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アンティーク(推定19世紀中頃)トルバルセン刻 ”双子とニュクス”
縦:約60mm
横:約47mm
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
アンティークジュエリーの本場イギリスより、現地市場でも滅多にみない大判のカメオの入荷です。
今回のお品物はデンマークの彫刻家ベルテル・トルバルセンのレリーフから、ロムルスとレムスを運ぶニュクスをモチーフとした作品です。
19世紀のカメオでは絵画モチーフを含む風景物は一般的でなく、その一方でトルバルセンのレリーフをモチーフとしたものが好んで作られました。
アントニオ・カノーヴァと共に18世紀から19世紀前半にかけて世界的に名が知られることとなった巨匠の作であり、その表現の美しさや完成度の高さもさることながら、もともとレリーフとカメオはともに浮彫によって表現するもので、モチーフとして取り込みやすかったのでしょう。
今回のモチーフとなる像は対になる昼の女神のものとともに、アンティークにおける人気のモチーフのひとつです。
夜の女神がローマ建国の英雄ロムルスとその弟レムスを運んでいると言われ、イタリアになじみの深いモチーフだけに現在でも見る機会のあるデザインですが、現在はもちろん19世紀の作品でみても、本作より優れた作品となると、サウリーニの作品から探さなければならなくなるでしょう。(というより本作の仕上がりは素晴らしく、そもそも本作がサウリーニ工房の作である可能性が高いです)
少し調べたところ、メトロポリタン美術館にもトルバルセンの同作をモチーフとしたカメオが収蔵されているという情報を見かけましたが、メトロポリタンの作品よりこちらの方が出来が上です。
60mmの大型の画面とはいえその彫刻は細部まで妥協がみえず、ニュクスの長い翼は繊細かつ軽やかで、3人の顔立ちも崩れが無く非常に整った美しい表情をしております。
自分でもこれを書くにあたって過去の取り扱い作品を見返していて気付いたのですが、アンティークカメオの良品でプロフィールでないものは非常に稀少です。
本作は当ギャラリーの取り扱い作品の中でも”ローマの親子”に迫る作品であり、国内はもちろん、世界的に見ても最高品質の作品のひとつでありましょう。
貝は橙の美しいコルネリアン。
殻高30cmのものも散見されるサードニクスにくらべると大きさがはるかに小さく、殻高18cmもあれば超大型といえるコルネリアンにあって60mmの画面はかなり大判であり、コルネリアンの濃い橙色は殻口付近の下部にしか出ないこともあって、色が均一でないのは致し方ないところ。
しかしながら色のグラデーションをよく使っており、この夕闇に向かって羽ばたくような構図はコルネリアンだからこそです。
ヘアラインはコルネリアン特有の橙色の部分に入るもののほか、黄色の部分にも極々薄いものが散見されますが、ともに表からは光に透かして見なければわからないもの。
8時位置にかつてブローチ加工時ないし取り外し時に付いたと思われるヒビ、それと表面背景部に軽いスレがあり、こちらは少し価格に反映しております。
ただ、アンティークでこのクラスの作品となると、もっとバッキリとヒビが入っていたり、割れていたりしても書籍への掲載があるレベルなので、これくらいの傷でなおかつ彫りのディテールが完璧に残っていることを考えれば、十分に良好な状態といえるでしょう。
横:約47mm
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
アンティークジュエリーの本場イギリスより、現地市場でも滅多にみない大判のカメオの入荷です。
今回のお品物はデンマークの彫刻家ベルテル・トルバルセンのレリーフから、ロムルスとレムスを運ぶニュクスをモチーフとした作品です。
19世紀のカメオでは絵画モチーフを含む風景物は一般的でなく、その一方でトルバルセンのレリーフをモチーフとしたものが好んで作られました。
アントニオ・カノーヴァと共に18世紀から19世紀前半にかけて世界的に名が知られることとなった巨匠の作であり、その表現の美しさや完成度の高さもさることながら、もともとレリーフとカメオはともに浮彫によって表現するもので、モチーフとして取り込みやすかったのでしょう。
今回のモチーフとなる像は対になる昼の女神のものとともに、アンティークにおける人気のモチーフのひとつです。
夜の女神がローマ建国の英雄ロムルスとその弟レムスを運んでいると言われ、イタリアになじみの深いモチーフだけに現在でも見る機会のあるデザインですが、現在はもちろん19世紀の作品でみても、本作より優れた作品となると、サウリーニの作品から探さなければならなくなるでしょう。(というより本作の仕上がりは素晴らしく、そもそも本作がサウリーニ工房の作である可能性が高いです)
少し調べたところ、メトロポリタン美術館にもトルバルセンの同作をモチーフとしたカメオが収蔵されているという情報を見かけましたが、メトロポリタンの作品よりこちらの方が出来が上です。
60mmの大型の画面とはいえその彫刻は細部まで妥協がみえず、ニュクスの長い翼は繊細かつ軽やかで、3人の顔立ちも崩れが無く非常に整った美しい表情をしております。
自分でもこれを書くにあたって過去の取り扱い作品を見返していて気付いたのですが、アンティークカメオの良品でプロフィールでないものは非常に稀少です。
本作は当ギャラリーの取り扱い作品の中でも”ローマの親子”に迫る作品であり、国内はもちろん、世界的に見ても最高品質の作品のひとつでありましょう。
貝は橙の美しいコルネリアン。
殻高30cmのものも散見されるサードニクスにくらべると大きさがはるかに小さく、殻高18cmもあれば超大型といえるコルネリアンにあって60mmの画面はかなり大判であり、コルネリアンの濃い橙色は殻口付近の下部にしか出ないこともあって、色が均一でないのは致し方ないところ。
しかしながら色のグラデーションをよく使っており、この夕闇に向かって羽ばたくような構図はコルネリアンだからこそです。
ヘアラインはコルネリアン特有の橙色の部分に入るもののほか、黄色の部分にも極々薄いものが散見されますが、ともに表からは光に透かして見なければわからないもの。
8時位置にかつてブローチ加工時ないし取り外し時に付いたと思われるヒビ、それと表面背景部に軽いスレがあり、こちらは少し価格に反映しております。
ただ、アンティークでこのクラスの作品となると、もっとバッキリとヒビが入っていたり、割れていたりしても書籍への掲載があるレベルなので、これくらいの傷でなおかつ彫りのディテールが完璧に残っていることを考えれば、十分に良好な状態といえるでしょう。