Item
アンティーク(推定20世紀前半) ”ゴルゴタへの巡礼”
縦:約60mm
横:約49mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
20世紀前半の作と思われるコルネリアンの大判作の入荷です。
20世紀後半からはあまり見られなくなってきたモチーフであるキリスト教にまつわるカメオ。
今回のカメオは、4世紀にゴルゴタの丘へと巡礼し聖十字架と聖釘を発見したという伝説の残る聖ヘレナのカメオです。
本作の聖ヘレナは左腕には聖十字架を、右手のひらには聖釘を乗せ、また古代ローマ皇帝の妃でもあり、偉大なるコンスタンティヌス1世の母でもあったことから、その頭には王冠をいただいた姿で描かれており、本作の像はその特徴をしっかりと抑えております。
キリスト教をモチーフとした作品は19世紀をとおして多く作られておりますが、聖ヘレナを描いたカメオというのはかなり珍しく、今回の作品が私も初見となります。
構図取りは19世紀の様式からさらに時代が新しい20世紀前半のものながら、彫りの技法としては19世紀のそれを残した繊細なもの。
コルネリアンとしては大型となる60mmの画面ゆえに相対的に厚みは薄くなるものの、要所要所の強調を忘れない像のつくりをしており、メリハリの強さはサードニクスのカメオにも全く引けを取りません。
そして全体的な厚みの変化はほとんどないにもかかわらず、微細な高低差でもって表現された洋服のしわは見事で、この辺りは19世紀から20世紀初期のカメオ特有のもので、やはり古風な雰囲気を感じさせます。
作品のモチーフ、大きさ、彫りの良さ、経年の希少性等々、作品の品質でいえばミュージアムクラスを検討するところながら、個人的に”ミュージアムクラスにするにはなにかもう一歩”と思うところがありカタログクオリティとなっているのですが、しかし諸々の条件を考えると、まさに装飾品として扱うよりも額装などして展示・鑑賞にするのに向いた作品と思います。
貝は色の柔らかいコルネリアン。
殻高16㎝を超えるものは極端に少なくなってくるコルネリアンでこのサイズは非常に貴重で、大きさのわりに湾曲が少ないところから見て、18㎝を超えるような超大型の個体から切り出されたものと見えます。
ヘアラインは11時位置と1時位置からそれぞれハの字状に数筋伸びており、表からみて11時位置から走るものがわずかに見えるものの、それ以外は目立たず、摩耗や欠けもない(ただし裏面7時位置の縁に切り出し時にできたと思われる浅いチップはあり)ため経年を思えば状態はかなり良い方と思います。
フレームは9ctゴールド製。
通常このころのケース型のフレームは、裏側のカメオを固定にはワイヤーをロウ付けすることで製作しておりますが、本作は金の板を2枚溶接してつくられており、目立たないながらにこだわりが感じられます。
キャッチは風車式の初期型とみえるもので、針もしっかり保持できます。
6時位置には下向き緩和と落下防止のチェーン装備用の金具も備え、チェーンも健在で、このままでも現代のアクセサリーと同様にご使用になれます。
横:約49mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
20世紀前半の作と思われるコルネリアンの大判作の入荷です。
20世紀後半からはあまり見られなくなってきたモチーフであるキリスト教にまつわるカメオ。
今回のカメオは、4世紀にゴルゴタの丘へと巡礼し聖十字架と聖釘を発見したという伝説の残る聖ヘレナのカメオです。
本作の聖ヘレナは左腕には聖十字架を、右手のひらには聖釘を乗せ、また古代ローマ皇帝の妃でもあり、偉大なるコンスタンティヌス1世の母でもあったことから、その頭には王冠をいただいた姿で描かれており、本作の像はその特徴をしっかりと抑えております。
キリスト教をモチーフとした作品は19世紀をとおして多く作られておりますが、聖ヘレナを描いたカメオというのはかなり珍しく、今回の作品が私も初見となります。
構図取りは19世紀の様式からさらに時代が新しい20世紀前半のものながら、彫りの技法としては19世紀のそれを残した繊細なもの。
コルネリアンとしては大型となる60mmの画面ゆえに相対的に厚みは薄くなるものの、要所要所の強調を忘れない像のつくりをしており、メリハリの強さはサードニクスのカメオにも全く引けを取りません。
そして全体的な厚みの変化はほとんどないにもかかわらず、微細な高低差でもって表現された洋服のしわは見事で、この辺りは19世紀から20世紀初期のカメオ特有のもので、やはり古風な雰囲気を感じさせます。
作品のモチーフ、大きさ、彫りの良さ、経年の希少性等々、作品の品質でいえばミュージアムクラスを検討するところながら、個人的に”ミュージアムクラスにするにはなにかもう一歩”と思うところがありカタログクオリティとなっているのですが、しかし諸々の条件を考えると、まさに装飾品として扱うよりも額装などして展示・鑑賞にするのに向いた作品と思います。
貝は色の柔らかいコルネリアン。
殻高16㎝を超えるものは極端に少なくなってくるコルネリアンでこのサイズは非常に貴重で、大きさのわりに湾曲が少ないところから見て、18㎝を超えるような超大型の個体から切り出されたものと見えます。
ヘアラインは11時位置と1時位置からそれぞれハの字状に数筋伸びており、表からみて11時位置から走るものがわずかに見えるものの、それ以外は目立たず、摩耗や欠けもない(ただし裏面7時位置の縁に切り出し時にできたと思われる浅いチップはあり)ため経年を思えば状態はかなり良い方と思います。
フレームは9ctゴールド製。
通常このころのケース型のフレームは、裏側のカメオを固定にはワイヤーをロウ付けすることで製作しておりますが、本作は金の板を2枚溶接してつくられており、目立たないながらにこだわりが感じられます。
キャッチは風車式の初期型とみえるもので、針もしっかり保持できます。
6時位置には下向き緩和と落下防止のチェーン装備用の金具も備え、チェーンも健在で、このままでも現代のアクセサリーと同様にご使用になれます。