Item
アンティーク(推定19世紀末頃)エトルスカン金細工枠 ”クイーン・オブ・スコッツ”
縦:約47mm(カメオ35mm)
横:約39mm(カメオ27mm)
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
19世紀における実在人物のカメオとして人気のひとつ、メアリー・スチュアート像のカメオの入荷です。
16世紀中期に実在した女王、メアリー・スチュアート。
その姓が示すとおり14世紀から300年ほどの間続いたスコットランドの王朝、スチュアート朝に列せられる女王のひとりです。
王朝としてのスチュアート朝は18世紀初頭で断絶しましたが、彼女の血脈はその後も続き、現在に至るまで歴代のイギリス王はみなメアリーの直系子孫と言われています。
現代に比べてより王室への畏敬の念が強かった19世紀、時の女王ヴィクトリアの直系の先祖であり”クイーン・オブ・スコッツ”として親しまれていたメアリー女王はカメオの題材として好まれ、とりわけ豪華な金細工によって飾られたメモリアルブローチに多く見られるモチーフとなっております。
今回のお品物もまさにそうした中のひとつで、14ctないし15ctの金によって作られたエトルスカン装飾の美しいフレームに収められているのが典型的な逸品。
小ぶりながらに精密に描かれた美しい横顔に、頭巾と襞襟、それにドレスの刺繍、真珠のロザリオ、どれをとっても一流の彫刻家の作であることに疑いのない仕上がりです。
流れの整ったウェーブの髪は紛れもなく非凡であり、小鼻や唇もくっきりとしていて肉感的。
頭巾や襞襟は貝の厚みをよく生かして物理的な立体を効果的に使っており、同様のクイーン・オブ・スコッツをモチーフとしたカメオの中でもとりわけ腕の良さが目立ちます。
彫りは文句のつけようもなく上質、また後述の通り状態も非常に良く、カメオとしてのみならずヴィクトリアンジュエリーのコレクションとしても高い価値を持っております。
貝はコーヒー色の地にくっきりとした白色の乗ったサードニクス。
表面に多少スレがあるものの、割れやヘアラインは無く、また白色部の摩耗もないと年代を考えると非常に良好な状態です。
フレームは14ctないし15ctのエトルスカン装飾フレーム。
19世紀のメモリアルブローチによく用いられたものですが、本作はそれらの現存物の中でも極めて珍しく金線やドロップの欠損が一切なく完全に残っております。
多くのエトルスカン装飾と同じように極小のパーツを多用して描き出された幾何学模様が美しく、周囲にめぐらされたモールも幅のある金板をねじってつくっているなど、非常に手の込んだ金細工です。
裏側にはガラスも残っており、ガラスを裏から留める爪4つのうち2つが欠損しているのでガラスにはカタつきがあります。
それから、カメオを留める覆輪に隙間がありますが、カメオはしっかりとはまっているようで不安定さは感じられません。
横:約39mm(カメオ27mm)
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
19世紀における実在人物のカメオとして人気のひとつ、メアリー・スチュアート像のカメオの入荷です。
16世紀中期に実在した女王、メアリー・スチュアート。
その姓が示すとおり14世紀から300年ほどの間続いたスコットランドの王朝、スチュアート朝に列せられる女王のひとりです。
王朝としてのスチュアート朝は18世紀初頭で断絶しましたが、彼女の血脈はその後も続き、現在に至るまで歴代のイギリス王はみなメアリーの直系子孫と言われています。
現代に比べてより王室への畏敬の念が強かった19世紀、時の女王ヴィクトリアの直系の先祖であり”クイーン・オブ・スコッツ”として親しまれていたメアリー女王はカメオの題材として好まれ、とりわけ豪華な金細工によって飾られたメモリアルブローチに多く見られるモチーフとなっております。
今回のお品物もまさにそうした中のひとつで、14ctないし15ctの金によって作られたエトルスカン装飾の美しいフレームに収められているのが典型的な逸品。
小ぶりながらに精密に描かれた美しい横顔に、頭巾と襞襟、それにドレスの刺繍、真珠のロザリオ、どれをとっても一流の彫刻家の作であることに疑いのない仕上がりです。
流れの整ったウェーブの髪は紛れもなく非凡であり、小鼻や唇もくっきりとしていて肉感的。
頭巾や襞襟は貝の厚みをよく生かして物理的な立体を効果的に使っており、同様のクイーン・オブ・スコッツをモチーフとしたカメオの中でもとりわけ腕の良さが目立ちます。
彫りは文句のつけようもなく上質、また後述の通り状態も非常に良く、カメオとしてのみならずヴィクトリアンジュエリーのコレクションとしても高い価値を持っております。
貝はコーヒー色の地にくっきりとした白色の乗ったサードニクス。
表面に多少スレがあるものの、割れやヘアラインは無く、また白色部の摩耗もないと年代を考えると非常に良好な状態です。
フレームは14ctないし15ctのエトルスカン装飾フレーム。
19世紀のメモリアルブローチによく用いられたものですが、本作はそれらの現存物の中でも極めて珍しく金線やドロップの欠損が一切なく完全に残っております。
多くのエトルスカン装飾と同じように極小のパーツを多用して描き出された幾何学模様が美しく、周囲にめぐらされたモールも幅のある金板をねじってつくっているなど、非常に手の込んだ金細工です。
裏側にはガラスも残っており、ガラスを裏から留める爪4つのうち2つが欠損しているのでガラスにはカタつきがあります。
それから、カメオを留める覆輪に隙間がありますが、カメオはしっかりとはまっているようで不安定さは感じられません。