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アンティーク(推定19世紀中期)高弟の習作「テラ・マーテル」
縦:約50mm
横:約40mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
現在でこそ機械生産がおこなわれ大量生産されているメノウを素材としたハードストーンカメオ。
カメオの歴史においては1970年代より作られ始めたもので、それより前は人が手作業で鋼より硬いメノウを彫って作っていたため、希少性も価格も現在の比ではありませんでした。
一般に、カメオはストーンカメオが本式であり高級品であると言われるのはこの時代のもののことで、現在のストーンカメオは高級品どころかそもそもカメオの定義に沿っているかどうかすら怪しい工業品であり、本式とうたわれる確かなストーンカメオは時を経るごとに貴重になってきております。
そんなストーンカメオですが、やはり制作に大変な手間がかかるためかシェルカメオより小さいサイズとなるのが一般的で、シェルカメオが5㎝(2インチに相当)が一般的なフルサイズであるのに対してストーンは38㎜(1.5インチに相当)がフルサイズといっていい状況であり、40㎜を超えてくるような作品はかなり数が少なくなってきて、さらに50㎜となると2,3年に1つ見るかどうかというくらい貴重なものとなってきます。
本作はその稀な50㎜に達した大粒のカメオで、その一点においても極めて貴重なもの。
モチーフはシンプルな草の冠を頂く女神像で、麦の冠を頂くデーメーテールや葡萄の冠を頂くバッカンテ、または花の冠を頂くフローラといったおなじみのモチーフと比べると、より原始的な要素を含むように見受けられます。
特に穀物であれ果実であれ、農耕を示唆する要素を持たない点は特筆すべきところであり、この点から原初の大地の神テラをモチーフとしたものと解釈しました。
彫りの面に目を向けますと、大きな目や整った顔立ちが美しく、間違いなく良質な仕上がり。
ではあるのですが、当ギャラリーで取り扱うメノウカメオと比べると少々大味というのが正直なところ。
髪の彫りの流れはやや途切れがちで、草の冠も本来意図しないところが削れている様が見受けられ、肌の仕上げも一流の作品と比べますと少々粗く、後述します石の品質も踏まえまして工房のトップの職人の手による作品というより高弟の習作のような雰囲気があります。
モチーフにシンプルな原初神を選んだことや石が大きいのも、複雑なモチーフや小さい石を彫るより大きなものの方が練習しやすいといった事情があったのではないでしょうか。
もしもこのサイズで彫りや石の品質が一流ならばたとえルースのみでも余裕のミュージアムクオリティですが本作は及ばず、とはいえご覧のように決して出来が悪いというわけでもなく、先述の通りどのような理由であれこのサイズのストーンカメオは非常に貴重ですので、超一流とは言わないまでも良質な大判の手彫りストーンカメオということで相応の価値は十分にあるものと判断しております。
石はカルセドニー系のメノウ。
光にすかして観察してみてもクラックなどは見当たらないのですが、4時位置の背景層に色斑が出ていることや白色層に橙色の斑点がはいっている点、それにこの手のカルセドニー系のメノウは白色層が厚いことが多いのにたいして本作は白色層が薄めで、背景層を掘り下げることで像に厚みを足していることから、本作のような大粒のメノウカメオを購入するような貴人へ納品するには不安な品質なように見え、この点でも習作なのではないかとの思いを強めております。
おそらくアクセサリーとして加工された経歴もないとみられ、保管による傷は見当たらず綺麗な状態を保っております。
横:約40mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
現在でこそ機械生産がおこなわれ大量生産されているメノウを素材としたハードストーンカメオ。
カメオの歴史においては1970年代より作られ始めたもので、それより前は人が手作業で鋼より硬いメノウを彫って作っていたため、希少性も価格も現在の比ではありませんでした。
一般に、カメオはストーンカメオが本式であり高級品であると言われるのはこの時代のもののことで、現在のストーンカメオは高級品どころかそもそもカメオの定義に沿っているかどうかすら怪しい工業品であり、本式とうたわれる確かなストーンカメオは時を経るごとに貴重になってきております。
そんなストーンカメオですが、やはり制作に大変な手間がかかるためかシェルカメオより小さいサイズとなるのが一般的で、シェルカメオが5㎝(2インチに相当)が一般的なフルサイズであるのに対してストーンは38㎜(1.5インチに相当)がフルサイズといっていい状況であり、40㎜を超えてくるような作品はかなり数が少なくなってきて、さらに50㎜となると2,3年に1つ見るかどうかというくらい貴重なものとなってきます。
本作はその稀な50㎜に達した大粒のカメオで、その一点においても極めて貴重なもの。
モチーフはシンプルな草の冠を頂く女神像で、麦の冠を頂くデーメーテールや葡萄の冠を頂くバッカンテ、または花の冠を頂くフローラといったおなじみのモチーフと比べると、より原始的な要素を含むように見受けられます。
特に穀物であれ果実であれ、農耕を示唆する要素を持たない点は特筆すべきところであり、この点から原初の大地の神テラをモチーフとしたものと解釈しました。
彫りの面に目を向けますと、大きな目や整った顔立ちが美しく、間違いなく良質な仕上がり。
ではあるのですが、当ギャラリーで取り扱うメノウカメオと比べると少々大味というのが正直なところ。
髪の彫りの流れはやや途切れがちで、草の冠も本来意図しないところが削れている様が見受けられ、肌の仕上げも一流の作品と比べますと少々粗く、後述します石の品質も踏まえまして工房のトップの職人の手による作品というより高弟の習作のような雰囲気があります。
モチーフにシンプルな原初神を選んだことや石が大きいのも、複雑なモチーフや小さい石を彫るより大きなものの方が練習しやすいといった事情があったのではないでしょうか。
もしもこのサイズで彫りや石の品質が一流ならばたとえルースのみでも余裕のミュージアムクオリティですが本作は及ばず、とはいえご覧のように決して出来が悪いというわけでもなく、先述の通りどのような理由であれこのサイズのストーンカメオは非常に貴重ですので、超一流とは言わないまでも良質な大判の手彫りストーンカメオということで相応の価値は十分にあるものと判断しております。
石はカルセドニー系のメノウ。
光にすかして観察してみてもクラックなどは見当たらないのですが、4時位置の背景層に色斑が出ていることや白色層に橙色の斑点がはいっている点、それにこの手のカルセドニー系のメノウは白色層が厚いことが多いのにたいして本作は白色層が薄めで、背景層を掘り下げることで像に厚みを足していることから、本作のような大粒のメノウカメオを購入するような貴人へ納品するには不安な品質なように見え、この点でも習作なのではないかとの思いを強めております。
おそらくアクセサリーとして加工された経歴もないとみられ、保管による傷は見当たらず綺麗な状態を保っております。







