Item
ジョヴァンニ・ノト作 コマーシャルピース ”結い髪の少女”
縦:約51mm(カメオ47mm)
横:約39mm(カメオ36mm)
作者:ジョヴァンニ・ノト
QR:アーティスティッククオリティ
作者についてのご紹介は、当ギャラリーのメニューよりBLOGをご覧いただき、記事の"作家01.ジョヴァンニ・ノト"をご覧ください。
今回の作品はジョヴァンニ・ノト氏の仕上げによるコマーシャルピースです。
このコマーシャルピースというのは、ジョヴァンニ・アパ工房で商用として制作されたカメオで、数人の弟子が大まかな下彫りを施し、ディテールはノト本人が入れていく形で制作されました。※
制作工程の前半部分は弟子の手によるものとはいえ、そのほとんどはノト氏本人の手により上書きされていくわけですから、ぱっと見た感じはノト作と違いがない作品もしばしばみられますが、一応量産を目的とした作品群のため構図に関してはある程度画一的な範囲に限られるほか、仕上げの丁寧さや表現の追求にある程度の省略が感じられる点に違いがみられます。
また真作のほうは貝の大きさや厚みのバランス等に秀でたものを用いている傾向にありますので、そうした点でノト氏が単独で制作した入念の真作と比べると幾分落ちる作品群ではあるものの、ノト氏のすぐれた技巧とデザインをよりリーズナブルに楽しめるものとして積極的に取り扱っております。
※年代により弟子の手による割合が大きいものやノト氏の手が全く入らないものもある。
これは弟子の成長やノト氏の健康上の問題が関係していると思われ、特にノト氏の晩年になってようやくカメオの流通が整ってきた日本に現存するのはノト氏の手が入らないものばかりですが、当ギャラリーの取り扱い作品は海外市場からノト氏の色の濃いもののみを選別して買い付けてきた作品になります。
構図はコマーシャルピースの基本的な女性像のプロフィール。
特定のモチーフや依頼主個人ではない人物像というのは19世紀には見られなかったもので、現代まで続くモダンカメオで一般的なこうした構図はここから始まりました。
こちらはコマーシャルピースの初期型のもので、ノト氏が単独で制作していたマリア像のコマーシャルピースとアパスタイルのフレームに入った個体群との中間にあたるとみられる作品群です。
このころの作品群はノト氏単独の制作ではなくなって、コマーシャルピースの試行錯誤がみられる時期のものであり、作品としては顔と手は確かにノト氏の手がはいっていて整ってはいるものの、全体的な完成度では後期のものよりやや落ちる傾向にあります。
特に髪がノト作らしい軽やかさを欠き(シルエットは下彫りに影響されるので、弟子の成長が追い付いていないと思われる)彫筋を見る限りではノト氏の手は入っているものの、まだ分担でひとつの作品を制作するのに慣れていない様子が見て取れます。
ただし、要所要所はしっかりノト氏の手が入って仕上げられており(髪もノト氏単独作の軽やかさには劣るとはいえ、現在のモダンカメオの大半より細やか)ますので、モダンカメオの中ではかなりレベルの高い逸品といって差し支えないでしょう。
貝はカフェオレ色の地としみのない白色層の乗ったサルドニクス。
状態は完璧で、ヘアライン・欠けなど一切ない完品です。
フレームはK14製。
裏面の縁にはこの時代のフレーム特有の松脂の固定がなされております。
キャッチ金具は少し古めのタイプの風車式のものがついており、ピンに曲がり無し、ペンダント金具も健全です。
横:約39mm(カメオ36mm)
作者:ジョヴァンニ・ノト
QR:アーティスティッククオリティ
作者についてのご紹介は、当ギャラリーのメニューよりBLOGをご覧いただき、記事の"作家01.ジョヴァンニ・ノト"をご覧ください。
今回の作品はジョヴァンニ・ノト氏の仕上げによるコマーシャルピースです。
このコマーシャルピースというのは、ジョヴァンニ・アパ工房で商用として制作されたカメオで、数人の弟子が大まかな下彫りを施し、ディテールはノト本人が入れていく形で制作されました。※
制作工程の前半部分は弟子の手によるものとはいえ、そのほとんどはノト氏本人の手により上書きされていくわけですから、ぱっと見た感じはノト作と違いがない作品もしばしばみられますが、一応量産を目的とした作品群のため構図に関してはある程度画一的な範囲に限られるほか、仕上げの丁寧さや表現の追求にある程度の省略が感じられる点に違いがみられます。
また真作のほうは貝の大きさや厚みのバランス等に秀でたものを用いている傾向にありますので、そうした点でノト氏が単独で制作した入念の真作と比べると幾分落ちる作品群ではあるものの、ノト氏のすぐれた技巧とデザインをよりリーズナブルに楽しめるものとして積極的に取り扱っております。
※年代により弟子の手による割合が大きいものやノト氏の手が全く入らないものもある。
これは弟子の成長やノト氏の健康上の問題が関係していると思われ、特にノト氏の晩年になってようやくカメオの流通が整ってきた日本に現存するのはノト氏の手が入らないものばかりですが、当ギャラリーの取り扱い作品は海外市場からノト氏の色の濃いもののみを選別して買い付けてきた作品になります。
構図はコマーシャルピースの基本的な女性像のプロフィール。
特定のモチーフや依頼主個人ではない人物像というのは19世紀には見られなかったもので、現代まで続くモダンカメオで一般的なこうした構図はここから始まりました。
こちらはコマーシャルピースの初期型のもので、ノト氏が単独で制作していたマリア像のコマーシャルピースとアパスタイルのフレームに入った個体群との中間にあたるとみられる作品群です。
このころの作品群はノト氏単独の制作ではなくなって、コマーシャルピースの試行錯誤がみられる時期のものであり、作品としては顔と手は確かにノト氏の手がはいっていて整ってはいるものの、全体的な完成度では後期のものよりやや落ちる傾向にあります。
特に髪がノト作らしい軽やかさを欠き(シルエットは下彫りに影響されるので、弟子の成長が追い付いていないと思われる)彫筋を見る限りではノト氏の手は入っているものの、まだ分担でひとつの作品を制作するのに慣れていない様子が見て取れます。
ただし、要所要所はしっかりノト氏の手が入って仕上げられており(髪もノト氏単独作の軽やかさには劣るとはいえ、現在のモダンカメオの大半より細やか)ますので、モダンカメオの中ではかなりレベルの高い逸品といって差し支えないでしょう。
貝はカフェオレ色の地としみのない白色層の乗ったサルドニクス。
状態は完璧で、ヘアライン・欠けなど一切ない完品です。
フレームはK14製。
裏面の縁にはこの時代のフレーム特有の松脂の固定がなされております。
キャッチ金具は少し古めのタイプの風車式のものがついており、ピンに曲がり無し、ペンダント金具も健全です。