Item
アンティーク(推定19世紀後半) 額装カメオ ”帝国の貴人”
縦:約225mm(カメオ40mm)
横:約202mm(カメオ30mm)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
当ギャラリーにおいても極めて稀、19世紀のインテリア用カメオの入荷です。
ずいぶん前にアントニオ・カノーヴァの胸像のカメオ以来となる19世紀のインテリア用のカメオ。
今回の作品はカノーヴァの胸像と異なり元はブローチ用のシェルカメオだったものと思われますが、専用に額縁がつくられてインテリア用に改作されたものです。
モチーフとなっているのは1900年前後数十年にわたって一般的であった装いの紳士。
特徴的にはナポレオン三世に似ておりますが、サウリーニ工房の仕事を記録した資料から、この当時市井の有力な人物が一流のカメオ工房に夫や夫人をモデルとしたカメオを注文することが一般的であったことがわかっており、本作の男性像もこの当時珍しくない外見であることからモチーフについては確証が得られておりません。
ただ、モチーフについて触れずにFacebookのほうにも写真を投稿したところ、閲覧者からナポレオン三世ではないかというコメントがきており、やはり本作を見てナポレオン三世を想起する人は多いようです。
彫りについては言葉による評を要せず、誰もが画像をご覧になって超一流とお分かりになる出来。
19世紀のカメオ界における名門サウリーニに引けを取らない作品であり、この当時極めて高い技術を持っていた名匠のみしか行わなかった作者銘がイニシャルでP.M.と入っております。
現時点では19世紀のカメオ彫刻師についての情報が少なく個人名を特定できておりませんが、現存するカメオを見る限りこのようなレベルに至った作者は、この時代を通して10人もいないと思われますので、いずれ明らかとなる時が来るでしょう。
また本作のモデルが誰であるにせよ、これほどの作品の注文ができる人物であり、なおかつ後世その姿を額縁に収めて残されていることから、それなり以上の力を蓄えた人物であったことは間違いなく、実際ナポレオン三世と解釈するのも無理筋ではありません。
貝はコーヒー色の地にくっきりとした白色層の良質なサードニクス。
額に固定されており光に透かすことができないので状態の精査はできないものの、表から観察する限りでは表面にスレがあるのみでヘアラインは見当たらず、もちろん割れもありません。
また未洗浄なのでやや経年の汚れがあるものの、全体的には優に100年以上経過した割にきれいな状態を保っているといえます。
額縁は古い木製。
現在このようなタイプの額の多くはプラスチックによるものですが、本作のものは額縁職人による額縁で、木彫りと石膏によって作られているようです。
横:約202mm(カメオ30mm)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
当ギャラリーにおいても極めて稀、19世紀のインテリア用カメオの入荷です。
ずいぶん前にアントニオ・カノーヴァの胸像のカメオ以来となる19世紀のインテリア用のカメオ。
今回の作品はカノーヴァの胸像と異なり元はブローチ用のシェルカメオだったものと思われますが、専用に額縁がつくられてインテリア用に改作されたものです。
モチーフとなっているのは1900年前後数十年にわたって一般的であった装いの紳士。
特徴的にはナポレオン三世に似ておりますが、サウリーニ工房の仕事を記録した資料から、この当時市井の有力な人物が一流のカメオ工房に夫や夫人をモデルとしたカメオを注文することが一般的であったことがわかっており、本作の男性像もこの当時珍しくない外見であることからモチーフについては確証が得られておりません。
ただ、モチーフについて触れずにFacebookのほうにも写真を投稿したところ、閲覧者からナポレオン三世ではないかというコメントがきており、やはり本作を見てナポレオン三世を想起する人は多いようです。
彫りについては言葉による評を要せず、誰もが画像をご覧になって超一流とお分かりになる出来。
19世紀のカメオ界における名門サウリーニに引けを取らない作品であり、この当時極めて高い技術を持っていた名匠のみしか行わなかった作者銘がイニシャルでP.M.と入っております。
現時点では19世紀のカメオ彫刻師についての情報が少なく個人名を特定できておりませんが、現存するカメオを見る限りこのようなレベルに至った作者は、この時代を通して10人もいないと思われますので、いずれ明らかとなる時が来るでしょう。
また本作のモデルが誰であるにせよ、これほどの作品の注文ができる人物であり、なおかつ後世その姿を額縁に収めて残されていることから、それなり以上の力を蓄えた人物であったことは間違いなく、実際ナポレオン三世と解釈するのも無理筋ではありません。
貝はコーヒー色の地にくっきりとした白色層の良質なサードニクス。
額に固定されており光に透かすことができないので状態の精査はできないものの、表から観察する限りでは表面にスレがあるのみでヘアラインは見当たらず、もちろん割れもありません。
また未洗浄なのでやや経年の汚れがあるものの、全体的には優に100年以上経過した割にきれいな状態を保っているといえます。
額縁は古い木製。
現在このようなタイプの額の多くはプラスチックによるものですが、本作のものは額縁職人による額縁で、木彫りと石膏によって作られているようです。