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マッシモ・バルツァーノ作 ”ガラテアの勝利”
縦:約51mm
横:約38mm
作者:マッシモ・バルツァーノ
QR:アーティスティッククオリティ
70年代生まれの名匠のひとり、マッシモ・バルツァーノ作のカメオの入荷です。
カメオが日本市場において大人気を博した80年代、その頃に幼少期を過ごしたカメオ彫刻家の縁者には、親類の元で将来を希望に満ちたカメオ界へと進むことを決めた者が多く現れました。
マッシモ・バルツァーノ氏もまた彫刻家として多く名前が知られるバルツァーノ家から輩出された若い彫刻家の一人で、カメオ彫刻家としてはヴィート・エスポジート氏(日本ではほぼ知る人は無いであろうが、日本の古物市場でも年に1つくらいは見かける作者で、エスポジート姓であるがどこかマリア・ピア・ペトロ作に似た雰囲気の作品が多い印象がある)に師事したと言われます。
時代の移り変わりによりカメオの売り上げは落ち着いてきた結果、当時のようにカメオであればとりあえず売れるといった状況でもなくなって同年代の作者も多くが引退して別の道を行く中、従兄弟のドメニコ・アックサート氏と共に現在も名匠の一人としてよく知られております。
この年代の生まれで現在まで創作活動を継続している作家はやはり現在まで生き残ってきただけあって皆素晴らしい作品を生み出す者ばかりで、この中に残っているというだけでどれだけ優れているかは想像に難くないでしょう。
作品の傾向は古典的な神話をモチーフとしたものが多い一方でそれ以外の分野からの技術の取り込みにも熱心で、オッタヴィアーノ親子にも劣らないレース彫りやマストレイとしてのジョヴァンニ・アメンドーラ氏への追求で知られる他、現在ではサンゴやトルコ石の立体彫刻にも積極的に取り組んでおり、今後もこの世界で長く活躍していくことが確実視されている期待の作者です。
今回はバルツァーノ氏の典型的な作風の一つ、ギリシャ神話をモチーフとした絵画型構図のカメオです。
古典的な構図を好んで制作しているバルツァーノ氏の作品は19世紀のカメオにもみられた絵画を基とする構図が時折見られ、レーニのアウローラやボッティチェリのプリマヴェーラなどが知られます。
今回の作品は、海の上に浮かぶイタヤガイの貝殻に乗った女神の像。
これは一般的にヴィーナスであることが多く判断が難しいところながら、貝殻の造形をみるにおそらくラファエロの絵画”ガラテアの勝利”にインスピレーションを得たカメオでしょう。
バランスのいい構図に収められたガラテアと3人のプットたちはそれぞれに厚みをしっかり持たせた彫りをしており、また小さいながらに顔立ちが整ってバルツァーノ氏の高度な彫刻技術が楽しめます。
しかし技術的な面で一番の見どころは実はイタヤガイの彫り。
ここはオッタヴィアーノ派のレースの応用が見られ、本来貝の厚みをなるべく排して彫るレースをあえて厚く残して貝殻とすることで、貝の厚みを残しつつも貝殻のうねりを美しく表現しております。
波の描写も古典的ながらに古いカメオでは見られなかった技法での表現となっているのもおもしろいところ。
周囲をぼかしたような幻想的な色使いや各登場人物の前後関係・画面内の奥行きを感じさせる色使いなど全体的な雰囲気はスカーラ派ににた感じもあり、まさに古典を現代の技術でリメイクしたというに感じを楽しめる逸品です。
貝は濃い目のコーヒー色にやや透明感のある白色層が乗ったサードニクス。
状態もほぼ完ぺきで0時位置に1筋ヘアラインが見られるのみで、そのほか一切の傷みがありません。
フレームはK18製。
金焼けもなくブリッジやピンの歪みも無し、カメオそのものの状態の良さも考えると、おそらく未使用なのではないかと思われます。
ブローチ金具は信頼性が高い鉄砲型、ペンダント金具はDカン型を備えております。
横:約38mm
作者:マッシモ・バルツァーノ
QR:アーティスティッククオリティ
70年代生まれの名匠のひとり、マッシモ・バルツァーノ作のカメオの入荷です。
カメオが日本市場において大人気を博した80年代、その頃に幼少期を過ごしたカメオ彫刻家の縁者には、親類の元で将来を希望に満ちたカメオ界へと進むことを決めた者が多く現れました。
マッシモ・バルツァーノ氏もまた彫刻家として多く名前が知られるバルツァーノ家から輩出された若い彫刻家の一人で、カメオ彫刻家としてはヴィート・エスポジート氏(日本ではほぼ知る人は無いであろうが、日本の古物市場でも年に1つくらいは見かける作者で、エスポジート姓であるがどこかマリア・ピア・ペトロ作に似た雰囲気の作品が多い印象がある)に師事したと言われます。
時代の移り変わりによりカメオの売り上げは落ち着いてきた結果、当時のようにカメオであればとりあえず売れるといった状況でもなくなって同年代の作者も多くが引退して別の道を行く中、従兄弟のドメニコ・アックサート氏と共に現在も名匠の一人としてよく知られております。
この年代の生まれで現在まで創作活動を継続している作家はやはり現在まで生き残ってきただけあって皆素晴らしい作品を生み出す者ばかりで、この中に残っているというだけでどれだけ優れているかは想像に難くないでしょう。
作品の傾向は古典的な神話をモチーフとしたものが多い一方でそれ以外の分野からの技術の取り込みにも熱心で、オッタヴィアーノ親子にも劣らないレース彫りやマストレイとしてのジョヴァンニ・アメンドーラ氏への追求で知られる他、現在ではサンゴやトルコ石の立体彫刻にも積極的に取り組んでおり、今後もこの世界で長く活躍していくことが確実視されている期待の作者です。
今回はバルツァーノ氏の典型的な作風の一つ、ギリシャ神話をモチーフとした絵画型構図のカメオです。
古典的な構図を好んで制作しているバルツァーノ氏の作品は19世紀のカメオにもみられた絵画を基とする構図が時折見られ、レーニのアウローラやボッティチェリのプリマヴェーラなどが知られます。
今回の作品は、海の上に浮かぶイタヤガイの貝殻に乗った女神の像。
これは一般的にヴィーナスであることが多く判断が難しいところながら、貝殻の造形をみるにおそらくラファエロの絵画”ガラテアの勝利”にインスピレーションを得たカメオでしょう。
バランスのいい構図に収められたガラテアと3人のプットたちはそれぞれに厚みをしっかり持たせた彫りをしており、また小さいながらに顔立ちが整ってバルツァーノ氏の高度な彫刻技術が楽しめます。
しかし技術的な面で一番の見どころは実はイタヤガイの彫り。
ここはオッタヴィアーノ派のレースの応用が見られ、本来貝の厚みをなるべく排して彫るレースをあえて厚く残して貝殻とすることで、貝の厚みを残しつつも貝殻のうねりを美しく表現しております。
波の描写も古典的ながらに古いカメオでは見られなかった技法での表現となっているのもおもしろいところ。
周囲をぼかしたような幻想的な色使いや各登場人物の前後関係・画面内の奥行きを感じさせる色使いなど全体的な雰囲気はスカーラ派ににた感じもあり、まさに古典を現代の技術でリメイクしたというに感じを楽しめる逸品です。
貝は濃い目のコーヒー色にやや透明感のある白色層が乗ったサードニクス。
状態もほぼ完ぺきで0時位置に1筋ヘアラインが見られるのみで、そのほか一切の傷みがありません。
フレームはK18製。
金焼けもなくブリッジやピンの歪みも無し、カメオそのものの状態の良さも考えると、おそらく未使用なのではないかと思われます。
ブローチ金具は信頼性が高い鉄砲型、ペンダント金具はDカン型を備えております。