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アンティーク(推定19世紀後期)「美神の胸像」
縦:約43mm
横:約32mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ+
19世紀のストーンカメオに使われるメノウ石は大きく分けて3種類あります。
1つめは黒地に白色層で最もコントラストに優れるオニキス、2つめは赤褐色~暗褐色の地と白色層からなり、ジョオウトウカムリの殻を素材としたカメオ母材サルドニクスの語源であるサードニクス、そして3つめはオニキスにもサードニクスにも属さないメノウで、これは地色はさまざまですが、カメオとして最もよく用いられるのは半透明の灰色のもので、それ以外にも稀な例ではありますが橙色のものや桜色をしたものもあるようです。
これらのメノウの中でもっともよくみられる半透明の灰色のものは当ギャラリーではカルセドニー系のメノウとよび過去にも何点か出品しておりまして、それらに共通する特徴として他のメノウに対して明らかに白色層が厚く像が高いことが知られております。
カメオは色のコントラストや濃淡の表現がカギの一つとなる芸術なので本筋としてはオニキスやサードニクスを用いたものといえるわけですが、実は広く古いカメオを見ていると、カルセドニー質のカメオには低品質なものが見当たらないことが分かります。
これはカルセドニー質のメノウが色のアドバンテージを欠く素材であること自体は昔の職人たちも百も承知であり、このうえ白色層も薄ければそれこそただ短所のみが残ったものになるので、白色層が厚いものだけを素材として選び像の高さでその短所を補おうとしたから、そして立体的な像を彫り上げるにはより高い技術が必要で、必然的にカルセドニー質のメノウをカメオにすることができたのが腕のいい職人だけだったからなのでしょう。
実際当ギャラリーの公開済みの作品はもちろん、未公開の作品でも意外と数が少ないのがこのカルセドニー質のカメオで、それらは全てカタログクオリティ以上です。
さて、今回はそんな名品揃いのカルセドニー系メノウのカメオの中から1点、大粒のアプロディテー像のカメオを選びました。
ストーンカメオはシェルカメオにたいして小さめであることが多く、縦1.5インチ、すなわち38㎜が一般的なサイズで、これを上回るものは大粒といっていいサイズ。
厚みは実に16.5㎜で、像の高さだけで約10㎜あり、まさに大理石の古典彫刻のようです。
年代は19世紀後期で、もともと装飾の少ないデザインのアプロディテーであることも相まって非常にシンプルながら、整った流れるような髪、綺麗に磨き上げられたリボン、ふっくらとした頬や首筋の凹凸などなど、像の高さを活かした超一流のカメオ彫刻師の技がぎゅっと詰まっております。
石はカルセドニー系のメノウ。
このタイプでは白色層を厚くとるというのは先述の通りですが、そのため白色層にわずかな色層が混じりがちになるところ、本作ではほとんどそういった色混じりが無く綺麗な像となっております。
唯一目のあたりに筋状に色が入っていますが、このくらいであればかなり綺麗な方です。
白色層はその他チップやクラックもなく非常に状態良好ですが、一方カルセドニー層はやや傷あり。
裏から見て12時位置から9時位置に貫通しないクラック、それから1時位置にインクルージョンとクラック(チップに見えますが欠けていません)それからこれは傷ではありませんが、頭頂部から後頭部付近にかけてカルセドニーに白色が残っています。
とはいえ見た感じではそれぞれ破損につながるようなものではなく、鑑賞上もさほど気になるものではないので大きな問題ではありません。
横:約32mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ+
19世紀のストーンカメオに使われるメノウ石は大きく分けて3種類あります。
1つめは黒地に白色層で最もコントラストに優れるオニキス、2つめは赤褐色~暗褐色の地と白色層からなり、ジョオウトウカムリの殻を素材としたカメオ母材サルドニクスの語源であるサードニクス、そして3つめはオニキスにもサードニクスにも属さないメノウで、これは地色はさまざまですが、カメオとして最もよく用いられるのは半透明の灰色のもので、それ以外にも稀な例ではありますが橙色のものや桜色をしたものもあるようです。
これらのメノウの中でもっともよくみられる半透明の灰色のものは当ギャラリーではカルセドニー系のメノウとよび過去にも何点か出品しておりまして、それらに共通する特徴として他のメノウに対して明らかに白色層が厚く像が高いことが知られております。
カメオは色のコントラストや濃淡の表現がカギの一つとなる芸術なので本筋としてはオニキスやサードニクスを用いたものといえるわけですが、実は広く古いカメオを見ていると、カルセドニー質のカメオには低品質なものが見当たらないことが分かります。
これはカルセドニー質のメノウが色のアドバンテージを欠く素材であること自体は昔の職人たちも百も承知であり、このうえ白色層も薄ければそれこそただ短所のみが残ったものになるので、白色層が厚いものだけを素材として選び像の高さでその短所を補おうとしたから、そして立体的な像を彫り上げるにはより高い技術が必要で、必然的にカルセドニー質のメノウをカメオにすることができたのが腕のいい職人だけだったからなのでしょう。
実際当ギャラリーの公開済みの作品はもちろん、未公開の作品でも意外と数が少ないのがこのカルセドニー質のカメオで、それらは全てカタログクオリティ以上です。
さて、今回はそんな名品揃いのカルセドニー系メノウのカメオの中から1点、大粒のアプロディテー像のカメオを選びました。
ストーンカメオはシェルカメオにたいして小さめであることが多く、縦1.5インチ、すなわち38㎜が一般的なサイズで、これを上回るものは大粒といっていいサイズ。
厚みは実に16.5㎜で、像の高さだけで約10㎜あり、まさに大理石の古典彫刻のようです。
年代は19世紀後期で、もともと装飾の少ないデザインのアプロディテーであることも相まって非常にシンプルながら、整った流れるような髪、綺麗に磨き上げられたリボン、ふっくらとした頬や首筋の凹凸などなど、像の高さを活かした超一流のカメオ彫刻師の技がぎゅっと詰まっております。
石はカルセドニー系のメノウ。
このタイプでは白色層を厚くとるというのは先述の通りですが、そのため白色層にわずかな色層が混じりがちになるところ、本作ではほとんどそういった色混じりが無く綺麗な像となっております。
唯一目のあたりに筋状に色が入っていますが、このくらいであればかなり綺麗な方です。
白色層はその他チップやクラックもなく非常に状態良好ですが、一方カルセドニー層はやや傷あり。
裏から見て12時位置から9時位置に貫通しないクラック、それから1時位置にインクルージョンとクラック(チップに見えますが欠けていません)それからこれは傷ではありませんが、頭頂部から後頭部付近にかけてカルセドニーに白色が残っています。
とはいえ見た感じではそれぞれ破損につながるようなものではなく、鑑賞上もさほど気になるものではないので大きな問題ではありません。







