Item
ヴィンテージ(1960年頃)「聖母子」
縦:約55mm(枠含58㎜)
横:約41mm(枠含44㎜)
作者:-(ヴィンテージ)
QR:カタログクオリティ
今回はカメオ全体においても珍しい20世紀中期のカメオ。
さまざまな特色から察するに1960年頃のものと見受けられる作品です。
モチーフとなっているのは聖母子で、これも当ギャラリーの作品で言えばノトのマリア像やチャラヴォーロの「聖骸布の返還」など、同時代によく描かれた題材になります。
この時代、20世紀前半に立て続けに起こった世界的な大混乱によって人材が育たず、カメオの世界においてもそれ以前のレベルからは大きく技術力が低下し、数名の名匠たちによりかろうじてカメオの復興がなされた一種の暗黒時代でしたが、本作の品質はこの時代においてはかなり高品質であり、もちろんカメオ全体から見ても間違いない上位品質です。
実際カメオを見れば構図バランスの美しさから絵画的素養の高さが、薄めの貝にもかかわらず巧みに陰影を落とす彫りからは彫刻的素養の高さが伺えます。
ぱっと見てカメオ作者の技量が分かりやすい幾何学図形も本作ではイエスの後光として描かれており、この点からも作者の技量の高さを察することができるでしょう。
20世紀中期の作者については未だ分からないことも多く、ジョヴァンニ・ノトをはじめヴィンチェンツォ・チャラヴォーロ、ミケーレ・スカーラ、アントニオ・パルラーティなどごく一部の名前しか知られておりませんが、本作の作者もまた彼らとともに当時のカメオの世界を支えた名匠であったのかもしれません。
貝はコーヒー色にくっきりとした白色の乗ったサルドニクス。
20世紀中期はサルドニクスは非常に貴重で、当時絶対的な地位にあったアパ工房でさえおいそれと手に入れられませんでした。
そんな中でこのようなハイコントラストのサルドニクスを得ていた本作者もやはり只者ではなかったのでしょうが、さすがに無傷素材とはいかないようで、幸いにして表からではさして目立たないものの褐色層に7筋、それから白色層もマリアの顔に4筋ほどのヘアラインが入っております。
フレームは銀製、品位不明ですが色合いから見れば800や835のように見受けられます。
様式は60年代に多く見られたケース型のフレームで、ブローチ金具も風車型、ピンも当時特有の付き方をしています。
ピンにはいくらか歪みがあるもののキャッチにはしっかりと収まっておりいまだブローチとして健在、またペンダント金具も小さなバチカンがついており、こちらも現役で使っていけそうです。
横:約41mm(枠含44㎜)
作者:-(ヴィンテージ)
QR:カタログクオリティ
今回はカメオ全体においても珍しい20世紀中期のカメオ。
さまざまな特色から察するに1960年頃のものと見受けられる作品です。
モチーフとなっているのは聖母子で、これも当ギャラリーの作品で言えばノトのマリア像やチャラヴォーロの「聖骸布の返還」など、同時代によく描かれた題材になります。
この時代、20世紀前半に立て続けに起こった世界的な大混乱によって人材が育たず、カメオの世界においてもそれ以前のレベルからは大きく技術力が低下し、数名の名匠たちによりかろうじてカメオの復興がなされた一種の暗黒時代でしたが、本作の品質はこの時代においてはかなり高品質であり、もちろんカメオ全体から見ても間違いない上位品質です。
実際カメオを見れば構図バランスの美しさから絵画的素養の高さが、薄めの貝にもかかわらず巧みに陰影を落とす彫りからは彫刻的素養の高さが伺えます。
ぱっと見てカメオ作者の技量が分かりやすい幾何学図形も本作ではイエスの後光として描かれており、この点からも作者の技量の高さを察することができるでしょう。
20世紀中期の作者については未だ分からないことも多く、ジョヴァンニ・ノトをはじめヴィンチェンツォ・チャラヴォーロ、ミケーレ・スカーラ、アントニオ・パルラーティなどごく一部の名前しか知られておりませんが、本作の作者もまた彼らとともに当時のカメオの世界を支えた名匠であったのかもしれません。
貝はコーヒー色にくっきりとした白色の乗ったサルドニクス。
20世紀中期はサルドニクスは非常に貴重で、当時絶対的な地位にあったアパ工房でさえおいそれと手に入れられませんでした。
そんな中でこのようなハイコントラストのサルドニクスを得ていた本作者もやはり只者ではなかったのでしょうが、さすがに無傷素材とはいかないようで、幸いにして表からではさして目立たないものの褐色層に7筋、それから白色層もマリアの顔に4筋ほどのヘアラインが入っております。
フレームは銀製、品位不明ですが色合いから見れば800や835のように見受けられます。
様式は60年代に多く見られたケース型のフレームで、ブローチ金具も風車型、ピンも当時特有の付き方をしています。
ピンにはいくらか歪みがあるもののキャッチにはしっかりと収まっておりいまだブローチとして健在、またペンダント金具も小さなバチカンがついており、こちらも現役で使っていけそうです。







