Item

鑑カルロ・パルラーティ作 美しい巻き毛の婦人のカメオ

鑑カルロ・パルラーティ作 美しい巻き毛の婦人のカメオ
縦:約33mm(カメオ30mm)
横:約25mm(カメオ28mm)
作者:カルロ・パルラーティ
QR:エクストラクオリティ

アメリカ直輸入の日本初公開のヴィンテージカメオです。

今回のカメオはいつもと少し趣向の違う作品となっております。
フレームから分かる年代は20世紀中頃で、カメオは無銘のコルネリアンの小径ピース。
これだけでみればありふれた品物ですが、そのカメオの作風はと言えば、一般的とはいい難い珍しい髪型がまず目につき、全体を見ればよくまとまったレイアウトと整った美しい彫りから平凡な職人の作品でないことはおわかりいただけるかと思います。
顔つきと構図は比較的古風な部類にはいりますが、単純にアンティークに見えないのは、その輪郭線以外の部分は非常に独特だからでしょう。
目にはまつ毛まで細かく彫り込まれ、眉はそこから生じ後方へ伸びます。
鼻筋はこの当時には既に一般的となっていたモダンカメオの様式よりアンティークに近い湾曲の少ないシルエット。
顎は丸く突出し、その上には厚みのある唇もしっかり彫られています。
さて、ここで本作の作者として浮かび上がるのがカルロ・パルラーティ氏。
本作のこの特徴は典型的なカルロ・パルラーティ氏の作品の特徴なのです。

カルロ・パルラーティといえば、日本でカメオを勉強し始めれば真っ先に覚える名前のひとつでしょう。
その作風は非常に個性的で、規則的かつ緻密にうねった髪と黒目の入った力強い目つきが特徴です。
しかし実は、その作風は1990年頃以降、カルロ氏が亡くなる10年間ほどの間に作られたカメオにのみ見られる特徴にすぎないということは注意しておかねばなりません。
1980年代に遡れば黒目が入らず髪のなびき方にも規則性がなくなり、80年代前半ではウェーブの描き方は試行錯誤中である様子が見られ、その様式がさほど昔から続いてきたものではないことがわかります。
この時期では真っ先に思い浮かべられるカルロ作の特徴は薄くなって、この年代のカメオの顔つきは本作と非常によく似ていることが分かると思います。

さらにそれより遡るとどんな作品になるのかですが、実は1980年頃以前に作られたとはっきりしているカルロ氏のカメオ作品は、私は見たことがありません。
そもそもそれより前にカメオを作っていなかった可能性もあげられますが、それについてははっきり否定できます。
なぜならパルラーティ家はカルロ氏から数代前にさかのぼって彫刻家の家系であり、幼少期より彫刻に親しんで芸術学校に進学するなど、生来その道を進んでいることがわかっているからです。
ではカルロ氏が20歳の頃(1954年)にはカメオを作っていたとして、カルロ作とはっきりしている作品が見つかる1970年代後半までの20年もの間の作品はどこにあるのでしょうか、なぜ見つからないのでしょうか。
これは私の仮説ですが、その20年の間のカメオにはサインが入っていない、だから見つからないのではないかと思っています。
事実、カメオに個人名を入れるのが一般的になった時期は70年代後半からであり、これはカルロ氏の作品が見つかるようになる時期とぴったり重なります。

カルロ氏の作品は構図も特徴的で、プロフィールの作品においては首元から上しか描かないことが多い、手が画面内に入らないといった特色があります。
これは19世紀のカメオによく見られた構図であり、カルロ氏の活躍した時期、既に世はジョヴァンニ・ノト氏の作り出したモダンカメオの構図が一般的になりつつありましたが、カルロ氏はその流れに身を任せることなく一度古典的な構図へと立ち返り、そこから独自に再スタートする形で作品を発展させていったことが同氏の作品から伺えます。
カルロ氏の解説においても、古典的なようでいて現代的でもある革新性、市場からの需要を無視し自身の芸術性を追求する反抗性についての記述がありますが、この構図にあらわれているのはまさに、カルロ氏のそうした取り組みが形になったものと言えましょう。
そしてもちろん、本作もその構図による描画となっております。

以上のように、本作は顔の描き方のみならず構図においてもカルロ・パルラーティ氏の作品の特徴を捉えており、若き日のカルロ氏の作品であると判断するに十分な根拠を備えております。
年代につきましては60年代頃と推定され、カルロ氏の作品の根幹となるテーマが強く含まれない作品であるためお安くしております。

カメオの状態は良好でヘアラインもない完品ですが、800銀で作られたフレームは状態がいいとは言えず、風車式のキャッチのツメが欠損、それからフレーム表の台の部分にモールの装飾があったと思われますが、それが欠損しているように見えます。
一応使用することはできますが、状態が良くないためルースのみの価値にて価格をお出ししております。

非常に珍しい作品ですので、判るコレクターの方はぜひコレクションへの追加をご検討ください。
¥45,000 SOLD OUT
再入荷通知を希望する

再入荷のお知らせを希望する

年齢確認

再入荷されましたら、登録したメールアドレス宛にお知らせします。

メールアドレス

折返しのメールが受信できるように、ドメイン指定受信で「thebase.in」と「yahoo.co.jp」を許可するように設定してください。

再入荷のお知らせを希望する

再入荷のお知らせを受け付けました。

ご記入いただいたメールアドレス宛に確認メールをお送りしておりますので、ご確認ください。
メールが届いていない場合は、迷惑メールフォルダをご確認ください。
通知受信時に、メールサーバー容量がオーバーしているなどの理由で受信できない場合がございます。ご確認ください。

折返しのメールが受信できるように、ドメイン指定受信で「thebase.in」と「yahoo.co.jp」を許可するように設定してください。

※こちらの価格には消費税が含まれています。

※別途送料がかかります。送料を確認する

送料・配送方法について

この商品の送料・配送方法は下記のとおりです。

  • EMS

    荷物追跡や損害賠償制度に対応している定番の配送方法です。

    海外一律 ¥2,000

※この商品は海外配送できる商品です。

通報する

関連商品

  • カルロ・パルラーティ作 希少80年代作 ”古代の貴婦人” カルロ・パルラーティ作 希少80年代作 ”古代の貴婦人” ¥450,000
  • カルロ・パルラーティ作 マニア向け ”帽子の少女” カルロ・パルラーティ作 マニア向け ”帽子の少女” ¥150,000
  • カルロ・パルラーティ作 ”アルビオンの女王” カルロ・パルラーティ作 ”アルビオンの女王” ¥120,000