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ライモンド・カリファーノ作 ”精霊と狼たち”
縦:約53mm
横:約55mm
作者:ライモンド・カリファーノ
QR:アーティスティッククオリティ
モダンカメオの巨匠、フランコ・スカーラ氏の弟子の中でも精力的に活動し評価も高い名匠ライモンド・カリファーノ作のカメオの入荷です。
巨匠フランコ・スカーラ氏に師事してシェルカメオの道を歩みだしたカリファーノ氏。
古典的なモチーフや逆にモダンな構図、人物像も現在の流行の表情を取り入れた華やかな作風などを器用に使い分け、いまや高い評価を集めるカリファーノ氏ですが、かつては大きく作風が異なったことはあまり知られておりません。
古物として出回るのは殆どが初期の作品であり、素人目にも容易に現行品との見分けが付きます(逆にサインを見なければとても同一人物の作品とは気づけないでしょう)。
具体的には初期の主な作風はごく一般的な女性像で細かな花を多く配置した物が多く、動きがなく硬さを感じる凡庸な作品です。
この時期の作品の評価は高くないので価値を判定する際には注意を要し、サインだけではなく作風を考慮に入れねばならない作者のひとりとなっています。
作風の転換を見てからは特徴的でインパクトのあるデザインでありつつ、師であるスカーラ氏の雰囲気を感じられる良作を多く制作しており、日本のカメオ市場が活発であった20年前にくらべればずいぶん落ち着いて、引退した作者も多い今でも精力的に活動し、高い評価を集めております。
いまは息子のチーロ・カリファーノ氏とともに独自に工房を立ち上げて制作に取り組んでおり、今後もカメオの世界でカリファーノの名が続いていくことでしょう。
さて、今回の作品ははカリファーノ氏の作風転換後のカメオのひとつです。
古物市場でよく見る人物物のカメオとは一目で違いが判る特徴的な構図で、本作に関しては裏に年代が刻まれていますので制作年も2000年のものとはっきりしております。
全体的な空気感は本当によくスカーラ氏の作品と似ており、精霊の顔つきはスカーラ氏のそれとほとんど同じ、衣服の彫り方はスカーラ家の花の彫りで見るものに通じるところがあり、パッと見スカーラ作かと思うほどです。
ただスカーラ派(そう呼べるほどスカーラ氏の作風は特徴があり、それを受け継ぐ作者も多い)の作風だけが見どころかといえばもちろんそうではなく、画面右の草葉の細やかな描写、狼の毛並み、そして軽やかに表現された半透明の布、それに構図的にも周囲の枠から精霊の服と足先を出して画面に奥行きを持たせる工夫をこらすなど、現代のカメオらしさを出しつつ、そのなかでも見どころの多い作品となっております。
カリファーノ氏は同じデザインのものを複数彫るという感じの作者ではないので本作の独自性もあり、品質的にもコレクション的にも価値のある逸品です。
貝は上質な濃いコーヒー色に透明感のある白色のスカーラ派の表現に向いた良質なもの。
左下の狼の鼻先と右の狼の鼻先の褐色層に数筋ほど、それに裏から見て左上にごく薄いヘアラインが数筋はいっているものの、どれも鑑賞・実用ともに問題ないくらいのものになります。
ただ、裏に最初の所有者の名入れがあるため、この点で少し時価を引いております。
横:約55mm
作者:ライモンド・カリファーノ
QR:アーティスティッククオリティ
モダンカメオの巨匠、フランコ・スカーラ氏の弟子の中でも精力的に活動し評価も高い名匠ライモンド・カリファーノ作のカメオの入荷です。
巨匠フランコ・スカーラ氏に師事してシェルカメオの道を歩みだしたカリファーノ氏。
古典的なモチーフや逆にモダンな構図、人物像も現在の流行の表情を取り入れた華やかな作風などを器用に使い分け、いまや高い評価を集めるカリファーノ氏ですが、かつては大きく作風が異なったことはあまり知られておりません。
古物として出回るのは殆どが初期の作品であり、素人目にも容易に現行品との見分けが付きます(逆にサインを見なければとても同一人物の作品とは気づけないでしょう)。
具体的には初期の主な作風はごく一般的な女性像で細かな花を多く配置した物が多く、動きがなく硬さを感じる凡庸な作品です。
この時期の作品の評価は高くないので価値を判定する際には注意を要し、サインだけではなく作風を考慮に入れねばならない作者のひとりとなっています。
作風の転換を見てからは特徴的でインパクトのあるデザインでありつつ、師であるスカーラ氏の雰囲気を感じられる良作を多く制作しており、日本のカメオ市場が活発であった20年前にくらべればずいぶん落ち着いて、引退した作者も多い今でも精力的に活動し、高い評価を集めております。
いまは息子のチーロ・カリファーノ氏とともに独自に工房を立ち上げて制作に取り組んでおり、今後もカメオの世界でカリファーノの名が続いていくことでしょう。
さて、今回の作品ははカリファーノ氏の作風転換後のカメオのひとつです。
古物市場でよく見る人物物のカメオとは一目で違いが判る特徴的な構図で、本作に関しては裏に年代が刻まれていますので制作年も2000年のものとはっきりしております。
全体的な空気感は本当によくスカーラ氏の作品と似ており、精霊の顔つきはスカーラ氏のそれとほとんど同じ、衣服の彫り方はスカーラ家の花の彫りで見るものに通じるところがあり、パッと見スカーラ作かと思うほどです。
ただスカーラ派(そう呼べるほどスカーラ氏の作風は特徴があり、それを受け継ぐ作者も多い)の作風だけが見どころかといえばもちろんそうではなく、画面右の草葉の細やかな描写、狼の毛並み、そして軽やかに表現された半透明の布、それに構図的にも周囲の枠から精霊の服と足先を出して画面に奥行きを持たせる工夫をこらすなど、現代のカメオらしさを出しつつ、そのなかでも見どころの多い作品となっております。
カリファーノ氏は同じデザインのものを複数彫るという感じの作者ではないので本作の独自性もあり、品質的にもコレクション的にも価値のある逸品です。
貝は上質な濃いコーヒー色に透明感のある白色のスカーラ派の表現に向いた良質なもの。
左下の狼の鼻先と右の狼の鼻先の褐色層に数筋ほど、それに裏から見て左上にごく薄いヘアラインが数筋はいっているものの、どれも鑑賞・実用ともに問題ないくらいのものになります。
ただ、裏に最初の所有者の名入れがあるため、この点で少し時価を引いております。