Item
ラファエレ・ペルニーチェ作 ”暁を運ぶもの”
縦:約51mm
横:約40mm
作者:ラファエレ・ペルニーチェ
QR:カタログクオリティ
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あけましておめでとうございます。
正月中はカメオに使われる貝のコラムをまとめて公開するなどしておりましたが、出品は今回が年明け後初ということで、手持ちの中から日の出を象徴するカメオをもってまいりました。
また、未公開の作品で古いミュージアムクラスやカタログクラスも複数、それにお手頃価格で出せるモダンカメオの古物もいろいろありますので、今年もカメオを愛好する皆様にお楽しみいただけたらと思います。
それでは改めまして、本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。
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日本においてもっとも有名な作者のひとり、ラファエレ・ペルニーチェ氏による新作カメオ、その中から出来のよいコルネリアンの三層彫の作品の入荷です。
日本にカメオが紹介された当初から高い人気を誇る職人であるペルニーチェ兄弟、その弟がラファエレ・ペルニーチェ氏です。
かつて兄弟で共同の名義を使っていた頃より作られてきたペルニーチェスタイルとも呼ばれる清廉な雰囲気の漂う女性の横顔をモチーフとしたカメオは、モダンカメオの代名詞的存在としてよく知られるところとなりました。
共同名義のころよりどちらが作った作品なのかは察しが付く細かな違いがありましたが、アニエロ氏と工房を分けて独立してからは独自の作風をさらに進歩させ、比較的シンプルで上品な感じのあるアニエロ氏作に対して、装飾が多く華やかな感じのある作品を発表して人気を博しております。
中でも”La Torre”のサインのあるものはラファエレ氏自身が傑作と認めたものに入れられる特殊銘であり、価格はルースでも20万円を切ることは無いというカメオ全体においても最高級の品となります。
さて、今回のお品物はギリシャ神話における原初の神の一柱、昼の女神ヘメラーのカメオです。
太古の原初神の一柱カオスの孫娘にして、夜の女神ニュクスの娘になる昼の女神、それがヘメラーです。
カメオの題材としては母であり夜の女神であるニュクスと対となる存在として描かれ、特にベルテル・トルバルセンによる彫刻をカメオとしたものが有名で、19世紀の名門カメオ工房であったサウリーニ工房をはじめ、当時から現在に至るまで人気のあるモチーフの一つとなっております。
今回はモダンカメオの代名詞的なラファエレ・ペルニーチェ氏がそのヘメラーを彫りました。
まさに三層彫りというべききれいな色分けがなされた逸品で、当ギャラリーにて取り扱ってきたほかのラファエレ氏の三層彫りと違ってコルネリアンの外周部を用いたものとなっております。(このあたり詳しく知りたい方はBlogよりコラムもご参照ください)
この部位としてはかなり分厚い貝を使ったもので、過去に取り扱ったものでは兄であるアニエロ・ペルニーチェ作 ”リースとフローラ”以来でしょうか。
色を上層にくっきり乗せつつ、中層には色がなるべく乗らないようにして作られており、外周部の三層彫りとしてはまさしく最高。
そして色合いもさることながら構図のバランスが完璧に仕上がっており、まさにラファエレ氏の作品の中では逸品です。
美しく色の乗った花冠、集中線の役割を持つ後光、下に視線が行き過ぎないよう視線を止めるように入っている洋服のライン、それと同様に横への視線を止める松明…それらによって効果的に視線が集められる顔には、コルネリアンの濃い橙色と淡い黄色でパリっと分けられた美しい顔の輪郭。
見ていて安心感すら覚えるほどに絵画的に優れた構図で、ぱっと見た感じでは外唇部の三層彫りに比べてインパクトは薄いものの、この構図感のすばらしさはインパクトでかすむものではありません。
ラファエレ氏作の中ではややばらつきがある顔の厚みのバランスも、本作ではしっかりとれて美しい顔つきとなっており、サインこそ通常のものなれど、まさにオーソドックスなモダンカメオの中の傑作たる逸品です。
貝はコルネリアン、外周部殻口下部の最良部位。
この部位としてはかなり厚く貝の裏面から表の花冠まで実に6mmにいたり、作品の質を無視して貝の質だけ見たとしてもそう出るものではないです。
外唇部の三層素材は中型の貝からでも1枚は取れるので素材の希少性は比べ物にならず、それゆえ外周部の三層彫り作品は外唇部の三層彫りよりも概して高価になります。
ヘアラインはこの部位にはお約束といえる0時位置から9時位置にかけて入る数筋があるもののそれ以外は傷みなく、もちろん工房直送の新作カメオなので、そのほか保管の傷等はもちろん見られません。
※新作カメオは時価の半額を基準として価格を決定している古物と比べ多少割高となっております。(それでも一般的な時価は超えないよう調整しております)
もちろん買い付けの価格も古物市場の同等品を購入するより高額ではありますが、そもそも古物の取引では現職のカメオ彫刻師たちには1ユーロの利益にもならないことから、当ギャラリーでは現職作家たちへの、そしてカメオ文化の継承を支援するという観点をもって、積極的に作家本人から作品の買い付けを行っております。
当然、こうした当ギャラリーの売り上げはさらなる現職作家たちからの作品買い付けへ充てていきますので、古物と比べて割高になる点は、カメオ文化の将来への投資としてご理解いただければと思います。
横:約40mm
作者:ラファエレ・ペルニーチェ
QR:カタログクオリティ
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あけましておめでとうございます。
正月中はカメオに使われる貝のコラムをまとめて公開するなどしておりましたが、出品は今回が年明け後初ということで、手持ちの中から日の出を象徴するカメオをもってまいりました。
また、未公開の作品で古いミュージアムクラスやカタログクラスも複数、それにお手頃価格で出せるモダンカメオの古物もいろいろありますので、今年もカメオを愛好する皆様にお楽しみいただけたらと思います。
それでは改めまして、本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。
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日本においてもっとも有名な作者のひとり、ラファエレ・ペルニーチェ氏による新作カメオ、その中から出来のよいコルネリアンの三層彫の作品の入荷です。
日本にカメオが紹介された当初から高い人気を誇る職人であるペルニーチェ兄弟、その弟がラファエレ・ペルニーチェ氏です。
かつて兄弟で共同の名義を使っていた頃より作られてきたペルニーチェスタイルとも呼ばれる清廉な雰囲気の漂う女性の横顔をモチーフとしたカメオは、モダンカメオの代名詞的存在としてよく知られるところとなりました。
共同名義のころよりどちらが作った作品なのかは察しが付く細かな違いがありましたが、アニエロ氏と工房を分けて独立してからは独自の作風をさらに進歩させ、比較的シンプルで上品な感じのあるアニエロ氏作に対して、装飾が多く華やかな感じのある作品を発表して人気を博しております。
中でも”La Torre”のサインのあるものはラファエレ氏自身が傑作と認めたものに入れられる特殊銘であり、価格はルースでも20万円を切ることは無いというカメオ全体においても最高級の品となります。
さて、今回のお品物はギリシャ神話における原初の神の一柱、昼の女神ヘメラーのカメオです。
太古の原初神の一柱カオスの孫娘にして、夜の女神ニュクスの娘になる昼の女神、それがヘメラーです。
カメオの題材としては母であり夜の女神であるニュクスと対となる存在として描かれ、特にベルテル・トルバルセンによる彫刻をカメオとしたものが有名で、19世紀の名門カメオ工房であったサウリーニ工房をはじめ、当時から現在に至るまで人気のあるモチーフの一つとなっております。
今回はモダンカメオの代名詞的なラファエレ・ペルニーチェ氏がそのヘメラーを彫りました。
まさに三層彫りというべききれいな色分けがなされた逸品で、当ギャラリーにて取り扱ってきたほかのラファエレ氏の三層彫りと違ってコルネリアンの外周部を用いたものとなっております。(このあたり詳しく知りたい方はBlogよりコラムもご参照ください)
この部位としてはかなり分厚い貝を使ったもので、過去に取り扱ったものでは兄であるアニエロ・ペルニーチェ作 ”リースとフローラ”以来でしょうか。
色を上層にくっきり乗せつつ、中層には色がなるべく乗らないようにして作られており、外周部の三層彫りとしてはまさしく最高。
そして色合いもさることながら構図のバランスが完璧に仕上がっており、まさにラファエレ氏の作品の中では逸品です。
美しく色の乗った花冠、集中線の役割を持つ後光、下に視線が行き過ぎないよう視線を止めるように入っている洋服のライン、それと同様に横への視線を止める松明…それらによって効果的に視線が集められる顔には、コルネリアンの濃い橙色と淡い黄色でパリっと分けられた美しい顔の輪郭。
見ていて安心感すら覚えるほどに絵画的に優れた構図で、ぱっと見た感じでは外唇部の三層彫りに比べてインパクトは薄いものの、この構図感のすばらしさはインパクトでかすむものではありません。
ラファエレ氏作の中ではややばらつきがある顔の厚みのバランスも、本作ではしっかりとれて美しい顔つきとなっており、サインこそ通常のものなれど、まさにオーソドックスなモダンカメオの中の傑作たる逸品です。
貝はコルネリアン、外周部殻口下部の最良部位。
この部位としてはかなり厚く貝の裏面から表の花冠まで実に6mmにいたり、作品の質を無視して貝の質だけ見たとしてもそう出るものではないです。
外唇部の三層素材は中型の貝からでも1枚は取れるので素材の希少性は比べ物にならず、それゆえ外周部の三層彫り作品は外唇部の三層彫りよりも概して高価になります。
ヘアラインはこの部位にはお約束といえる0時位置から9時位置にかけて入る数筋があるもののそれ以外は傷みなく、もちろん工房直送の新作カメオなので、そのほか保管の傷等はもちろん見られません。
※新作カメオは時価の半額を基準として価格を決定している古物と比べ多少割高となっております。(それでも一般的な時価は超えないよう調整しております)
もちろん買い付けの価格も古物市場の同等品を購入するより高額ではありますが、そもそも古物の取引では現職のカメオ彫刻師たちには1ユーロの利益にもならないことから、当ギャラリーでは現職作家たちへの、そしてカメオ文化の継承を支援するという観点をもって、積極的に作家本人から作品の買い付けを行っております。
当然、こうした当ギャラリーの売り上げはさらなる現職作家たちからの作品買い付けへ充てていきますので、古物と比べて割高になる点は、カメオ文化の将来への投資としてご理解いただければと思います。