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ラファエレ・ペルニーチェ作 ”メデューサ”
縦:約41mm
横:約32mm
作者:ラファエレ・ペルニーチェ
QR:アーティスティッククオリティ
日本においてもっとも有名な作者のひとり、ラファエレ・ペルニーチェ氏によるアンティークカメオの模刻作品の入荷です。
日本にカメオが紹介された当初から高い人気を誇る職人であるペルニーチェ兄弟、その弟がラファエレ・ペルニーチェ氏です。
かつて兄弟で共同の名義を使っていた頃より作られてきたペルニーチェスタイルとも呼ばれる清廉な雰囲気の漂う女性の横顔をモチーフとしたカメオは、モダンカメオの代名詞的存在としてよく知られるところとなりました。
共同名義のころよりどちらが作った作品なのかは察しが付く細かな違いがありましたが、アニエロ氏と工房を分けて独立してからは独自の作風をさらに進歩させ、比較的シンプルで上品な感じのあるアニエロ氏作に対して、装飾が多く華やかな感じのある作品を発表して人気を博しております。
中でも”La Torre”のサインのあるものはラファエレ氏自身が傑作と認めたものに入れられる特殊銘であり、価格はルースでも20万円を切ることは無いというカメオ全体においても最高級の品となります。
今回のお品物は19世紀のカメオをラファエレ・ペルニーチェ氏が模刻した作品です。
今回は何気に現在当ギャラリーにて一番人気のモチーフではないかと思われるメデューサ。
ギリシャ神話に伝わる怪物、髪が生きた蛇であったということから、女性受けしないモチーフであろうと思っていたのですが、なんとなしに今年の初めに出来の良いアンティークのメデューサを買い付け公開してからすぐに常連様がお求めになられて以降、メデューサの出物はないかと尋ねられることが多いほか、ラファエレ氏作の新作カメオのメデューサも比較的早い段階で手元から旅立っていったという意外な実績を積んでおります。
今回はサルドニクスのメデューサで、これまでに扱ってきたコルネリアンのものと比べると19世紀の作品のデザインにより近い作品です。
ぱっと見た感じ分かりにくいのですが、実はコルネリアンの三層彫り作品と同じ外唇部(コルネリアンことマンボウガイとサルドニクスことクチグロトウカムリは近縁種で形態が似通っている)を用いたもので、通常のサルドニクスシェルのカメオに比べてかなり厚みがある彫りをしており、またデザイン的に有意な色分けとは言い難いため三層彫りとは見なせないものの一応羽と髪の一部に上部層の黄色が乗っております。
彫りに関しても素材の関係から独特で、切り立ったようなエッジの立った彫りは通常の部材のカメオよりも三層彫りのカメオに通じるところがあります。
デザイン的には過去に展示しましたコルネリアンの作品と比べるとややまとまりに欠けるかと感じ、また真価を見せるには光を選ぶ作品であり、無条件に美しさを見せた過去展示作と比べると総評としては落ちるかというところ。
ただし、2時方向からの光を当てたときの影の落ち方と像の浮かび方は大変に美しく、カメオを手に取っていろんな角度から光を当て表情の変化を楽しむという鑑賞をする上ではより味わい深い作品と思います。(恥ずかしながら撮影時に気付かず写真は0時位置からの光で写りがイマイチです…)
貝は先述しましたようにサルドニクスの外唇部。
褐色層にごく薄く横向きに入るヘアラインが幾筋かみられるも鑑賞上気になる物でなく、また工房直送の新作カメオなので、そのほか保管の傷等はもちろん見られません。
(裏面に彫刻時木台に固定するために用いる松脂が少し残っていますがべたつきなどはありません)
※新作カメオは時価の半額を基準として価格を決定している古物と比べ多少割高となっております。(それでも一般的な時価は超えないよう調整しております)
もちろん買い付けの価格も古物市場の同等品を購入するより高額ではありますが、そもそも古物の取引では現職のカメオ彫刻師たちには1ユーロの利益にもならないことから、当ギャラリーでは現職作家たちへの、そしてカメオ文化の継承を支援するという観点をもって、積極的に作家本人から作品の買い付けを行っております。
当然、こうした当ギャラリーの売り上げはさらなる現職作家たちからの作品買い付けへ充てていきますので、古物と比べて割高になる点は、カメオ文化の将来への投資としてご理解いただければと思います。
横:約32mm
作者:ラファエレ・ペルニーチェ
QR:アーティスティッククオリティ
日本においてもっとも有名な作者のひとり、ラファエレ・ペルニーチェ氏によるアンティークカメオの模刻作品の入荷です。
日本にカメオが紹介された当初から高い人気を誇る職人であるペルニーチェ兄弟、その弟がラファエレ・ペルニーチェ氏です。
かつて兄弟で共同の名義を使っていた頃より作られてきたペルニーチェスタイルとも呼ばれる清廉な雰囲気の漂う女性の横顔をモチーフとしたカメオは、モダンカメオの代名詞的存在としてよく知られるところとなりました。
共同名義のころよりどちらが作った作品なのかは察しが付く細かな違いがありましたが、アニエロ氏と工房を分けて独立してからは独自の作風をさらに進歩させ、比較的シンプルで上品な感じのあるアニエロ氏作に対して、装飾が多く華やかな感じのある作品を発表して人気を博しております。
中でも”La Torre”のサインのあるものはラファエレ氏自身が傑作と認めたものに入れられる特殊銘であり、価格はルースでも20万円を切ることは無いというカメオ全体においても最高級の品となります。
今回のお品物は19世紀のカメオをラファエレ・ペルニーチェ氏が模刻した作品です。
今回は何気に現在当ギャラリーにて一番人気のモチーフではないかと思われるメデューサ。
ギリシャ神話に伝わる怪物、髪が生きた蛇であったということから、女性受けしないモチーフであろうと思っていたのですが、なんとなしに今年の初めに出来の良いアンティークのメデューサを買い付け公開してからすぐに常連様がお求めになられて以降、メデューサの出物はないかと尋ねられることが多いほか、ラファエレ氏作の新作カメオのメデューサも比較的早い段階で手元から旅立っていったという意外な実績を積んでおります。
今回はサルドニクスのメデューサで、これまでに扱ってきたコルネリアンのものと比べると19世紀の作品のデザインにより近い作品です。
ぱっと見た感じ分かりにくいのですが、実はコルネリアンの三層彫り作品と同じ外唇部(コルネリアンことマンボウガイとサルドニクスことクチグロトウカムリは近縁種で形態が似通っている)を用いたもので、通常のサルドニクスシェルのカメオに比べてかなり厚みがある彫りをしており、またデザイン的に有意な色分けとは言い難いため三層彫りとは見なせないものの一応羽と髪の一部に上部層の黄色が乗っております。
彫りに関しても素材の関係から独特で、切り立ったようなエッジの立った彫りは通常の部材のカメオよりも三層彫りのカメオに通じるところがあります。
デザイン的には過去に展示しましたコルネリアンの作品と比べるとややまとまりに欠けるかと感じ、また真価を見せるには光を選ぶ作品であり、無条件に美しさを見せた過去展示作と比べると総評としては落ちるかというところ。
ただし、2時方向からの光を当てたときの影の落ち方と像の浮かび方は大変に美しく、カメオを手に取っていろんな角度から光を当て表情の変化を楽しむという鑑賞をする上ではより味わい深い作品と思います。(恥ずかしながら撮影時に気付かず写真は0時位置からの光で写りがイマイチです…)
貝は先述しましたようにサルドニクスの外唇部。
褐色層にごく薄く横向きに入るヘアラインが幾筋かみられるも鑑賞上気になる物でなく、また工房直送の新作カメオなので、そのほか保管の傷等はもちろん見られません。
(裏面に彫刻時木台に固定するために用いる松脂が少し残っていますがべたつきなどはありません)
※新作カメオは時価の半額を基準として価格を決定している古物と比べ多少割高となっております。(それでも一般的な時価は超えないよう調整しております)
もちろん買い付けの価格も古物市場の同等品を購入するより高額ではありますが、そもそも古物の取引では現職のカメオ彫刻師たちには1ユーロの利益にもならないことから、当ギャラリーでは現職作家たちへの、そしてカメオ文化の継承を支援するという観点をもって、積極的に作家本人から作品の買い付けを行っております。
当然、こうした当ギャラリーの売り上げはさらなる現職作家たちからの作品買い付けへ充てていきますので、古物と比べて割高になる点は、カメオ文化の将来への投資としてご理解いただければと思います。