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アンティーク(推定19世紀前半以前) コルネリアン三層 ”ルネサンスの紳士”
縦:約53mm(カメオ46mm)
横:約44mm(カメオ38mm)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
アンティークジュエリーの本場イギリスより、コルネリアン三層彫りカメオが入荷いたしました。
日本のカメオの歴史は浅く、1980年代ごろからの流通となっており、それより古いものはあまり見かける機会がありません。
たまに見かけるものも質がいいとは言えないものが大半を占め、アンティークカメオが豊富に残る海外市場においてでもただ古いだけ、またフレームがそれなりの出来でもカメオそのものが二流三流というものが多く、カメオそのものが素晴らしいものはやはり高値で取引されております。
ノト作のアートピースに続き2020年最初のアンティークカメオの展示となるのは、コレクターに非常に人気が高いコルネリアンの三層彫りのカメオです。
アンティークの取り扱いの多い当ギャラリーでもわずか2例目、昨年春に展示しました”酒神の巫女”につづく正真正銘の三層彫りとなる本作。
服装の感じからすると16世紀頃の紳士像であり、この特徴を持った像は、アンティークジュエリーで時折見かけるダ・ヴィンチ、ダンテ、シェイクスピアといったルネサンスの著名人を象ったラーヴァカメオを連ねたブレスレットでも見ることがありますので、この時代の実在の著名人であろうと思われます。
ベージュがかった橙色(写真は黄色味が強く映っております)は髪と上着に綺麗に乗っており、真っ白な顔とのコントラストが非常に見事な仕上がり。
もちろん彫りも素晴らしく、幾重にも重なったウェーブの髪の表現やアンティークらしい写実性に富んだ顔つきなど、色合いだけでなく見どころの多い逸品です。
貝はコルネリアンシェルの殻口外からのみ取れる最も厚みのある部位。
像の左右にそれぞれ縦に走るヘアラインがあり、一部うっすらと目視できるものですが、制作からおよそ200年という経年と後述するとおり千枚にひとつもない稀少さとを考えれば、まだまだコレクションとして通用する状態と思います。
また、表面は極々わずかにナレがあるくらいで、像のディテールは完全に残っている点も評価が高いところです。
フレームは銀製で、様式を見る感じでは1900年頃にリメイクしたもののようです。
カメオの制作当時のオリジナルではないとはいえフレームそのものもアンティークであり、銀細工師である私の目からみても高い技術で作られたものであることがわかります。
一応正確な品位は不明ながら、ホールマークがないことから925‰ではなさそうで、アンティークのシルバージュエリーには800‰が多くみられることと、触ってみたところ銀にしてはかなり硬いので、おそらくそのあたりの品位ではないかと思います。
また、枠は空洞になっていて、その点を見ても強度の高い銀を使っていることが伺えます。
なお周囲にはところどころ小さなアタリはあるものの、大きくつぶれている個所はなく、フレームの状態も良好です。
アンティークでこのような殻口の最も厚い部位を用いた三層彫りは極めて貴重で、去年見たカメオはアンティークカメオだけでも1万枚を優に超えたと思いますが、その中でわずか6枚しかありませんでした。
(なお、彫りのレベルが十分に高く、貝の状態も良かったのは4点のみ)
内訳はアテナ像1、バッカンテ3(1つは酒神の巫女)、動物2で、男性像は去年ひとつも出なかった作品です。
2020年に入ったばかりですが、次の入荷は来年以降ということも十分に考えられる一品ですので、コレクションにお求めの方はぜひご検討くださいませ。
横:約44mm(カメオ38mm)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
アンティークジュエリーの本場イギリスより、コルネリアン三層彫りカメオが入荷いたしました。
日本のカメオの歴史は浅く、1980年代ごろからの流通となっており、それより古いものはあまり見かける機会がありません。
たまに見かけるものも質がいいとは言えないものが大半を占め、アンティークカメオが豊富に残る海外市場においてでもただ古いだけ、またフレームがそれなりの出来でもカメオそのものが二流三流というものが多く、カメオそのものが素晴らしいものはやはり高値で取引されております。
ノト作のアートピースに続き2020年最初のアンティークカメオの展示となるのは、コレクターに非常に人気が高いコルネリアンの三層彫りのカメオです。
アンティークの取り扱いの多い当ギャラリーでもわずか2例目、昨年春に展示しました”酒神の巫女”につづく正真正銘の三層彫りとなる本作。
服装の感じからすると16世紀頃の紳士像であり、この特徴を持った像は、アンティークジュエリーで時折見かけるダ・ヴィンチ、ダンテ、シェイクスピアといったルネサンスの著名人を象ったラーヴァカメオを連ねたブレスレットでも見ることがありますので、この時代の実在の著名人であろうと思われます。
ベージュがかった橙色(写真は黄色味が強く映っております)は髪と上着に綺麗に乗っており、真っ白な顔とのコントラストが非常に見事な仕上がり。
もちろん彫りも素晴らしく、幾重にも重なったウェーブの髪の表現やアンティークらしい写実性に富んだ顔つきなど、色合いだけでなく見どころの多い逸品です。
貝はコルネリアンシェルの殻口外からのみ取れる最も厚みのある部位。
像の左右にそれぞれ縦に走るヘアラインがあり、一部うっすらと目視できるものですが、制作からおよそ200年という経年と後述するとおり千枚にひとつもない稀少さとを考えれば、まだまだコレクションとして通用する状態と思います。
また、表面は極々わずかにナレがあるくらいで、像のディテールは完全に残っている点も評価が高いところです。
フレームは銀製で、様式を見る感じでは1900年頃にリメイクしたもののようです。
カメオの制作当時のオリジナルではないとはいえフレームそのものもアンティークであり、銀細工師である私の目からみても高い技術で作られたものであることがわかります。
一応正確な品位は不明ながら、ホールマークがないことから925‰ではなさそうで、アンティークのシルバージュエリーには800‰が多くみられることと、触ってみたところ銀にしてはかなり硬いので、おそらくそのあたりの品位ではないかと思います。
また、枠は空洞になっていて、その点を見ても強度の高い銀を使っていることが伺えます。
なお周囲にはところどころ小さなアタリはあるものの、大きくつぶれている個所はなく、フレームの状態も良好です。
アンティークでこのような殻口の最も厚い部位を用いた三層彫りは極めて貴重で、去年見たカメオはアンティークカメオだけでも1万枚を優に超えたと思いますが、その中でわずか6枚しかありませんでした。
(なお、彫りのレベルが十分に高く、貝の状態も良かったのは4点のみ)
内訳はアテナ像1、バッカンテ3(1つは酒神の巫女)、動物2で、男性像は去年ひとつも出なかった作品です。
2020年に入ったばかりですが、次の入荷は来年以降ということも十分に考えられる一品ですので、コレクションにお求めの方はぜひご検討くださいませ。