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ジェンナーロ・ガロファロ作 貴重60年代作 ”ヴィーナスの誕生”
縦:約64mm
横:約52mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のシェルカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオの入荷です。
ジェンナーロ・ガロファロ氏はモダンカメオの先駆けとなった作者の1人です。
アンティークカメオとモダンカメオの違いはなにも時代だけではなく、アンティークはあくまでも彫刻的表現が追求されるのに対してモダンは彫刻と絵画の中間的な表現がなされるところが特徴で、この構図的特徴を人物図で世に示して見せたのがジェンナーロ・ガロファロ氏です。(モダンカメオそのものはジョヴァンニ・ノト氏を端とするが、ノト作の人物図に背景に風景を描いたものは無い)
ガロファロ氏のカメオは人物像の位置が低めにあることが多く、人物を描き空いたところに背景を描くのではなく、最初から人物と背景とが一体になった画面を描く、明らかに絵画的構図の取り方をしているのが他の作者に類を見ない特徴といえ、現在のモダンカメオの源流はジョヴァンニ・ノト氏が作り出したモチーフとジェンナーロ・ガロファロ氏が作り出した構図概念にあると言っていいでしょう。
さて、今回のお品物はそんなガロファロ作のルーツ、60年代後半頃の絵画物のカメオです。
モチーフはサンドロ・ボッティチェリ作の名画”ヴィーナスの誕生”。
ガロファロ氏のカメオをよく知る方からすれば、ガロファロ作の絵画物というだけでどれだけ珍しいかおわかりでしょう。
ガロファロ氏はもともとは人物ではなく風景を描くカメオから出発し、70年代から風景物から人物物へと転向、しばらくは人物のみで背景に何も描かないものを作っておりましたが、数年を経てかつて修練を積んだ風景カメオを人物カメオへと融合し成功を収めるに至りました。
本作はその最初の転換期前の作品で、この時期の作例はアメリカやイギリスの市場で時々見かけるのですが、それら複数の作例を見てもすでに風景物として一定の完成に至っており、古いからと言って出来が悪いというわけではありません(60年代前半にはブリーノ・ドオロ賞を取っているので早熟であったことは客観的にも明らか)。
そのことは写真からもお分かりいただける通り、彫りはシャープで精緻、当時はおろかごく近年の風景物作品まで含めて見ても、ここまではっきりとした陰影を持たせるカメオを作れる作者はそうおりません。
一方で貝の白色層を削り色の濃淡を利用する技術も巧みで、うっすらとたなびくような雲の描写は後の湖水背景にみられる雲と同じであり、この時期既にこの技術を確立していたことが分かります。
作品の質ももちろんながら、ガロファロ氏の作品のコレクションにおいては欠落しやすい年代のものであること、作品の傾向としても極めて珍しいものであること、またガロファロ氏のモダンカメオ史における重要性からいえばもっと広くモダンカメオのコレクションとしても大変に価値のある逸品と言えましょう。
貝はカフェオレ色に斑のない白色の美しいサードニクス。
褐色層には長いヘアラインが数筋入っており、一部表からも視認できるものがあります。
通常褐色層のヘアラインは無傷として扱いますが、本作においては表から見えるため、作品の特殊性・重要性を鑑みながらもわずかばかり価格に考慮しております。
フレームはK18製。
針先カバー付きのキャッチがついており、フレーム年代は80年頃と思われます。
横:約52mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のシェルカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオの入荷です。
ジェンナーロ・ガロファロ氏はモダンカメオの先駆けとなった作者の1人です。
アンティークカメオとモダンカメオの違いはなにも時代だけではなく、アンティークはあくまでも彫刻的表現が追求されるのに対してモダンは彫刻と絵画の中間的な表現がなされるところが特徴で、この構図的特徴を人物図で世に示して見せたのがジェンナーロ・ガロファロ氏です。(モダンカメオそのものはジョヴァンニ・ノト氏を端とするが、ノト作の人物図に背景に風景を描いたものは無い)
ガロファロ氏のカメオは人物像の位置が低めにあることが多く、人物を描き空いたところに背景を描くのではなく、最初から人物と背景とが一体になった画面を描く、明らかに絵画的構図の取り方をしているのが他の作者に類を見ない特徴といえ、現在のモダンカメオの源流はジョヴァンニ・ノト氏が作り出したモチーフとジェンナーロ・ガロファロ氏が作り出した構図概念にあると言っていいでしょう。
さて、今回のお品物はそんなガロファロ作のルーツ、60年代後半頃の絵画物のカメオです。
モチーフはサンドロ・ボッティチェリ作の名画”ヴィーナスの誕生”。
ガロファロ氏のカメオをよく知る方からすれば、ガロファロ作の絵画物というだけでどれだけ珍しいかおわかりでしょう。
ガロファロ氏はもともとは人物ではなく風景を描くカメオから出発し、70年代から風景物から人物物へと転向、しばらくは人物のみで背景に何も描かないものを作っておりましたが、数年を経てかつて修練を積んだ風景カメオを人物カメオへと融合し成功を収めるに至りました。
本作はその最初の転換期前の作品で、この時期の作例はアメリカやイギリスの市場で時々見かけるのですが、それら複数の作例を見てもすでに風景物として一定の完成に至っており、古いからと言って出来が悪いというわけではありません(60年代前半にはブリーノ・ドオロ賞を取っているので早熟であったことは客観的にも明らか)。
そのことは写真からもお分かりいただける通り、彫りはシャープで精緻、当時はおろかごく近年の風景物作品まで含めて見ても、ここまではっきりとした陰影を持たせるカメオを作れる作者はそうおりません。
一方で貝の白色層を削り色の濃淡を利用する技術も巧みで、うっすらとたなびくような雲の描写は後の湖水背景にみられる雲と同じであり、この時期既にこの技術を確立していたことが分かります。
作品の質ももちろんながら、ガロファロ氏の作品のコレクションにおいては欠落しやすい年代のものであること、作品の傾向としても極めて珍しいものであること、またガロファロ氏のモダンカメオ史における重要性からいえばもっと広くモダンカメオのコレクションとしても大変に価値のある逸品と言えましょう。
貝はカフェオレ色に斑のない白色の美しいサードニクス。
褐色層には長いヘアラインが数筋入っており、一部表からも視認できるものがあります。
通常褐色層のヘアラインは無傷として扱いますが、本作においては表から見えるため、作品の特殊性・重要性を鑑みながらもわずかばかり価格に考慮しております。
フレームはK18製。
針先カバー付きのキャッチがついており、フレーム年代は80年頃と思われます。