カメオ縦：約47mm
カメオ横：約37mm
作者：アンティーク
QR：カタログクオリティ


アメリカのヴィクトリアンジュエリー専門店から直接買い付けました、日本初公開のアンティークカメオです。

日本のカメオの歴史は浅く、1980年代ごろからの流通となっており、それより古いものはあまり見かける機会がありません。
たまに見かけるものも質がいいとは言えないものが大半を占め、アンティークカメオが豊富に残る海外市場においてですら、買い付けに当たって私が閲覧したカメオは1万点を優に超えたものの、購入する価値ありと判断したものは30点ほどにすぎませんでした。

今回のお品物はもちろんその1万以上の中から私が選びだした30点ほどのうちのひとつです。

モチーフは葡萄の飾りを纏う人物…喉仏があることや洋服の雰囲気から男性像であろうとみられ、酒神バッカスであると見られます。
カメオのモチーフとしてはその信奉者であるバッカンテが多く見られるもののバッカスの方はかなり珍しく、増してこれほどの出来と状態のカメオはほぼ見ることができません。

通った鼻筋から顎のラインまでの完璧な美しさ、生命を感じさせる肌、大きく柔らかさを感じさせる葉にはコルネリアンの橙色が乗って印象深さを増し、また洋服のひだも現在でいうとフランコ・スカーラ作を彷彿とさせるボリュームのある質感、そしてなにより神を象ったというに恥じない荘厳さに満ちたその表情。
どれをとっても明らかに超一流の仕事であり現代の巨匠たちの作品にも決して劣らず、ミュージアムクオリティのランク付けも検討した※程の逸品です。
※本作は現存するアンティークカメオとしては非常にレベルが高く状態もいい作品ですが、アンティークカメオにはこれよりもまだ上のステージがあると言わざるを得ないため、あえてアーティスティッククオリティを付けております。

状態はもちろん素晴らしく、古いコルネリアンにつきものの細かなヘアラインが左上部分に数筋ありますが、外観を損なうほどではありません。
表面の経年の慣れはディテールを損なうようなものではなくアンティーク独特の滑らかな風合い出していて隙間に入った埃はディテールを引き立て、全体的にアンティークならではの美しさを作り出しています。

フレームは9ctゴールドでこちらも当時のものそのまま。
フレームには刻印がありませんが、購入元の方でテスト済です。
表の0時、2時、4時の位置にある爪が欠損していますがもともと補助的なものらしく、周囲の覆輪がしっかり効いていてガタツキは一切ありません。
留め具はCクラスプですので、着用の際はシリコンキャッチなどを併用されるといいかと思います。