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アンティーク(推定19世紀中頃)金細工枠入り名品”バッカンテ”

アンティーク(推定19世紀中頃)金細工枠入り名品”バッカンテ”
縦:約44mm(カメオ32mm)
横:約38mm(カメオ25mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ

今回はアメリカ発の小粒ながらに大変出来のよいバッカンテのカメオの入荷です。

19世紀後半より現代にいたるまで非常に人気の高いモチーフとして知られるバッカンテ。
その目を引く装飾や美しい造形は職人の腕の見せ所であり、彫るのが難しいモチーフゆえに極端に出来の悪いものも少なく、取り扱うカメオのクオリティに一定の制限を設けている当ギャラリーにおきましても数多く取り扱ってまいりました。
今回はカメオそのものは小型ながらに大変彫りのレベルが高いもので、顔立ちは端正に整い美しく、褐色部との境界が極めて精巧にコントラストと影を出すように彫り切られており、造形の美しさをさらに引き立てております。
この点はさりげなくも特筆すべき作者の技量の秀逸さを物語る部分であり、小さな画面に最大限の大きさで人物を描いた結果背景部の面積が非常に少なくなっているところ、この緻密な彫り分けにより人物と背景とを強いコントラストで分けて背景の存在を強く意識させ、全体的なシルエットの美しさを高いレベルで描き出すものです。
そしてバッカンテの品質を左右する葡萄の装飾も特徴的で、葉や実が小型化されたタイプが採用されております。
一般的にイメージする葡萄のシルエットとは若干異なる雰囲気を持ったこの葡萄は、古代ローマの遺物にもみられる古典的なバッカスのシンボルとなるもので、アンティークカメオではしばしば見られたタイプであったものですが、現在のバッカンテでは見られることが無くなったものであり、そういう意味でも古典的な雰囲気を感じさせます。
もっとも、小型化されているとはいえ葉にはうねり、自然物らしい不規則な凹凸のある枝、一粒一粒丁寧に描写された葡萄の実…どれをとってもバッカンテのカメオの平均を大きく上回る仕上がりで、デフォルメされているからといって単純な描写となってはいないところは注目すべき点です。
そのほか髪の毛や服のしわもそれぞれに厚みを十分に持たせた緻密な彫りで、画面の構図バランスも均整がとれていて美しく、長径1.5インチにも満たない小さな画面のなかに余すことなく名工の技が詰め込まれたまさに逸品となっております。

貝はキャラメル色の地にしっかりした白色のサードニクス。
背面の色はさほど濃い部類ではないのですが、像の彫りが素晴らしく、実際の色合い以上にコントラストの強さを印象付けております。
状態は素晴らしく、裏面にかつての所有者(もしくは作者)の手によるサインのようなものがあるくらいで、見た感じではヘアラインも見当たらない完品です。
それから、画面3時位置にフレームとカメオの間にごくわずかに隙間があり、裏面を見ると欠けたようにも見えるのですが、これはもともと母材の形が若干いびつであったものの、フレームの全体的な形状の均整のために敢えて隙間を残して作ったものと思われます。
また、フレームとカメオの間にちいさなカタつきがあるのですが、表は覆輪、裏は広範囲のロウ付けで固定されており、カメオが外れる心配はまずありません。

フレームは19世紀のハイクオリティジュエリーによく用いられた15ctゴールド。
装飾も、現代の職人の水準をはるかに上回る金細工師達が腕を振るったアンティークの中でもかなりハイレベルな部類に入るもので、当時の最高水準の金細工師の丁寧な仕事が存分に楽しめる工芸品的価値の高いもの。
連続した金線によって描かれた幾何学的な模様が美しいのももちろんですが、金属細工師としての目線から言えば、その下が細かな梨地になっているのが最も驚くべき点でしょうか。
金線細工の装飾は海外市場ではたまに見かけるものでそれほど珍しいものではないのですが、ここまで手の込んだものは見かけません。
この梨地は裏側をみれば打ち出し跡がはっきり残っているのが分かる通り、金線をロウ付けして模様を作った後にすべて手作業でタガネを用いて無数の点を打ち付けて作るもので、その膨大な作業量の中で少しでも力を入れすぎれば下地の金板がやぶれてすべてが台無しになるという恐ろしく手のかかる仕事です。
それでもここを梨地にしたというのは、これをやるのとしないのとでは金の肌の色が全く異なり、梨地であることで凸凹の肌に光が乱反射して美しく輝くようになるためで、本作を手掛けた金細工師のこだわりとセンス、そしてそれを実現する極めて高い技量とを強く物語っております。

装飾の状態は全体的にいえば非常に良いのですが、残念ながら外周11時半位置のボールの欠損が目立ちます。
それからこちらはほとんど目立たないのですが3時位置のフレームに割れがあります(写真2枚目をよくご覧になっていただくととかろうじて分かるかと思います)。
強度面に関してはブローチ金具の付け替えの際に裏側からロウ付けして補修してある(表にロウ材が流れると梨地を埋めてしまい、亀裂以上に外観を損ねるため慎重に裏から補修している)ので割れる前と比べても弱くなっているとということはありませんのでご安心ください。
また、外周のボールは中が空洞のボールチェーン状のものをロウ付けしたもののようで、目立ちはしないものの良くよく観察すれば他の部分も割れたりつぶれたりしたものもあります。
それからブローチ金具はおそらく1970年頃に風車金具へ取り換え、またピンもステンレスのものに付け替えられております。

カメオのランクでは小粒であることとアンティークカメオの最高レベルの高さを踏まえてアーティスティックとしておりますが、それでもフレームの価値を勘案すれば現状でも十分にアーティステック+、仮にフレーム上部の傷みがなかったなら楽にカタログをつけるだけの価値があるものです。
また、カメオも相当に高名な彫刻師の作品であると思われます。
¥185,000
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