K様ご予約のお品物となります。
加工費込みで修正済みですので、以後のお手続きよろしくお願いいたします。

縦：約33mm（カメオ28mm）
横：約22mm（カメオ22mm）
作者：－（アンティーク）
QR：アーティスティッククオリティ

当ギャラリーでも数の少ないハードストーンカメオ、その中でも素晴らしい彫り逸品の入荷です。

1970年代以降機械化が進んでいるハードストーンカメオ。
現在見かけるものはそのほとんどすべてが機械製造によるもので、手彫りによるものは1割もありません。
それより前の年代のものは手彫りとなりますが、ストーンカメオもシェルカメオと同様、1930年頃からはその品質が大幅に低下したため、手彫りで質のいいものはほぼ制作から100年以上を経過したアンティークのカメオに限られてきます。
今回のお品物は19世紀のアルテミスのカメオです。
素地はカーネリアン、それに白色の層が乗ったメノウに彫られたもので、天然のメノウを用いているため白色層のさらに上に乗った淡褐色層も像に含まれております。
彫りはさすがに19世紀のもので、鋼では彫れない硬度を持った素材に刻まれたとは思えないほどの繊細さ。
小さいながらに像のメリハリをきっちりつけて彫られており、髪のくっきりとしたウェーブの奥にもう1段見える髪の彫りやキトンを留める花型のブローチ、ひとつひとつの粒は0.6mmほどしかない真珠の首飾りなどなど、19世紀のカメオのなかでも超一流の作者の手によるものであることは疑いようがない逸品です。
顔立ちも19世紀の名品というにふさわしい美しさで、仮に大きさがあと1㎝あれば一足飛びで文句なしのミュージアムクオリティ分類、時価も3倍程になるでしょう。

石はカーネリアン地のメノウ。
年代を考えれば保存状態は良好と言えますが、首飾りの粒が1つと、その下のキトンの縁に極めて小さなチップがあります。（ブローチの花弁も1枚小さく欠けている可能性あり）
それから、こちらはもともとの素材によるものですが、白色層のアルテミスの顔、鼻梁から耳にいたる線とそれと交差するように小鼻の脇にごく薄いクラックがあります。
強い光を当てて仔細に観察しなければわからないものですが、これらの点は当ギャラリーの方針に則り価格に反映しております。

フレームはゴールドフィルド、下地は真鍮のようです。
こちらは1960年頃に制作しなおしたか金具を付け替えた後に金をかけ直したものと思われます。
ブローチ金具は風車式のものがついており、しっかりピンが留まります。