Item
アンティーク(推定19世紀中期) 小型傑作 ”流れ髪”
縦:約35mm
横:約29mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
非常に珍しい描写のバッカンテの名作、19世紀の小型カメオの入荷です。
19世紀後半より現代にいたるまで非常に人気の高いモチーフとして知られるバッカンテ。
その目を引く装飾や美しい造形は職人の腕の見せ所であり、彫るのが難しいモチーフゆえに極端に出来の悪いものも少なく、取り扱うカメオのクオリティに一定の制限を設けている当ギャラリーにおきましても数多く取り扱ってまいりました。
今回のお品物はおそらくサウリーニ工房の作と思われるバッカンテですが、同工房におけるバッカンテの良作とはまた違ったデザインの作品。
綺麗に揃えられた前髪の描写は非常に類例の少ないもので先述の通り過去いくつものバッカス、バッカンテの良作を取り扱ってきた当ギャラリーにおいても1例のみしかなかったものです。
画面外まで流れる緩やかなウェーブのかかった髪も特徴的で、肩にかかるくらいの長さで表現されていることが多いバッカンテにおいて非常に珍しい描写となります。
作者については、サインが無いため断定できないもののサウリーニ本人である可能性もあり、鼻梁がまっすぐに通ったギリシャ的な理想的外見ではなく目間から鼻が立つ写実的な描写はサウリーニ親子の作品の特徴的な要素。
当然彫りは超一流であり、現代のスタンダードサイズの半分程度の面積しか持たない貝ながら、くっきりとした顔立ちや葡萄の粒、葉脈や茎までも完全に描写されており、サイズないし工芸的価値に優れた当時の枠があれば余裕のミュージアムランクとなった逸品です。
またキトンの薄布の描写も並大抵のものでなく、柔らかな髪の質感と相まって女性的な雰囲気を醸し出しており、通常鼻梁の通らない肖像は男性像に多く見られるという先入観を払拭させるものがあります。
なおサウリーニ作においてコマーシャルピースは依頼を受けて肖像画を描きあげ、それを基にカメオに彫り起こしたものが多く、神話をモチーフとしたものは王侯貴族向けの作品であることが多いとされております。
フレームが失われているため宝飾品としてのランクがどのようなものであったのか推し量ることはできませんが、大きさからみて元はブローチではなく連作のカメオが飾られたペンダントやバングルなどであった可能性もあり、往時の姿に思いをはせるのも楽しい古き名品です。
貝は厚みのあるカフェオレ色の地に透明感のある白色のサードニクス。
7時位置と11時位置にヘアラインがあるも、薄い上に縦向き、さらに褐色部にシルク状の光沢が現れる素材のため、自然光下において気になることはまずないでしょう。
表面には欠け、ヒビ、摩耗といった欠点はなく、洗浄はしたものの極めて細かく彫り入れられた溝に経年の汚れがわずかに残るのみで、カメオの品質と状態を最上質に備えた逸品となっております。
大きなもので出来のいいものはそれなりにあるも、小さくて間違いのない絶品は数が少ないので、小さめの良作をお探しの方はぜひ、アクセサリーへの加工も視野に入れてご検討くださいませ。
横:約29mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
非常に珍しい描写のバッカンテの名作、19世紀の小型カメオの入荷です。
19世紀後半より現代にいたるまで非常に人気の高いモチーフとして知られるバッカンテ。
その目を引く装飾や美しい造形は職人の腕の見せ所であり、彫るのが難しいモチーフゆえに極端に出来の悪いものも少なく、取り扱うカメオのクオリティに一定の制限を設けている当ギャラリーにおきましても数多く取り扱ってまいりました。
今回のお品物はおそらくサウリーニ工房の作と思われるバッカンテですが、同工房におけるバッカンテの良作とはまた違ったデザインの作品。
綺麗に揃えられた前髪の描写は非常に類例の少ないもので先述の通り過去いくつものバッカス、バッカンテの良作を取り扱ってきた当ギャラリーにおいても1例のみしかなかったものです。
画面外まで流れる緩やかなウェーブのかかった髪も特徴的で、肩にかかるくらいの長さで表現されていることが多いバッカンテにおいて非常に珍しい描写となります。
作者については、サインが無いため断定できないもののサウリーニ本人である可能性もあり、鼻梁がまっすぐに通ったギリシャ的な理想的外見ではなく目間から鼻が立つ写実的な描写はサウリーニ親子の作品の特徴的な要素。
当然彫りは超一流であり、現代のスタンダードサイズの半分程度の面積しか持たない貝ながら、くっきりとした顔立ちや葡萄の粒、葉脈や茎までも完全に描写されており、サイズないし工芸的価値に優れた当時の枠があれば余裕のミュージアムランクとなった逸品です。
またキトンの薄布の描写も並大抵のものでなく、柔らかな髪の質感と相まって女性的な雰囲気を醸し出しており、通常鼻梁の通らない肖像は男性像に多く見られるという先入観を払拭させるものがあります。
なおサウリーニ作においてコマーシャルピースは依頼を受けて肖像画を描きあげ、それを基にカメオに彫り起こしたものが多く、神話をモチーフとしたものは王侯貴族向けの作品であることが多いとされております。
フレームが失われているため宝飾品としてのランクがどのようなものであったのか推し量ることはできませんが、大きさからみて元はブローチではなく連作のカメオが飾られたペンダントやバングルなどであった可能性もあり、往時の姿に思いをはせるのも楽しい古き名品です。
貝は厚みのあるカフェオレ色の地に透明感のある白色のサードニクス。
7時位置と11時位置にヘアラインがあるも、薄い上に縦向き、さらに褐色部にシルク状の光沢が現れる素材のため、自然光下において気になることはまずないでしょう。
表面には欠け、ヒビ、摩耗といった欠点はなく、洗浄はしたものの極めて細かく彫り入れられた溝に経年の汚れがわずかに残るのみで、カメオの品質と状態を最上質に備えた逸品となっております。
大きなもので出来のいいものはそれなりにあるも、小さくて間違いのない絶品は数が少ないので、小さめの良作をお探しの方はぜひ、アクセサリーへの加工も視野に入れてご検討くださいませ。