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アンティーク(推定1900年前後) 絶品ミニカメオブローチ ”メデューサ”

アンティーク(推定1900年前後) 絶品ミニカメオブローチ ”メデューサ”
縦:約29mm
横:約23mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ

何気になかなか見つからない、高品質なミニカメオのブローチの入荷です。

19世紀に人気のあった代表的なモチーフのひとつであるメデューサ。
神話の登場人物のなかでも有名で、蛇の髪を持ち目を見た者を石に変える力を持った怪物でありペルセウスに倒されたという伝承で知られております。
日本人の感覚からするとなぜにそんなに人気があるのかいまいちわからず、また1940年頃カメオの市場の主流がアメリカやオーストラリアに移った頃には既にほとんど描かれることのなくなったモチーフなのですが、イギリスが市場の主流であった19世紀には盛んにカメオが作られました。
カメオとして描かれるメデューサはほとんどが目を閉じ横を向いており、これは当時のイギリス社会を思わせるもので、なかなか興味深いものがあります。
そもそもメデューサを装飾的に取り入れるというのは、古代から男性がペルセウスにあやかって武具に意匠を用いた習慣に端を発しておりました。
また当時ジュエリーとはただの飾りではなく、身に着けることそのものやその意匠・素材に明確な意図を持ったものが多くありましたが、そういった習慣から鑑みれば19世紀のイギリスでメデューサのカメオを用いたのは婦人たちではなく紳士たち、貴族=騎士の名残がいまよりずっと強かった当時、紳士が戦士であった名残として用いたものであると考えられます。(現代の感覚では男性がカメオを帯びることはやや特殊に感じるが、そもそも18世紀及び19世紀の欧州でのカメオの流行は、ナポレオンが好んで装飾に用いたことに始まっていることから明らかなように、決して女性のみに用いられるものではなかった)
一方で、古代の戦士たちの習慣と異なる点もみられ、それがメデューサの向きと目に表れているのです。
古来メデューサが描かれる際、多くは正面を向き目を見開いた状態であったといいます。
しかしこれをそのまま身に付ければ、相手を石にするという意図が含まれ、それはすなわち威嚇であり敵対的な意図を持ちます。
一見大げさなようにも聞こえますが、しかしペルセウスやアイギスの盾にちなみメデューサを装飾として用いるというこの伝統には、根底としてそういう意図があるため、決して拡大解釈なわけではありません。
そしてかつて鎧や盾にメデューサの意匠を用いたときはそれでよかったのでしょうが、比較的平和な時代、装飾品として用いる場合は不適当な要素といっていいでしょう。
まして時は大英帝国、まだまだ貴族が権力を持っていた時代に、そんな正面向きのメデューサを帯びて自分より上の人物と会うことにでもなれば大変です。
そこで当時の紳士たちは、自らの士分を示すシンボルとしてメデューサを帯びながらもその目を閉じ、その顔を横に向けて相手に対する配慮を行っていたのでしょう。
19世紀のイギリスに於いてメデューサが人気であったこと、そして古典芸術において特異的に正面向きの描写が多かったメデューサの視線を敢えて脇に避けたことは、ともにかつてこれらがその意匠に意味のないただの装飾品ではなかったことに理由があったのです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回のカメオはそんな19世紀の名品の現存作となります。
名品のとはいうものの、実のところ19世紀のメデューサのカメオは総じて出来が良く、駄作はほぼ見かけません。
おそらく上述の事情に通じるもので、メデューサのカメオを用いたのがとりわけ身分の高い人物であったことが関係していると思われます。
また19世紀のメデューサのカメオの構図にそれほどバリエーションが無い(フローラやバッカンテは多くの構図が存在するが、メデューサは大半が本作と同じ構図である)のも、当時の名士たちが腕の良い特定の工房に集中的に制作を発注したことを示唆しております。
もちろん本作も縦30mmに満たない大きさとは思えないほどの仕上がりを見せており、コルネリアンの瘤を用いた立体的な美しい造形と繊細かつメリハリのあるディテールは見事の一言です。

貝はコルネリアン、瘤の部分を使用したもので厚みがあります。
瘤材特有の白色層の色斑やヒビのない綺麗な材で色合いも美しく、ヘアラインは裏面3時から6時、8時から9時位置にかけて2筋ありますが、光に透かして見てようやくわかる程度です。
経年のわりに状態は極めてよく、ご覧の通り摩耗も一切ありません。

フレームは14ctゴールド製。
仕立ての良いケース型のフレームで、この時代のものとしては珍しくピン先が出ないようにカバーのついたキャッチがつけられており、ピンもしっかりと留まります。
ペンダント用の金具、丸環も健在で、現代のアクセサリーと遜色なくご使用いただけるでしょう。
¥110,000 SOLD OUT
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