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ジョヴァンニ・ノト作 ブーシェ絵画カメオ ”ミンストレルの思慕”
縦:約51mm(カメオ48mm)
横:約51mm(カメオ48mm)
作者:ジョヴァンニ・ノト
QR:ミュージアムクオリティ
作者についてのご紹介は、当ギャラリーのメニューよりBLOGをご覧いただき、記事の"作家01.ジョヴァンニ・ノト"をご覧ください。
本作は2020年最初の1枚。
当ギャラリーが最もコレクションに力を入れているジョヴァンニ・ノト作のアートピースで今年の出発をいたします。
ノト氏の活躍し始めた当時、ようやく再評価が進んできたロココ絵画の巨匠、フランソワ・ブーシェ。
ノト氏はブーシェの作品を好んで多くカメオ化し、現在もカメオの題材に選ばれるのはウィリアム・ブグローとブーシェが多いように、後のカメオ界に大きな影響を残しました。
今回のお品物もブーシェの絵画のひとつを取り上げたと思われる作品です。
モチーフは貴族の姉妹と思われる少女たちと、その遊戯の時間に華を添える役目を受けたミンストレル(宮廷詩人)。
姉妹たちの服装は高貴な身分を示す華やかな服装である一方、男性は平民的な身なりをしており、ここに身分の差が見えます。
そして少女たちは互いに目を合わせて詩人に視線を投げかけておらず、少女たちにとって詩人はあくまで裏方の存在であり、その存在をさして気にしていないようです。
一方で詩人は少女に大きく身を寄せて関心を示しており、その立場の違い故に決して成就することのない詩人の恋を描いた作品であると解釈されます。
その彫りは素晴らしく、さすが20世紀最高の技術とセンスを持ち合わせたジョヴァンニ・ノト氏の真作であり、直径50mmに満たない画面に余すところなくその技術を注ぎ込まれたまさに逸品というべき1枚。
5mmもない人物の顔にもしっかり表情が入れられ、小公女のレースの襟や柔らかな布の質感、そして遠景の空気にかすむ木々の様子(色の濃淡のつけ方もさることながら、幹の幅はそれぞれ0.3mmという細かさ)まで、一切の不足のない完璧な彫刻と絵画的にも狂いの無い構図は、彫刻と絵画の融合であるモダンカメオの始祖にして頂点たるノト氏の神髄であり、ノト氏の時代から現代にいたるまで、いかに当世天才的と呼ばれる名匠であろうと誰一人として到達できていない領域でもあります。
(なお、8枚目はレンズから2㎝程の距離で撮影した写真で、ちょうど一円玉1枚が画面いっぱいに入る程度の拡大率での写真です)
今回の画像はいつもの720×720の4倍になる1440×1440で編集しておりますので、この100年誰にも後れを取ることのない20世紀最高のカメオ彫刻師の作をぜひお楽しみください。
貝は濃いコーヒー色に綺麗な白色ののった最上質のサードニクスで、ヘアライン、割れ、チップ、すべて無し。
非常に貴重なノト氏の完品の真作となります。
フレームは14ctゴールドの覆輪枠。
ペンダント金具が破損した後Dカン金具を取り付けたようで、この際一度枠からカメオが取り外されております。
その後再装着したために縁には見た目歪みが残っておりますが、がたつきなどは無くしっかりと元に戻されております。
2019年は海外市場に紛れている未鑑定のノト作を積極的に買い付けてまわったために数が多く集まってきましたが(それでもアメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリアといった国から1年かけて10点そこそこしか手に入らなかったのですが)これであらかた探しつくし、今後はノト作の入荷の機会も少なくなってまいります。
中でも風景ものは去年2点(ただしこれらは同じ古物商から一度に仕入れたもので機会的には1度)しか見つけられず、次はいつになるかわからない作品です。
横:約51mm(カメオ48mm)
作者:ジョヴァンニ・ノト
QR:ミュージアムクオリティ
作者についてのご紹介は、当ギャラリーのメニューよりBLOGをご覧いただき、記事の"作家01.ジョヴァンニ・ノト"をご覧ください。
本作は2020年最初の1枚。
当ギャラリーが最もコレクションに力を入れているジョヴァンニ・ノト作のアートピースで今年の出発をいたします。
ノト氏の活躍し始めた当時、ようやく再評価が進んできたロココ絵画の巨匠、フランソワ・ブーシェ。
ノト氏はブーシェの作品を好んで多くカメオ化し、現在もカメオの題材に選ばれるのはウィリアム・ブグローとブーシェが多いように、後のカメオ界に大きな影響を残しました。
今回のお品物もブーシェの絵画のひとつを取り上げたと思われる作品です。
モチーフは貴族の姉妹と思われる少女たちと、その遊戯の時間に華を添える役目を受けたミンストレル(宮廷詩人)。
姉妹たちの服装は高貴な身分を示す華やかな服装である一方、男性は平民的な身なりをしており、ここに身分の差が見えます。
そして少女たちは互いに目を合わせて詩人に視線を投げかけておらず、少女たちにとって詩人はあくまで裏方の存在であり、その存在をさして気にしていないようです。
一方で詩人は少女に大きく身を寄せて関心を示しており、その立場の違い故に決して成就することのない詩人の恋を描いた作品であると解釈されます。
その彫りは素晴らしく、さすが20世紀最高の技術とセンスを持ち合わせたジョヴァンニ・ノト氏の真作であり、直径50mmに満たない画面に余すところなくその技術を注ぎ込まれたまさに逸品というべき1枚。
5mmもない人物の顔にもしっかり表情が入れられ、小公女のレースの襟や柔らかな布の質感、そして遠景の空気にかすむ木々の様子(色の濃淡のつけ方もさることながら、幹の幅はそれぞれ0.3mmという細かさ)まで、一切の不足のない完璧な彫刻と絵画的にも狂いの無い構図は、彫刻と絵画の融合であるモダンカメオの始祖にして頂点たるノト氏の神髄であり、ノト氏の時代から現代にいたるまで、いかに当世天才的と呼ばれる名匠であろうと誰一人として到達できていない領域でもあります。
(なお、8枚目はレンズから2㎝程の距離で撮影した写真で、ちょうど一円玉1枚が画面いっぱいに入る程度の拡大率での写真です)
今回の画像はいつもの720×720の4倍になる1440×1440で編集しておりますので、この100年誰にも後れを取ることのない20世紀最高のカメオ彫刻師の作をぜひお楽しみください。
貝は濃いコーヒー色に綺麗な白色ののった最上質のサードニクスで、ヘアライン、割れ、チップ、すべて無し。
非常に貴重なノト氏の完品の真作となります。
フレームは14ctゴールドの覆輪枠。
ペンダント金具が破損した後Dカン金具を取り付けたようで、この際一度枠からカメオが取り外されております。
その後再装着したために縁には見た目歪みが残っておりますが、がたつきなどは無くしっかりと元に戻されております。
2019年は海外市場に紛れている未鑑定のノト作を積極的に買い付けてまわったために数が多く集まってきましたが(それでもアメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、イタリアといった国から1年かけて10点そこそこしか手に入らなかったのですが)これであらかた探しつくし、今後はノト作の入荷の機会も少なくなってまいります。
中でも風景ものは去年2点(ただしこれらは同じ古物商から一度に仕入れたもので機会的には1度)しか見つけられず、次はいつになるかわからない作品です。