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アンティーク(推定19世紀後期) 鍾乳石カメオ ”地母神デメテル”
縦:約42mm
横:約33mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
非常に珍しい鍾乳石(石灰華)を素材としたアンティークカメオの入荷です。
カメオの素材は大きく分けて2種類、石と貝殻があります。
その中で石に分類されるものの多くはメノウを素材とし、次いでヴェスヴィオ火山周辺でとれるラーヴァを素材としたものが知られております。
今回のお品物はそのどちらにも当てはまらない鍾乳石を素材としたカメオです。
鍾乳石のカメオの作例は極めて少なく、日本の市場とは桁違いの数のカメオが流通する海外市場においても年に1つあるかどうかといったところ。
素材の鍾乳石はイタリアでは石材として古代より利用されてきたもので、カルスト地形においてみられる過飽和の石灰水から結晶、沈殿して生成される石灰質の岩石です。
一般には他の石灰質の岩石とまとめて大理石と呼ばれることもあり(本来大理石は熱変成作用を受けた石灰岩を指す)通常は建材として用いられ、ローマのコロッセオなどが石灰華の建造物として知られております。
貝殻やメノウ、それにラーヴァやサンゴといった素材に比べて目が粗く精密な彫刻に向かない、さらにラーヴァと同様に摩耗などに弱く耐久性が比較的低いことから宝飾品として加工されることは非常に稀で、先述のカメオとしての作例の少なさにもそれが現れております。
さて、今回はそんな鍾乳石に彫り込まれた精密なデメテルが美しいカメオです。
一般に麦穂を頭に飾ることで表現されることが多いデメテルにあって、本作は麦穂のほかに花束、ローレルリーフ、オークの小枝をあしらったもので、このデザインを取っても非常に稀な作品です。
フローラやバッカンテと融合したような、麦穂に花と葡萄や梨、ザクロといった果物をあしらったものがサウリーニ工房の作品で見られることがありますが、このような装飾をもったものは私も過去に見たことがありません。
目の粗い石灰華のカメオでありながら彫りは精密で美しく、さすがに貝殻やメノウのような鋭いエッジこそないものの、これでも素材と経年を考えればほとんど無傷の作品かと思います。
もちろん彫りにも優れ、整った顔立ちはもちろん、バランスの難しい多種多様な装飾が細かな髪の上に美しく飾られており、立体的なリボンや人体の中でも描写が難しい耳もきっちり彫り込まれております。
石は目のつまった石灰華。
建材として用いられる物は大小の穴が多く、それに比べるとそうした穴がなくなめらかな石質です。
状態はほぼ完品で、オークの小枝まわりにわずかにスレがある程度。
先述の通り他の素材と比べて耐久性が低いほか、多孔質で汚れが付いたら落ちにくく、また洗浄も難しい素材であることも考えると、100年以上、もしかしたら150年以上経過してなお欠けや摩耗、大きな汚れが見られない状態で残っているのは奇跡的といってもいいのではないでしょうか。
裏側は外周部のみ削られているものの中の方は元の石材の面がそのまま残っております。
宝飾品としてみた場合はラーヴァ同様素材の見た目の美しさや稀少性、それに耐久性などの面から価値が抑えられるとみる一方、美術品や骨董品としてみるとそれらの点はマイナスにならず、純粋に出来の良さや稀少さを評価して大きく価値が上がるカメオです。
価格は低い時価(宝飾品基準)でつけていますが、実際のところはもっと高く評価される作品ですので、カメオのコレクター様向けにおすすめの逸品となります。
※ディテールが分かりやすいように撮ることを最優先としているため暗めに撮影しておりますが、現物は濃いめのベージュ色をしております。
横:約33mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
非常に珍しい鍾乳石(石灰華)を素材としたアンティークカメオの入荷です。
カメオの素材は大きく分けて2種類、石と貝殻があります。
その中で石に分類されるものの多くはメノウを素材とし、次いでヴェスヴィオ火山周辺でとれるラーヴァを素材としたものが知られております。
今回のお品物はそのどちらにも当てはまらない鍾乳石を素材としたカメオです。
鍾乳石のカメオの作例は極めて少なく、日本の市場とは桁違いの数のカメオが流通する海外市場においても年に1つあるかどうかといったところ。
素材の鍾乳石はイタリアでは石材として古代より利用されてきたもので、カルスト地形においてみられる過飽和の石灰水から結晶、沈殿して生成される石灰質の岩石です。
一般には他の石灰質の岩石とまとめて大理石と呼ばれることもあり(本来大理石は熱変成作用を受けた石灰岩を指す)通常は建材として用いられ、ローマのコロッセオなどが石灰華の建造物として知られております。
貝殻やメノウ、それにラーヴァやサンゴといった素材に比べて目が粗く精密な彫刻に向かない、さらにラーヴァと同様に摩耗などに弱く耐久性が比較的低いことから宝飾品として加工されることは非常に稀で、先述のカメオとしての作例の少なさにもそれが現れております。
さて、今回はそんな鍾乳石に彫り込まれた精密なデメテルが美しいカメオです。
一般に麦穂を頭に飾ることで表現されることが多いデメテルにあって、本作は麦穂のほかに花束、ローレルリーフ、オークの小枝をあしらったもので、このデザインを取っても非常に稀な作品です。
フローラやバッカンテと融合したような、麦穂に花と葡萄や梨、ザクロといった果物をあしらったものがサウリーニ工房の作品で見られることがありますが、このような装飾をもったものは私も過去に見たことがありません。
目の粗い石灰華のカメオでありながら彫りは精密で美しく、さすがに貝殻やメノウのような鋭いエッジこそないものの、これでも素材と経年を考えればほとんど無傷の作品かと思います。
もちろん彫りにも優れ、整った顔立ちはもちろん、バランスの難しい多種多様な装飾が細かな髪の上に美しく飾られており、立体的なリボンや人体の中でも描写が難しい耳もきっちり彫り込まれております。
石は目のつまった石灰華。
建材として用いられる物は大小の穴が多く、それに比べるとそうした穴がなくなめらかな石質です。
状態はほぼ完品で、オークの小枝まわりにわずかにスレがある程度。
先述の通り他の素材と比べて耐久性が低いほか、多孔質で汚れが付いたら落ちにくく、また洗浄も難しい素材であることも考えると、100年以上、もしかしたら150年以上経過してなお欠けや摩耗、大きな汚れが見られない状態で残っているのは奇跡的といってもいいのではないでしょうか。
裏側は外周部のみ削られているものの中の方は元の石材の面がそのまま残っております。
宝飾品としてみた場合はラーヴァ同様素材の見た目の美しさや稀少性、それに耐久性などの面から価値が抑えられるとみる一方、美術品や骨董品としてみるとそれらの点はマイナスにならず、純粋に出来の良さや稀少さを評価して大きく価値が上がるカメオです。
価格は低い時価(宝飾品基準)でつけていますが、実際のところはもっと高く評価される作品ですので、カメオのコレクター様向けにおすすめの逸品となります。
※ディテールが分かりやすいように撮ることを最優先としているため暗めに撮影しておりますが、現物は濃いめのベージュ色をしております。