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ジョヴァンニ・トゥルコ作 超大判 ”アルテミスとカリストー”
縦:約102mm
横:約76mm
作者:ジョヴァンニ・トゥルコ
QR:カタログクオリティ
現代における異色の名匠ジョヴァンニ・トゥルコ作のカメオの入荷です。
ジョヴァンニ・トゥルコ氏は現在もっとも精力的な名匠のひとりです。
高校卒業後ナポリの芸術学校進学し彫刻を専攻、その後23歳からシェルカメオを彫り始めてわずか4年でトーレ・デル・グレコの美術展で最優秀賞を受賞したという天才的な経歴を持っております。
カメオ作者である前に彫刻家であったトゥルコ氏の作風は、比較的平面的で色の濃淡を重視する傾向にあるモダンカメオにおいては珍しくなったといえる純粋な彫刻色の強いもので、また派手な構図に走りがちな現在のカメオと違い構図はシンプルでバランスを重視するなど、現代の作者ではカルロ・パルラーティ氏やチーロ・フェラーラ氏といったごく一部の作者に限られる作風を持っている稀有な雰囲気を持っております。
彫刻色の強いトゥルコ氏のカメオは光の当て方で見え方が大きく変わり、正しい角度で光を当てることで素晴らしい臨場感と生命感を伝えてくれるようになります。
今回のお品物はトゥルコ氏の作品の中でも貴重な風景物、しかも10㎝超えとなる超大判作です。
トゥルコ氏の作品は一般的な作者と異なり同じようなモチーフが大量に存在するということが無いのですが、様式には独特なものがあります。
見慣れてくれば装飾様式や顔つき、髪の彫り方、全体の雰囲気などなど、一目見てトゥルコ氏の作品であることが分かるようになって来るかと思います。
しかし今回の作品はトゥルコ氏の作品の中でも非常に特異的なもので、一目でトゥルコ氏の作品であると分かる人はいないのではないでしょうか。
もちろん私も最初見たとき、サインを見るまでトゥルコ氏の作品であることに気づきませんでしたし、Facebookに掲載した際、現地の作家さんもトゥルコ氏の作品だと思わなかったというコメントをいただきました。
本作は狩りをするアルテミスとカリストーをモチーフとしたもので、二人を中心にしてプット、鳩、猟犬が描かれております。
周囲にはスクロールとロープの飾り枠が彫り込まれ、その奥に広がる風景は空気遠近感に富み、幻想的な神話の世界を描き出した本作の雰囲気は、一見トゥルコ氏よりも中堅年齢筆頭のひとりである名匠チーロ・マッツァ氏の作品を彷彿とさせるものがあります。
あまりにも大きな画面のため相対的に貝の厚みはトゥルコ氏の他の作品ほど目立たないものの、近景の猟犬や葡萄の木、それに鳩は立体的に彫り出されて画面内の奥行き関係を示すことに一役かう形を見せ、遠景はトゥルコ氏の作品のもう一つの特徴である貝の微妙な色の濃淡をもちいて前述の通り幻想的な空気遠近を表現しているところはなるほど才能ある熟練の名匠たトゥルコ氏の作品で、同氏のもつ様々な技法が画面いっぱいにみられる素晴らしいアートピースとなっております。
貝はキャラメル色の地に薄い中間層をはさみ、透明感のある白色の層ののったもの。
裏面は貝の自然の荒れがあり、上3分の1程しか綺麗な面がないものの、この綺麗な部分のみ表から見えるように構図が取られており、他の部分は全て山や地面などの下に隠れるため、この点は鑑賞上・実用上ともに気になるものではありません。
ヘアラインは褐色層にごく薄っすらとしたものが散見されるのみでこちらも気にならず、白色層では画面下部、猟犬の位置に3筋程あるようですが、こちらも光を強く当てて精査してようやくわかるものです。
横:約76mm
作者:ジョヴァンニ・トゥルコ
QR:カタログクオリティ
現代における異色の名匠ジョヴァンニ・トゥルコ作のカメオの入荷です。
ジョヴァンニ・トゥルコ氏は現在もっとも精力的な名匠のひとりです。
高校卒業後ナポリの芸術学校進学し彫刻を専攻、その後23歳からシェルカメオを彫り始めてわずか4年でトーレ・デル・グレコの美術展で最優秀賞を受賞したという天才的な経歴を持っております。
カメオ作者である前に彫刻家であったトゥルコ氏の作風は、比較的平面的で色の濃淡を重視する傾向にあるモダンカメオにおいては珍しくなったといえる純粋な彫刻色の強いもので、また派手な構図に走りがちな現在のカメオと違い構図はシンプルでバランスを重視するなど、現代の作者ではカルロ・パルラーティ氏やチーロ・フェラーラ氏といったごく一部の作者に限られる作風を持っている稀有な雰囲気を持っております。
彫刻色の強いトゥルコ氏のカメオは光の当て方で見え方が大きく変わり、正しい角度で光を当てることで素晴らしい臨場感と生命感を伝えてくれるようになります。
今回のお品物はトゥルコ氏の作品の中でも貴重な風景物、しかも10㎝超えとなる超大判作です。
トゥルコ氏の作品は一般的な作者と異なり同じようなモチーフが大量に存在するということが無いのですが、様式には独特なものがあります。
見慣れてくれば装飾様式や顔つき、髪の彫り方、全体の雰囲気などなど、一目見てトゥルコ氏の作品であることが分かるようになって来るかと思います。
しかし今回の作品はトゥルコ氏の作品の中でも非常に特異的なもので、一目でトゥルコ氏の作品であると分かる人はいないのではないでしょうか。
もちろん私も最初見たとき、サインを見るまでトゥルコ氏の作品であることに気づきませんでしたし、Facebookに掲載した際、現地の作家さんもトゥルコ氏の作品だと思わなかったというコメントをいただきました。
本作は狩りをするアルテミスとカリストーをモチーフとしたもので、二人を中心にしてプット、鳩、猟犬が描かれております。
周囲にはスクロールとロープの飾り枠が彫り込まれ、その奥に広がる風景は空気遠近感に富み、幻想的な神話の世界を描き出した本作の雰囲気は、一見トゥルコ氏よりも中堅年齢筆頭のひとりである名匠チーロ・マッツァ氏の作品を彷彿とさせるものがあります。
あまりにも大きな画面のため相対的に貝の厚みはトゥルコ氏の他の作品ほど目立たないものの、近景の猟犬や葡萄の木、それに鳩は立体的に彫り出されて画面内の奥行き関係を示すことに一役かう形を見せ、遠景はトゥルコ氏の作品のもう一つの特徴である貝の微妙な色の濃淡をもちいて前述の通り幻想的な空気遠近を表現しているところはなるほど才能ある熟練の名匠たトゥルコ氏の作品で、同氏のもつ様々な技法が画面いっぱいにみられる素晴らしいアートピースとなっております。
貝はキャラメル色の地に薄い中間層をはさみ、透明感のある白色の層ののったもの。
裏面は貝の自然の荒れがあり、上3分の1程しか綺麗な面がないものの、この綺麗な部分のみ表から見えるように構図が取られており、他の部分は全て山や地面などの下に隠れるため、この点は鑑賞上・実用上ともに気になるものではありません。
ヘアラインは褐色層にごく薄っすらとしたものが散見されるのみでこちらも気にならず、白色層では画面下部、猟犬の位置に3筋程あるようですが、こちらも光を強く当てて精査してようやくわかるものです。