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パスクアーレ・エスポジート作 ”母子たちの歓談”
縦:約48mm(カメオ45mm)
横:約48mm(カメオ45mm)
作者:パスクアーレ・エスポジート
QR:アーティスティッククオリティ
古典的な作風を得意とする名匠、パスクアーレ・エスポジート氏のカメオの入荷です。
カメオ作者としてよく知られるエスポジート姓のひとり、パスクアーレ・エスポジート。
私の知る限り5人いるエスポジートの中でも唯一絵画風や風景物、それに正面顔のカメオを得意とし、逆にプロフィール物などは見かけない作者です。
この5人の中では評価的にはチーロ・エスポジート氏に次いで高い評価を得ており、イタリアカメオ協会の会長として多忙なためか作品の少ないチーロ氏よりも作品数は多く、比較的安価な小さい作品は正面顔、スタンダードサイズ以上は風景物で活躍しております。
こうした作風の作者でもパスクアーレ・オッタヴィアーノ氏やフェルディナンド・セルペ氏のように、絵画をモチーフとしてカメオのデザインを組む作者と、アメンドーラ一族のようにオリジナルでデザインを組む作者とがおりますが、パスクアーレ・エスポジート氏は後者にあたります。
アンティーク風の作りがあるという評価も聞きますが、名画のカメオ化は20世紀中盤から見られるものでアンティークには滅多に見られないため、オリジナルの構図で古代ギリシャや古代ローマ、またキリスト教的な構図を描くその傾向がアンティークに近い雰囲気をもたせるのでしょう。
今回の作品もオリジナルの構図で、2組の親子を描いたものです。
服装や構図はどことなくキリスト教的な雰囲気があり、近い構図の絵画に”聖母子と幼ヨハネ”があります。
この絵画は”小椅子の聖母”と共に19世紀からカメオの題材として使われることがあった人気のあるモチーフです。
ただ、そちらの絵画では母として描かれるのはマリアのみで、本作のように2組の親子として描かれているものは無いので、本作はそうしたモチーフの作品にインスピレーションを得たオリジナルの作品であると思われます。
比較的近年の作品であり精緻な彫りが美しく、布の表現はどことなくミケランジェロを思わせるものがあります。
アンティークのカメオの構図と比べると背景に風景があるという点で区別できるものの、全体的な雰囲気は確かに古風な感じが漂う一品です。
貝はカフェオレ色の地と透明感のある白色のサードニクス。
色の濃淡の出もよく、風景カメオの素材としては非常に良いものと思います。
ヘアラインはやや多めで画面上半分に散在し、右の母子のそれぞれの頭をつなぐように走るヘアラインがわずかに目立ちますが、それ以外は光に透かさなければわからないものです。
フレームはK18。
ブリッジは厚い金板を渡し、9つもの爪で丁寧にカメオを留めてある、とても造りのいいフレームです。
刻印を見た感じでは国産のようですが、一般的な鉄砲金具とは少し雰囲気がことなり、フランスのアンティークのフレームで見られる様式を彷彿とさせるものです。
横:約48mm(カメオ45mm)
作者:パスクアーレ・エスポジート
QR:アーティスティッククオリティ
古典的な作風を得意とする名匠、パスクアーレ・エスポジート氏のカメオの入荷です。
カメオ作者としてよく知られるエスポジート姓のひとり、パスクアーレ・エスポジート。
私の知る限り5人いるエスポジートの中でも唯一絵画風や風景物、それに正面顔のカメオを得意とし、逆にプロフィール物などは見かけない作者です。
この5人の中では評価的にはチーロ・エスポジート氏に次いで高い評価を得ており、イタリアカメオ協会の会長として多忙なためか作品の少ないチーロ氏よりも作品数は多く、比較的安価な小さい作品は正面顔、スタンダードサイズ以上は風景物で活躍しております。
こうした作風の作者でもパスクアーレ・オッタヴィアーノ氏やフェルディナンド・セルペ氏のように、絵画をモチーフとしてカメオのデザインを組む作者と、アメンドーラ一族のようにオリジナルでデザインを組む作者とがおりますが、パスクアーレ・エスポジート氏は後者にあたります。
アンティーク風の作りがあるという評価も聞きますが、名画のカメオ化は20世紀中盤から見られるものでアンティークには滅多に見られないため、オリジナルの構図で古代ギリシャや古代ローマ、またキリスト教的な構図を描くその傾向がアンティークに近い雰囲気をもたせるのでしょう。
今回の作品もオリジナルの構図で、2組の親子を描いたものです。
服装や構図はどことなくキリスト教的な雰囲気があり、近い構図の絵画に”聖母子と幼ヨハネ”があります。
この絵画は”小椅子の聖母”と共に19世紀からカメオの題材として使われることがあった人気のあるモチーフです。
ただ、そちらの絵画では母として描かれるのはマリアのみで、本作のように2組の親子として描かれているものは無いので、本作はそうしたモチーフの作品にインスピレーションを得たオリジナルの作品であると思われます。
比較的近年の作品であり精緻な彫りが美しく、布の表現はどことなくミケランジェロを思わせるものがあります。
アンティークのカメオの構図と比べると背景に風景があるという点で区別できるものの、全体的な雰囲気は確かに古風な感じが漂う一品です。
貝はカフェオレ色の地と透明感のある白色のサードニクス。
色の濃淡の出もよく、風景カメオの素材としては非常に良いものと思います。
ヘアラインはやや多めで画面上半分に散在し、右の母子のそれぞれの頭をつなぐように走るヘアラインがわずかに目立ちますが、それ以外は光に透かさなければわからないものです。
フレームはK18。
ブリッジは厚い金板を渡し、9つもの爪で丁寧にカメオを留めてある、とても造りのいいフレームです。
刻印を見た感じでは国産のようですが、一般的な鉄砲金具とは少し雰囲気がことなり、フランスのアンティークのフレームで見られる様式を彷彿とさせるものです。