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フランコ・スカーラ作 恋する白鳥のカメオ
縦:約65mm(カメオ38mm)
横:約68mm(カメオ36mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
イタリアカメオ界の名匠のひとり、フランコ・スカーラ作のカメオ。
フランコ・スカーラ氏は独特の哀愁を持つ作風で有名な作家ですが、そう言われる一方でこれといった”型”が無いという稀有な作家でもあります。
通常カメオの制作は職人に対し、作家ごとの特徴を汲んだ上で需要に沿ったものを作ってもらうという世界であり、名匠・巨匠と呼ばれる作家には大抵なにかしらの代名詞的な優れた具体的な作風があるものですが、スカーラ氏にはそれがありません。
それゆえ若干”わかりにくい作家”でありあまり一般受けはしない感じがありますが、しかしながら型や需要にすら捕らわれず、自分の作りたいものを作ってそれでも名を挙げるという経歴はまさに芸術家と言うにふさわしく、カメオをジュエリーではなく美術品として捉える層からは極めて強い支持を集めている巨匠です。
風景物では一般には物悲しい独特の雰囲気がスカーラ氏の作品の特徴とされる一方、花や動物をモチーフとしたものでは他の作者にはない透明感と清廉さが高く評価されており、やはりそうした作風においても卓越した彫刻技術による陰影と色の濃淡で最高レベルのモダンカメオを生み出しております。
本作はそんなフランコ・スカーラ氏による白鳥と花のカメオ、それもフランコ氏の跡継ぎとして活躍されているサルヴァトーレ・スカーラ氏自身より譲られた品です。
作品のタイトルはスカーラ家により付けられたもので”恋する白鳥”。
そのタイトルのとおり、水面に浮かぶつがいの白鳥に花をあしらった、フランコ氏らしい清廉さを持った作品です。
画面上の奥行きをしっかり貝の厚みで表現しつつ花弁の色味の表現や水面の透明感には貝のグラデーションを生かしており、その仕上がりは彫刻と絵画の中間たるモダンカメオの特徴を如実に示しております。
またおなじくモダンカメオの巨匠として知られるジェンナーロ・ガロファロ氏やパスクアーレ・オッタヴィアーノ氏に比べて幻想的・抽象的な構図を用いるのがスカーラ氏の特色ですが、本作の構図には十分にスカーラ作の風合いがでており、カメオを注意深く鑑賞することに長けた愛好家であれば、本作がスカーラ作であることはサインを改めるまでもないでしょう。
先述の通りスカーラ氏にはこれといった型がない(サインのパターンも複数ある)ため、モダンカメオの中でもジョヴァンニ・ノト氏に次いで鑑定の難しい作者です。
私の知る限りでスカーラ性のカメオ職人は5人おり、Fで始まる名前の職人はフランコ氏しかおりませんが、F.Scalaとサインのある作品には彫りや雰囲気があまりに稚拙であったり、それに加えてどうもモチーフがフランコ氏らしくないものが散見され、少なくとも作品を見て真作に間違いないと確信できるものは半分ほどしかありません。
現在のところ、そうした作品群がスカーラ氏の贋作であるのか、もしくは非常に古い時期の真作であるのかの判定はできておりませんが、いずれにせよ巨匠フランコ・スカーラの作と明確に判定できる品質のものは少なく、入手の機会はかなり限られる状態となっております。
ちなみに本作のサインの筆致も通常よくみるサインとは異なりますが、先述の通り構図と仕上がりがフランコ・スカーラ作の特徴をよく捉えていることと、なによりスカーラ家からの初出しですので間違いのない真作です。
もちろん新品ですので使用による汚れやダメージはなく、ヘアラインなども見当たらない完品。
合金とエナメルで作られたフレームもスカーラ家より譲られた時点で付けられていたもので、こちらももちろんカメオ同様新品。
海外では日本のようにK18などにこだわり、フレームで価格を大幅に(ときにカメオそのものの数倍にまで)水増しして暴利を得るようなやり方には否定的で、ローカラットゴールドのみならず銀や合金のフレームを用いることも一般的ですが、それにしても珍しいフレームです。
横:約68mm(カメオ36mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
イタリアカメオ界の名匠のひとり、フランコ・スカーラ作のカメオ。
フランコ・スカーラ氏は独特の哀愁を持つ作風で有名な作家ですが、そう言われる一方でこれといった”型”が無いという稀有な作家でもあります。
通常カメオの制作は職人に対し、作家ごとの特徴を汲んだ上で需要に沿ったものを作ってもらうという世界であり、名匠・巨匠と呼ばれる作家には大抵なにかしらの代名詞的な優れた具体的な作風があるものですが、スカーラ氏にはそれがありません。
それゆえ若干”わかりにくい作家”でありあまり一般受けはしない感じがありますが、しかしながら型や需要にすら捕らわれず、自分の作りたいものを作ってそれでも名を挙げるという経歴はまさに芸術家と言うにふさわしく、カメオをジュエリーではなく美術品として捉える層からは極めて強い支持を集めている巨匠です。
風景物では一般には物悲しい独特の雰囲気がスカーラ氏の作品の特徴とされる一方、花や動物をモチーフとしたものでは他の作者にはない透明感と清廉さが高く評価されており、やはりそうした作風においても卓越した彫刻技術による陰影と色の濃淡で最高レベルのモダンカメオを生み出しております。
本作はそんなフランコ・スカーラ氏による白鳥と花のカメオ、それもフランコ氏の跡継ぎとして活躍されているサルヴァトーレ・スカーラ氏自身より譲られた品です。
作品のタイトルはスカーラ家により付けられたもので”恋する白鳥”。
そのタイトルのとおり、水面に浮かぶつがいの白鳥に花をあしらった、フランコ氏らしい清廉さを持った作品です。
画面上の奥行きをしっかり貝の厚みで表現しつつ花弁の色味の表現や水面の透明感には貝のグラデーションを生かしており、その仕上がりは彫刻と絵画の中間たるモダンカメオの特徴を如実に示しております。
またおなじくモダンカメオの巨匠として知られるジェンナーロ・ガロファロ氏やパスクアーレ・オッタヴィアーノ氏に比べて幻想的・抽象的な構図を用いるのがスカーラ氏の特色ですが、本作の構図には十分にスカーラ作の風合いがでており、カメオを注意深く鑑賞することに長けた愛好家であれば、本作がスカーラ作であることはサインを改めるまでもないでしょう。
先述の通りスカーラ氏にはこれといった型がない(サインのパターンも複数ある)ため、モダンカメオの中でもジョヴァンニ・ノト氏に次いで鑑定の難しい作者です。
私の知る限りでスカーラ性のカメオ職人は5人おり、Fで始まる名前の職人はフランコ氏しかおりませんが、F.Scalaとサインのある作品には彫りや雰囲気があまりに稚拙であったり、それに加えてどうもモチーフがフランコ氏らしくないものが散見され、少なくとも作品を見て真作に間違いないと確信できるものは半分ほどしかありません。
現在のところ、そうした作品群がスカーラ氏の贋作であるのか、もしくは非常に古い時期の真作であるのかの判定はできておりませんが、いずれにせよ巨匠フランコ・スカーラの作と明確に判定できる品質のものは少なく、入手の機会はかなり限られる状態となっております。
ちなみに本作のサインの筆致も通常よくみるサインとは異なりますが、先述の通り構図と仕上がりがフランコ・スカーラ作の特徴をよく捉えていることと、なによりスカーラ家からの初出しですので間違いのない真作です。
もちろん新品ですので使用による汚れやダメージはなく、ヘアラインなども見当たらない完品。
合金とエナメルで作られたフレームもスカーラ家より譲られた時点で付けられていたもので、こちらももちろんカメオ同様新品。
海外では日本のようにK18などにこだわり、フレームで価格を大幅に(ときにカメオそのものの数倍にまで)水増しして暴利を得るようなやり方には否定的で、ローカラットゴールドのみならず銀や合金のフレームを用いることも一般的ですが、それにしても珍しいフレームです。