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ヴィンテージ(1950年頃) 奇作 ”笑うアリアドネー”
縦:約52mm(カメオ40mm)
横:約40mm(カメオ30mm)
作者:-(ヴィンテージ)
QR:アーティスティッククオリティ
今回はハイクオリティながら通常のカメオとは毛色がことなる面白い作品が入荷しております。
取り扱う作品に一定のクオリティをもとめる当ギャラリーにおいては、カメオの品質が大幅に低下した1920年代から1980年代までの間の作品は、ほぼジョヴァンニ・ノト作しか取り扱わない状態となっております。
今回は珍しいことに2点の作品が入荷しており、こちらはその中の1点です。
なんとも…まず写真をご覧いただきたい作品です。
古今東西さまざまなカメオを目にしておりますが、本作のほかでこのような奇作怪作といった雰囲気の作品はカルロ・パルラーティ作くらいしか思いつかないのではないでしょうか。
作者は不明かつそこまですさまじい彫りというわけでもなくシンプルで、髪の筋彫りなどもほとんどないながら腕がかなりいい事は察することができるという点でも特異的。
さらにいえば同じような作品をこれまでに見たことが無いのも特異的であり、おそらく本作の作者はいつもこのような作品を作っていたわけではないか、あるいはごく短い期間しかこの作風を用いなかったと思われます。
20世紀中期においては非常に珍しい頭部のみを描くという古典的な構図でありながらノト氏の影響も見られ、また後述しますがフレームが当時のノト氏の上位作に付けられたものと同じ作者によるものであることから、ノト氏に近しい作者・あるいは同じ工房(つまりジョヴァンニ・アパ工房であるが)であったことが伺えるのが面白いところ。
とにかくはっきりと説明ができないのですがただ何かすごいといいましょうか…今後の調査如何では大幅に価値を上げる可能性のある作品で、ランクに関しても詳細が分からな過ぎるからアーティスティックなのであり、作者情報が判明すればその時点で資料的価値が付加されカタログに上がるものとなっております。
貝は一般的なコルネリアン。
大きさも色合いもこの時代において普遍的なものです。
状態はよく、コルネリアンに典型的な0時位置から左下に走るヘアラインのほか、裏面の1時半位置に薄ヒビが入るのみで、それ以外は健全な作品です。
フレームは銀製の彫金枠で、品位はおそらく800‰。
素晴らしい手彫りの透かしアラベスクで飾られたフレームで、同時代のノト作のマリア像に多く使われているものと同じ作者の手によるものでしょう。
平坦な面はほとんど存在しないほどに装飾が施されたおおよそ並ではない仕事で、アラベスクを切り出すタガネ仕事や縁に並べられた極小のミルグレイン、フレーム全体の装飾の構図感など、技術のレベルも尋常ではないです。
本作は珍しくバチカンも透かしアラベスクで飾られており、同型の彫金枠作品とくらべても一段上の作品であることが伺えます。
横:約40mm(カメオ30mm)
作者:-(ヴィンテージ)
QR:アーティスティッククオリティ
今回はハイクオリティながら通常のカメオとは毛色がことなる面白い作品が入荷しております。
取り扱う作品に一定のクオリティをもとめる当ギャラリーにおいては、カメオの品質が大幅に低下した1920年代から1980年代までの間の作品は、ほぼジョヴァンニ・ノト作しか取り扱わない状態となっております。
今回は珍しいことに2点の作品が入荷しており、こちらはその中の1点です。
なんとも…まず写真をご覧いただきたい作品です。
古今東西さまざまなカメオを目にしておりますが、本作のほかでこのような奇作怪作といった雰囲気の作品はカルロ・パルラーティ作くらいしか思いつかないのではないでしょうか。
作者は不明かつそこまですさまじい彫りというわけでもなくシンプルで、髪の筋彫りなどもほとんどないながら腕がかなりいい事は察することができるという点でも特異的。
さらにいえば同じような作品をこれまでに見たことが無いのも特異的であり、おそらく本作の作者はいつもこのような作品を作っていたわけではないか、あるいはごく短い期間しかこの作風を用いなかったと思われます。
20世紀中期においては非常に珍しい頭部のみを描くという古典的な構図でありながらノト氏の影響も見られ、また後述しますがフレームが当時のノト氏の上位作に付けられたものと同じ作者によるものであることから、ノト氏に近しい作者・あるいは同じ工房(つまりジョヴァンニ・アパ工房であるが)であったことが伺えるのが面白いところ。
とにかくはっきりと説明ができないのですがただ何かすごいといいましょうか…今後の調査如何では大幅に価値を上げる可能性のある作品で、ランクに関しても詳細が分からな過ぎるからアーティスティックなのであり、作者情報が判明すればその時点で資料的価値が付加されカタログに上がるものとなっております。
貝は一般的なコルネリアン。
大きさも色合いもこの時代において普遍的なものです。
状態はよく、コルネリアンに典型的な0時位置から左下に走るヘアラインのほか、裏面の1時半位置に薄ヒビが入るのみで、それ以外は健全な作品です。
フレームは銀製の彫金枠で、品位はおそらく800‰。
素晴らしい手彫りの透かしアラベスクで飾られたフレームで、同時代のノト作のマリア像に多く使われているものと同じ作者の手によるものでしょう。
平坦な面はほとんど存在しないほどに装飾が施されたおおよそ並ではない仕事で、アラベスクを切り出すタガネ仕事や縁に並べられた極小のミルグレイン、フレーム全体の装飾の構図感など、技術のレベルも尋常ではないです。
本作は珍しくバチカンも透かしアラベスクで飾られており、同型の彫金枠作品とくらべても一段上の作品であることが伺えます。