Item
アンティーク(推定1900年頃) 大判作 ”古の地母神”
縦:約56mm(カメオ50mm)
横:約50mm(カメオ44mm)
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
通常のカメオの規格よりも幅が広い大判の良作カメオの入荷です。
19世紀に人気のあった女神たちのひとりである地母神、その多くはデメテルをモチーフとしておりましたが、稀に複数の神々のシンボルを兼ね備える姿のものが知られております。
今回の作品は一見は髪に花を飾ったフローラのようでありながら、麦穂とオリーブの葉(花は薔薇であるが薔薇の葉は縁に鋸歯があって広く本作の葉とは違い、麦はイネ科の植物でこれとも違うので、別個のシンボルとしてみるのが妥当である)を飾った女神像です。
本作は以前入荷したミュージアムクオリティ作品 ”アンティーク(推定19世紀後期) 希少名品 ”幽玄なるマイナス””と同じ作者の作品とみられ、当ギャラリーではそれ以来久しぶりの入荷となります。
幽玄なるマイナスと同様、独特の細かくカールした巻き髪やくしゃっとした薄布の質感は今回も健在、当時人気を博していたサウリーニ工房系のデザインとは大幅に異なりながらも、決してそれらに劣らない美しさと完成度です。
当ギャラリーの展示品では本作と幽玄なるマイナスの2点しか資料がありませんが、過去にもう1点素晴らしい女性像のカメオを見ており、その技術は間違いなく当時のレベルからみても超一流であったことは私の目にかけて保証できます。
貝はキャラメル色の地にくっきりとした白色層の乗ったサードニクス。
表面の地色の彩度が裏面のものより低く、シェルカメオとしては珍しくセピアやモノクロームといった雰囲気に仕上がっているのは白色層をごくごくわずかに残しているからで、この当時あまり重要視されていなかった貝の色使いにおいて、例外的に気を配っていたことがうかがえる作者の特有の表現といっていいでしょう。
ヘアラインは背面層に薄いものが散見されるほか、表1時位置から4時位置にかけてまとまって入っているものは表からも視認できる(ただし、現物は写真ほど目立ちません)ことと、表面にややナレがあり、頭頂部や花、巻き髪の彫り上げ部分などのディテールがわずかに消えている部分があるため、これらの分は考慮して時価を決定しております。
フレームは当時物で9ctゴールド製。
形式は当時物に典型的なケース型、シンプルながらに丁寧なつくりで、パイプ材ではなく板金材を使用しているため歪みやへこみなどなく状態も良好です。
ピンキャッチのみ20世紀半ばに付け替えられており古い風車式となっておりますが、その分C型クラスプよりも実用性に優れております。
横:約50mm(カメオ44mm)
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
通常のカメオの規格よりも幅が広い大判の良作カメオの入荷です。
19世紀に人気のあった女神たちのひとりである地母神、その多くはデメテルをモチーフとしておりましたが、稀に複数の神々のシンボルを兼ね備える姿のものが知られております。
今回の作品は一見は髪に花を飾ったフローラのようでありながら、麦穂とオリーブの葉(花は薔薇であるが薔薇の葉は縁に鋸歯があって広く本作の葉とは違い、麦はイネ科の植物でこれとも違うので、別個のシンボルとしてみるのが妥当である)を飾った女神像です。
本作は以前入荷したミュージアムクオリティ作品 ”アンティーク(推定19世紀後期) 希少名品 ”幽玄なるマイナス””と同じ作者の作品とみられ、当ギャラリーではそれ以来久しぶりの入荷となります。
幽玄なるマイナスと同様、独特の細かくカールした巻き髪やくしゃっとした薄布の質感は今回も健在、当時人気を博していたサウリーニ工房系のデザインとは大幅に異なりながらも、決してそれらに劣らない美しさと完成度です。
当ギャラリーの展示品では本作と幽玄なるマイナスの2点しか資料がありませんが、過去にもう1点素晴らしい女性像のカメオを見ており、その技術は間違いなく当時のレベルからみても超一流であったことは私の目にかけて保証できます。
貝はキャラメル色の地にくっきりとした白色層の乗ったサードニクス。
表面の地色の彩度が裏面のものより低く、シェルカメオとしては珍しくセピアやモノクロームといった雰囲気に仕上がっているのは白色層をごくごくわずかに残しているからで、この当時あまり重要視されていなかった貝の色使いにおいて、例外的に気を配っていたことがうかがえる作者の特有の表現といっていいでしょう。
ヘアラインは背面層に薄いものが散見されるほか、表1時位置から4時位置にかけてまとまって入っているものは表からも視認できる(ただし、現物は写真ほど目立ちません)ことと、表面にややナレがあり、頭頂部や花、巻き髪の彫り上げ部分などのディテールがわずかに消えている部分があるため、これらの分は考慮して時価を決定しております。
フレームは当時物で9ctゴールド製。
形式は当時物に典型的なケース型、シンプルながらに丁寧なつくりで、パイプ材ではなく板金材を使用しているため歪みやへこみなどなく状態も良好です。
ピンキャッチのみ20世紀半ばに付け替えられており古い風車式となっておりますが、その分C型クラスプよりも実用性に優れております。