Item
アンティーク(推定19世紀中頃)金細工枠入り良作 ”フローラの胸像”
縦:約44mm(カメオ35mm)
横:約37mm(カメオ29mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
19世紀の人気モチーフ、フローラ像の良作カメオ。当時者の金細工フレーム入りの作品の入荷です。
古典的なカメオにおいてバッカンテと共に人気の高いモチーフである春と花の女神フローラ。
現代においてももちろん人気のあるモチーフですが、19世紀に比べて彫刻色の少なくなった現代だと描かれることが少なくなってきており、良いものを探そうとすると自然とアンティークの作品を求めることになることが多くなるカメオです。
今回はそんなフローラを、貝の瘤部分を使って高彫りで描いた作品です。
あまり広い面積を取れない瘤の部位ゆえに大きさこそ小ぶりながら、その厚みのある母材を十分に活かして表現された花々。
大輪の薔薇のみならず、良質のフローラ像に特徴的なさまざまな種類の花を飾った髪もなめらかかつ精緻な深彫りで表現され、作者の技量の高さを十分に物語っております。
全体的に非常に立体的な印象があり、カメオ…すなわち浮彫であるにもかかわらず大理石の胸像のような雰囲気があり、彫刻色の強いアンティークのなかでも特にその性質を強めた逸品で、現存しているフレームも併せて、アンティークカメオジュエリーの魅力が詰まった作品といえましょう。
貝はサードニクスの中でも滅多に見ることのない濃いコーヒー色とくっきりとした白色の最高品質のもの。
中間層がほとんどなく、ここまでバキッと色の別れたハイコントラストの個体は、とりわけサードニクスシェルが多用される現在においても珍しいです。
背景の褐色部にヘアラインが散見されるも、貝の色合いや裏からの光を通しにくいフレームの構造もあり、普通に鑑賞している分には全く目立たないものです。
むしろ瘤部分は白色部にヒビや色交じりが多いですが、その点本作はそういった欠点を一切もっておらず、また摩耗や欠けも無く良い状態を保っております。
フレームは19世紀当時の14ct金細工フレーム。
当時物を数多く見ている私からしても珍しいデザインです。
推定は19世紀中期としていますが、その中でも比較的古く19世紀前半の作品かもしれません。
もともとエトルスカンやカンティーユにくらべて欠損しにくい作りのように見えますが、周囲のドロップなども完全に残っており、アンティークジュエリーの中でもとりわけ状態のいいものと思います。
裏面の造りも丁寧で、ピン元は金の板を二重に貼って強度を上げ(この頃のピンの構造上、ここはピンの根本で金板を破りやすい)た作りになっております。
裏面は摩耗や着用の圧力により金板の破れがあるものの、大きな破損や歪みもなく、制作から軽く150年以上は経過したものとしては、表面同様に良好な状態といっていいでしょう。
キャッチは当時特有のC型クラスプで、こちらは実用を考える場合すこし調整したほうがよさそうです。
また、カメオを留めている覆輪の構造が2ピース型ではなく1枚の金板で作られていて、かつ後年のもののように松脂で固定なども行われていないので少しカメオにカタ付きがありますが、外れる心配などはなさそうです。
横:約37mm(カメオ29mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
19世紀の人気モチーフ、フローラ像の良作カメオ。当時者の金細工フレーム入りの作品の入荷です。
古典的なカメオにおいてバッカンテと共に人気の高いモチーフである春と花の女神フローラ。
現代においてももちろん人気のあるモチーフですが、19世紀に比べて彫刻色の少なくなった現代だと描かれることが少なくなってきており、良いものを探そうとすると自然とアンティークの作品を求めることになることが多くなるカメオです。
今回はそんなフローラを、貝の瘤部分を使って高彫りで描いた作品です。
あまり広い面積を取れない瘤の部位ゆえに大きさこそ小ぶりながら、その厚みのある母材を十分に活かして表現された花々。
大輪の薔薇のみならず、良質のフローラ像に特徴的なさまざまな種類の花を飾った髪もなめらかかつ精緻な深彫りで表現され、作者の技量の高さを十分に物語っております。
全体的に非常に立体的な印象があり、カメオ…すなわち浮彫であるにもかかわらず大理石の胸像のような雰囲気があり、彫刻色の強いアンティークのなかでも特にその性質を強めた逸品で、現存しているフレームも併せて、アンティークカメオジュエリーの魅力が詰まった作品といえましょう。
貝はサードニクスの中でも滅多に見ることのない濃いコーヒー色とくっきりとした白色の最高品質のもの。
中間層がほとんどなく、ここまでバキッと色の別れたハイコントラストの個体は、とりわけサードニクスシェルが多用される現在においても珍しいです。
背景の褐色部にヘアラインが散見されるも、貝の色合いや裏からの光を通しにくいフレームの構造もあり、普通に鑑賞している分には全く目立たないものです。
むしろ瘤部分は白色部にヒビや色交じりが多いですが、その点本作はそういった欠点を一切もっておらず、また摩耗や欠けも無く良い状態を保っております。
フレームは19世紀当時の14ct金細工フレーム。
当時物を数多く見ている私からしても珍しいデザインです。
推定は19世紀中期としていますが、その中でも比較的古く19世紀前半の作品かもしれません。
もともとエトルスカンやカンティーユにくらべて欠損しにくい作りのように見えますが、周囲のドロップなども完全に残っており、アンティークジュエリーの中でもとりわけ状態のいいものと思います。
裏面の造りも丁寧で、ピン元は金の板を二重に貼って強度を上げ(この頃のピンの構造上、ここはピンの根本で金板を破りやすい)た作りになっております。
裏面は摩耗や着用の圧力により金板の破れがあるものの、大きな破損や歪みもなく、制作から軽く150年以上は経過したものとしては、表面同様に良好な状態といっていいでしょう。
キャッチは当時特有のC型クラスプで、こちらは実用を考える場合すこし調整したほうがよさそうです。
また、カメオを留めている覆輪の構造が2ピース型ではなく1枚の金板で作られていて、かつ後年のもののように松脂で固定なども行われていないので少しカメオにカタ付きがありますが、外れる心配などはなさそうです。