀末期、もちろんすべて手彫りによるハンドカーヴドカメオです。
モチーフとなっているのはキリスト教を基とするモチーフの中でも特に人気が高いマリア像。
すっきりとしたシルエットと飾り気のない姿から、いわゆるモーニングジュエリーという分類に属するものとして制作されたと思われます。
石もモノトーンの天然オニキスを使用しており、どう見ても華美さを演出するカメオではありません。
しかしながらその彫り自体は熟練した精緻なもので、髪の彫り筋の1本1本やヴェールの立体的なうねりから、作者の技量の高さが見てとれます。
また面白いのが光輪で、本作のオニキスは4色の層で構成されているのですが、実は上のマリア像は一番上の層でできていて、光輪は上から3番目の層で出来ています。
その中間には灰色の層が1層挟まっているのですが、これはマリア像の下になっていて、正面から見たらわからないようになっているのです。
もちろんマリア像を彫る際に少しでも手元が狂えば下の層まで彫り抜いてしまいますし、光輪の白色層もそれ自体は非常に薄い物なので、ここも残しすぎず削りすぎず、非常に精密な作業が求められます。
当時のストーンカメオの制作はシェルカメオと違って人力のろくろに研磨剤を塗布した棒を設置し、カメオの素材になるオニキスの方を手に持ってその棒に押しつけることで少しずつ少しずつ彫り進めていたといいますから、このような作業がいかに熟練した職人の手によるものであったかがよくわかるかと思います。
石は普通に見る分には漆黒にしか見えないオニキス。
実際には限りなく濃い茶色で光にすかすと茶色に見えますが、これこそが現在の着色オニキスとの違いでもあります。
精査してみたところクラック等自然由来の傷は見当たりませんでしたが、裏面縁の4時位置および6時半位置にチップあり。
共に表から見ればわからないどころか手にしてみてもわかりにくく、撮影にも非常に苦労したくらいですので、鑑賞するにもジュエリー化するにも気になることは無いかと思います。









