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カルロ・パルラーティ作 希少な古作”薔薇と貴婦人”
縦:約50mm(枠含53mm)
横:約38mm(枠含40mm)
作者:カルロ・パルラーティ
QR:カタログクオリティ
日本で高い人気を誇る彫刻家カルロ・パルラーティ作とみられる超希少作の入荷です。
20世紀の彫刻の鬼才カルロ・パルラーティ。
カメオについて調べる人が真っ先に覚える作者のひとりであり、その特徴的なデザインは一度見れば忘れることはありません。
カルロが活動し始めた当時、すでにジョヴァンニ・ノトの活躍によってモダンカメオの時代が到来しており、華やかなプロフィールや絵画のカメオ化などが一般的になりつつありましたが、カルロはその流れに身を任せることなく一度古典的な構図へと立ち返り、そこから独自に再スタートする形で独特の生命観や宗教観などを描いてゆきました。
比較的単純なプロフィールのカメオにおいても、構図は19世紀のアンティークカメオに通じるものがほとんどを占めており、カルロの解説においても古典的なようでいて現代的でもある革新性、市場からの需要を無視し自身の芸術性を追求する反抗性についての記述がみられることがありますが、その構図に表れている傾向はまさに、カルロのそうした取り組みが形になったものと言えましょう。
また、その構図があまりにも印象的で技術的な面について触れられることがほぼ皆無ですが、まったくブレのない線で彫られた作品たちからして、仮に普通のカメオを彫ったとしても極めてレベルの高い作品を作り得る高い技術を持っていることも忘れてはならないところです。
実際にパトリツィア・パルラーティ氏よりカルロの初期の習作として提供された写真には、まさに古典彫刻のミニチュアといった精緻な素晴らしい作品が写っており、またそれらの作品は全て厚みのあるコンクシェルに彫られていましたが、カルロが”若手のカメオ彫刻家はコンクシェルで修業を積むべきだ”という彫刻の基礎の修練の重要さを説く言葉を残したことも伝えられており、決して奇抜な作風のみでその名を挙げたわけではないことが伺えます。
今回のカメオは日本ではほぼ見ることがない1970年前後の作品です。
日本に多く残っているカルロ作はその多くが90年代から多く作られたもので、80年代のものもさほど多くなく、70年代以前のものに至っては私の知る限り確かなものは確認されておりません。
そもそも日本には作者に関係なく70年代のカメオ自体があまりありませんが、そうかといって海外であれば見かけるというものでもないので、日本でのカメオ需要が高まる前は特に積極的にカメオを彫っていたわけではないのではと思います。
本作も当然海外で見つけたもので、その作風は古いパルラーティ家の作風そのもの。
90年代以降のカルロ作と、その外見を模倣したパトリツィア作が主なイメージとなっている現在ではほぼ見られなくなったものの、幾何学的な装飾を細かに入れていくスタイルはカルロの父であるアントニオ作のほかヴィンチェンツォ・パルラーティの古い作とみられるもの、それからパルラーティ家で修行していたヴィンチェンツォ・インジェニートの作品にもみられる20世紀のパルラーティ家に見られた特色です。
なお当ギャラリーでは70年代以前のサインのないカルロ作を過去に2度紹介しており、うち片方は裏面にParlatiのアシッドサインがあり工房は確定、さらに作品自体の作風や技術からカルロ作と考えられ、作品の写真を見せたイタリア現地のカメオ彫刻師からもカルロ作と判定されたものでした。
本作はその作品の写真と比べても間違いなく同一作者の同時期の作品であることや、もちろん本作自体のパルラーティ家特有の装飾様式と深い髪の彫りに直線的に通った鼻筋や厚い唇といったデザイン的特徴、そして特に彫刻色の強い薔薇の花や幾何学的な髪飾りから判断される極めて高い彫刻的技量から、過去の類作同様70年代のカルロ作であると鑑定しています。
ちなみにマニアックな話ですが、カルロ作でこのような花と鳥をあしらったノトのデザインのプロフィールカメオというのは非常に珍しく、少なくとも日本に多い80年代以降のカメオでは見たことがないので、バリエーションに乏しいカルロ作のコレクションにおいては大変面白い一品となることと思います。
貝はコルネリアン、色のいい1番材です。
状態は非常によく、ヘアラインは裏面1時位置付近に2筋のみ。
ほかに摩耗やいたみは無く、半世紀ほど前のカメオとしては十分に健全といえましょう。
フレームは9ktゴールド製。
外周12時位置付近に弱い歪みがあるものの、それ以外に傷みらしきものは見られません。
キャッチは古い風車式、ピンも大きな曲がりなくしっかり留まり、こちらも状態良く、ペンダントバチカンも健在です。
横:約38mm(枠含40mm)
作者:カルロ・パルラーティ
QR:カタログクオリティ
日本で高い人気を誇る彫刻家カルロ・パルラーティ作とみられる超希少作の入荷です。
20世紀の彫刻の鬼才カルロ・パルラーティ。
カメオについて調べる人が真っ先に覚える作者のひとりであり、その特徴的なデザインは一度見れば忘れることはありません。
カルロが活動し始めた当時、すでにジョヴァンニ・ノトの活躍によってモダンカメオの時代が到来しており、華やかなプロフィールや絵画のカメオ化などが一般的になりつつありましたが、カルロはその流れに身を任せることなく一度古典的な構図へと立ち返り、そこから独自に再スタートする形で独特の生命観や宗教観などを描いてゆきました。
比較的単純なプロフィールのカメオにおいても、構図は19世紀のアンティークカメオに通じるものがほとんどを占めており、カルロの解説においても古典的なようでいて現代的でもある革新性、市場からの需要を無視し自身の芸術性を追求する反抗性についての記述がみられることがありますが、その構図に表れている傾向はまさに、カルロのそうした取り組みが形になったものと言えましょう。
また、その構図があまりにも印象的で技術的な面について触れられることがほぼ皆無ですが、まったくブレのない線で彫られた作品たちからして、仮に普通のカメオを彫ったとしても極めてレベルの高い作品を作り得る高い技術を持っていることも忘れてはならないところです。
実際にパトリツィア・パルラーティ氏よりカルロの初期の習作として提供された写真には、まさに古典彫刻のミニチュアといった精緻な素晴らしい作品が写っており、またそれらの作品は全て厚みのあるコンクシェルに彫られていましたが、カルロが”若手のカメオ彫刻家はコンクシェルで修業を積むべきだ”という彫刻の基礎の修練の重要さを説く言葉を残したことも伝えられており、決して奇抜な作風のみでその名を挙げたわけではないことが伺えます。
今回のカメオは日本ではほぼ見ることがない1970年前後の作品です。
日本に多く残っているカルロ作はその多くが90年代から多く作られたもので、80年代のものもさほど多くなく、70年代以前のものに至っては私の知る限り確かなものは確認されておりません。
そもそも日本には作者に関係なく70年代のカメオ自体があまりありませんが、そうかといって海外であれば見かけるというものでもないので、日本でのカメオ需要が高まる前は特に積極的にカメオを彫っていたわけではないのではと思います。
本作も当然海外で見つけたもので、その作風は古いパルラーティ家の作風そのもの。
90年代以降のカルロ作と、その外見を模倣したパトリツィア作が主なイメージとなっている現在ではほぼ見られなくなったものの、幾何学的な装飾を細かに入れていくスタイルはカルロの父であるアントニオ作のほかヴィンチェンツォ・パルラーティの古い作とみられるもの、それからパルラーティ家で修行していたヴィンチェンツォ・インジェニートの作品にもみられる20世紀のパルラーティ家に見られた特色です。
なお当ギャラリーでは70年代以前のサインのないカルロ作を過去に2度紹介しており、うち片方は裏面にParlatiのアシッドサインがあり工房は確定、さらに作品自体の作風や技術からカルロ作と考えられ、作品の写真を見せたイタリア現地のカメオ彫刻師からもカルロ作と判定されたものでした。
本作はその作品の写真と比べても間違いなく同一作者の同時期の作品であることや、もちろん本作自体のパルラーティ家特有の装飾様式と深い髪の彫りに直線的に通った鼻筋や厚い唇といったデザイン的特徴、そして特に彫刻色の強い薔薇の花や幾何学的な髪飾りから判断される極めて高い彫刻的技量から、過去の類作同様70年代のカルロ作であると鑑定しています。
ちなみにマニアックな話ですが、カルロ作でこのような花と鳥をあしらったノトのデザインのプロフィールカメオというのは非常に珍しく、少なくとも日本に多い80年代以降のカメオでは見たことがないので、バリエーションに乏しいカルロ作のコレクションにおいては大変面白い一品となることと思います。
貝はコルネリアン、色のいい1番材です。
状態は非常によく、ヘアラインは裏面1時位置付近に2筋のみ。
ほかに摩耗やいたみは無く、半世紀ほど前のカメオとしては十分に健全といえましょう。
フレームは9ktゴールド製。
外周12時位置付近に弱い歪みがあるものの、それ以外に傷みらしきものは見られません。
キャッチは古い風車式、ピンも大きな曲がりなくしっかり留まり、こちらも状態良く、ペンダントバチカンも健在です。