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ラファエレ・パルラーティ作 希少作”大輪の花と少女の祈り”
縦:約60mm
横:約45mm
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
今回は珍しい作品、滅多にみないとある作家のカメオの入荷です。
今回ご紹介するこのコルネリアンの大判のカメオ。
表にはサインがなく、裏には巨匠ジョヴァンニ・ノト氏のコマーシャルピースにみられるサインがあります。
しかしもちろんよく知られるノト氏の作風と異なる本作は、ノト氏の作品ではありません。
当然長年の彫刻経験を持つ作者であれば、その年代ごとの作風を抑えて判断しなければならず、作風が違うというだけで別人の作品だと判断することはできませんが、今回の場合は正しい作者の調べがついております。
本作の作者はラファエレ・パルラーティ氏、おそらくカメオに詳しい方でもあまり聞いたことが無い名ではないでしょうか。
ラファエレ氏はかの有名なパルラーティ一族のひとりで、カルロ・パルラーティ氏の叔父にあたります。(祖父という資料もあるが、ノト氏の下につく年代を考えると叔父のほうが信憑性が高い)
日本でカメオが見られるパルラーティ姓の作者としては、カルロ氏、パトリツィア氏、ヴィンチェンツォ氏、アニエロ氏に続いて5人目となります。
ラファエレ・パルラーティ作のカメオの裏にノト氏のサインがあるのは本作以外でも見たことがあり、現在もエンリコ・ペルーソ氏のカメオの裏に師であるラファエレ・ペルニーチェ氏がサインを入れていることがあるように、師が弟子の作品の品質を保証する意味で入れられた物である可能性がありますが、一方でマリオ・ヴェントレスカ氏やアンドレア・スカーラ氏といったノト氏の作風を色濃く受け継いだ作品を作っていた作者のものを含むその他の作者の作品にノト氏のサインが入っているのは現在確認しておらず、そのあたりの詳細は今後の研究課題のひとつでしょうか。
現在の精密なカメオと比べるとやや古い印象はあるものの、20世紀半ばというカメオの品質が著しく落ちていた当時の事情を思えば、強い独自性と優れた彫刻技術を両立した一目置くべき名品であり、華やかさと力強さを兼ね備えた印象深い作品と評せます。
余談ですが、このあとパルラーティ家の工房にはパスクアーレ・インジェニート氏の父であるヴィンチェンツォ・インジェニート氏が弟子入りして、現在孫のサルヴァトーレ氏やエマヌエレ氏に続くインジェニート家の作風の基礎を築き上げていくことになるのですが、パルラーティ家の作風はカルロ氏によって古典回帰することとなったため、このラファエレ氏の作風はむしろインジェニート家に影響を与えていくものとなります。
貝は厚めでしっかりとしたコルネリアン。
典型的な殻口下部の濃い橙色の部分を60mm規格サイズで切り取った大型のものです。
ヘアラインは画面上半分、橙色の濃い部分に散在しておりますが、これはコルネリアンのお約束ですね。
画像の通りほとんど背景を残さず、大きく力強い像が彫り込まれていますので、光に透かして見たとき縁にわずかに見える程度で、全く気にならないものとなっております。
横:約45mm
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
今回は珍しい作品、滅多にみないとある作家のカメオの入荷です。
今回ご紹介するこのコルネリアンの大判のカメオ。
表にはサインがなく、裏には巨匠ジョヴァンニ・ノト氏のコマーシャルピースにみられるサインがあります。
しかしもちろんよく知られるノト氏の作風と異なる本作は、ノト氏の作品ではありません。
当然長年の彫刻経験を持つ作者であれば、その年代ごとの作風を抑えて判断しなければならず、作風が違うというだけで別人の作品だと判断することはできませんが、今回の場合は正しい作者の調べがついております。
本作の作者はラファエレ・パルラーティ氏、おそらくカメオに詳しい方でもあまり聞いたことが無い名ではないでしょうか。
ラファエレ氏はかの有名なパルラーティ一族のひとりで、カルロ・パルラーティ氏の叔父にあたります。(祖父という資料もあるが、ノト氏の下につく年代を考えると叔父のほうが信憑性が高い)
日本でカメオが見られるパルラーティ姓の作者としては、カルロ氏、パトリツィア氏、ヴィンチェンツォ氏、アニエロ氏に続いて5人目となります。
ラファエレ・パルラーティ作のカメオの裏にノト氏のサインがあるのは本作以外でも見たことがあり、現在もエンリコ・ペルーソ氏のカメオの裏に師であるラファエレ・ペルニーチェ氏がサインを入れていることがあるように、師が弟子の作品の品質を保証する意味で入れられた物である可能性がありますが、一方でマリオ・ヴェントレスカ氏やアンドレア・スカーラ氏といったノト氏の作風を色濃く受け継いだ作品を作っていた作者のものを含むその他の作者の作品にノト氏のサインが入っているのは現在確認しておらず、そのあたりの詳細は今後の研究課題のひとつでしょうか。
現在の精密なカメオと比べるとやや古い印象はあるものの、20世紀半ばというカメオの品質が著しく落ちていた当時の事情を思えば、強い独自性と優れた彫刻技術を両立した一目置くべき名品であり、華やかさと力強さを兼ね備えた印象深い作品と評せます。
余談ですが、このあとパルラーティ家の工房にはパスクアーレ・インジェニート氏の父であるヴィンチェンツォ・インジェニート氏が弟子入りして、現在孫のサルヴァトーレ氏やエマヌエレ氏に続くインジェニート家の作風の基礎を築き上げていくことになるのですが、パルラーティ家の作風はカルロ氏によって古典回帰することとなったため、このラファエレ氏の作風はむしろインジェニート家に影響を与えていくものとなります。
貝は厚めでしっかりとしたコルネリアン。
典型的な殻口下部の濃い橙色の部分を60mm規格サイズで切り取った大型のものです。
ヘアラインは画面上半分、橙色の濃い部分に散在しておりますが、これはコルネリアンのお約束ですね。
画像の通りほとんど背景を残さず、大きく力強い像が彫り込まれていますので、光に透かして見たとき縁にわずかに見える程度で、全く気にならないものとなっております。