Item
アンティーク(推定19世紀中期) 古風絶品 ”春の女神”
縦:約58mm(カメオ51mm)
横:約64mm(カメオ41mm)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
最近入荷した中でも特に絢爛、美しいフレームに入った最上級のフローラのカメオの入荷です。
19世紀にカメオのモチーフとして好まれたギリシャの女神のひとり、春と花々を象徴するフローラ。
一見シンプルながらにその実極めて高度な技術によって施されたもので、19世紀最高の作品に類する逸品です。
構図はフローラの頭部のみを描いたものでとりわけ古風な雰囲気。
この時代の名門であり有名なサウリーニ工房で作られたタイプのフローラと異なり髪を結いあげているのも特徴的で、フローラのカメオとしては類例がかなり少ないものとなります。
彫りももちろん超一流、とかく非常に整っており、インパクトがある彫りというわけではないものの、さりとて非の打ちどころがあるわけではないといいましょうか。
幾何学的な模様はカメオ彫刻師の腕が最もよく出る部分というのは私がよく言及するところですが、本作では頭に飾られた花冠の美しさにそれが表れており、メインとなる中央の薔薇の花はテューダーローズを思わせる仕上りでありつつその両脇の花々も素晴らしく、また本作は母材の貝がさほど厚くないものであったようで像にはそれほど立体的な表現が見られないものの、この花冠には作者の確かな立体把握能力と彫刻によるその表現能力がよく表れており、額の上の花の描写は大変に見事です。
顔立ちの美しさも完璧で、目には黒目も彫り入れられており構図こそシンプルであれど一切の手抜きが感じられない逸品中の逸品、フレームも含めると同等の作品の次回入荷はいつになるかというレベルの品です。
貝は色の濃い良質なコルネリアン。
湾曲が緩やかなことからかなり大きい貝を使ったとみえます。
全体的にごく薄いヘアラインが散見されますが順光での目視は不可、裏から透かしても一部しか見えないほどで、最もヘアラインがよく見える貝の組織に対して垂直に光を当ててようやく見える程度です。
また中央に見かけない感じの内包傷がありますが、これも影響はほぼなく、特に表からでは像の下に隠れるので、鑑賞・実用ともに一切問題にはなりません。
フレームはこの時代のものとしては非常に珍しい18ctゴールド製。
ピン元の作りがイギリス式と異なることと18カラットという品位、それに金細工の高い技術から、おそらくフランス製のフレームでしょう。
基本的にはイギリスでも見られる細い金のパイプを装飾として用いたものですが、本作ではその表面に細かな樹皮の彫り入れがあり、また葡萄の葉と蔓を模したパーツも加えられ、イギリスの加工品とは一味違う仕上りとなっております。
惜しむらくは右の葡萄の葉に欠けがあること。
しかしそれ以外の欠損やフレーム、パイプのへこみは無く、年代を考えれば非常にきれいなもので、カメオアクセサリーとしてはもちろん、高品質なアンティークジュエリーとしても十分にお楽しみいただけるでしょう。
キャッチはC型クラスプながらしっかりと針を留め、その針も曲がりなく綺麗です。
画像にはありませんが、落下防止のためのシリコンパーツも付属いたします。
横:約64mm(カメオ41mm)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
最近入荷した中でも特に絢爛、美しいフレームに入った最上級のフローラのカメオの入荷です。
19世紀にカメオのモチーフとして好まれたギリシャの女神のひとり、春と花々を象徴するフローラ。
一見シンプルながらにその実極めて高度な技術によって施されたもので、19世紀最高の作品に類する逸品です。
構図はフローラの頭部のみを描いたものでとりわけ古風な雰囲気。
この時代の名門であり有名なサウリーニ工房で作られたタイプのフローラと異なり髪を結いあげているのも特徴的で、フローラのカメオとしては類例がかなり少ないものとなります。
彫りももちろん超一流、とかく非常に整っており、インパクトがある彫りというわけではないものの、さりとて非の打ちどころがあるわけではないといいましょうか。
幾何学的な模様はカメオ彫刻師の腕が最もよく出る部分というのは私がよく言及するところですが、本作では頭に飾られた花冠の美しさにそれが表れており、メインとなる中央の薔薇の花はテューダーローズを思わせる仕上りでありつつその両脇の花々も素晴らしく、また本作は母材の貝がさほど厚くないものであったようで像にはそれほど立体的な表現が見られないものの、この花冠には作者の確かな立体把握能力と彫刻によるその表現能力がよく表れており、額の上の花の描写は大変に見事です。
顔立ちの美しさも完璧で、目には黒目も彫り入れられており構図こそシンプルであれど一切の手抜きが感じられない逸品中の逸品、フレームも含めると同等の作品の次回入荷はいつになるかというレベルの品です。
貝は色の濃い良質なコルネリアン。
湾曲が緩やかなことからかなり大きい貝を使ったとみえます。
全体的にごく薄いヘアラインが散見されますが順光での目視は不可、裏から透かしても一部しか見えないほどで、最もヘアラインがよく見える貝の組織に対して垂直に光を当ててようやく見える程度です。
また中央に見かけない感じの内包傷がありますが、これも影響はほぼなく、特に表からでは像の下に隠れるので、鑑賞・実用ともに一切問題にはなりません。
フレームはこの時代のものとしては非常に珍しい18ctゴールド製。
ピン元の作りがイギリス式と異なることと18カラットという品位、それに金細工の高い技術から、おそらくフランス製のフレームでしょう。
基本的にはイギリスでも見られる細い金のパイプを装飾として用いたものですが、本作ではその表面に細かな樹皮の彫り入れがあり、また葡萄の葉と蔓を模したパーツも加えられ、イギリスの加工品とは一味違う仕上りとなっております。
惜しむらくは右の葡萄の葉に欠けがあること。
しかしそれ以外の欠損やフレーム、パイプのへこみは無く、年代を考えれば非常にきれいなもので、カメオアクセサリーとしてはもちろん、高品質なアンティークジュエリーとしても十分にお楽しみいただけるでしょう。
キャッチはC型クラスプながらしっかりと針を留め、その針も曲がりなく綺麗です。
画像にはありませんが、落下防止のためのシリコンパーツも付属いたします。









