Item
アンティーク(推定19世紀中期) ”精緻なフローラ像”
縦:約46mm(カメオ39mm)
横:約38mm(カメオ30mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
ヴィクトリアン中期バッカンテと共に人気の女神フローラのカメオの入荷です。
日本のカメオの歴史は浅く、1980年代ごろからの流通となっており、それより古いものはあまり見かける機会がありません。
たまに見かけるものも質がいいとは言えないものが大半を占め、アンティークカメオが豊富に残る海外市場においてでもただ古いだけ、またフレームがそれなりの出来でもカメオそのものが二流三流というものが多く、カメオそのものが素晴らしいものはやはり高値で取引されております。
今回のお品物は19世紀中頃の作と思われるフローラ像のカメオです。
ゼピュロスの妻であり花と春の女神であるフローラ。
華やかな見た目がバッカンテと共に好まれ、古くから高い人気のある女神です。
本作はそんなフローラを高彫りで美しく描いたカメオです。
フローラの特徴である頭に飾られた花や、三つ編みにして結われたかみは非常に高くとって彫られており、三つ編みが首の後ろで向こうに回る様子や、花の茎の周りを通る様子など巧妙かつ精緻に描かれております。
アンティークの良品によくみられるリボンや髪の毛先が背景に溶け込むような絶妙の色使い、髪のウェーブや洋服のひだも細かく、かつデッサン的に正しく彫られており、腕のいい職人の作であることがわかります。
顔つきに少々クセがあるため時価を控えめに見積もりましたが、技術的にはミュージアムクオリティの制作も十分に可能であろうと思われる作者の品であり、構図そのものはさして派手でなく彫刻の技量によって魅せるという、間違いのないアンティークの良品といえる逸品です。
貝はカフェオレ色の地に非常に色の良い乳白色が乗るサードニクス。
褐色層と白色層のコントラストはこの上なく素晴らしいものがあり、表面の極々わずかなナレによる光沢もあって、良質のアンティークカメオとはこういうものといえる逸品です。
画面1時半の位置に極々薄いヘアラインが1筋あるのみでその他の傷もなく、アンティークとして極上の状態です。
フレームはおそらくゴールドフィルド。
真鍮系の色合いでなく間違いなく金の色であり、上質なゴールドフィルドで非常に厚い箔を巻かれているようで色落ちがなく、見た目金製のように映ります。
ただ、19世紀中頃というとカリフォルニアのゴールドラッシュのまさにそのころであり、いまだ世界的に出回る金の量は少なく貴重であったこと、当時金の希少性ゆえにレポゼやカンティーユといった少ない金の量で華麗に見せる技術が発展したなどの背景を考えますと、本作は使っている金の量が多すぎるのではと思えますので、金無垢ではないのではと判断しております。
作りは非常に丁寧で、写真の通り貝の厚みにかなり丁寧に合わせて作られたケースで覆われており、技術的な品質の高さが伺えます。
横:約38mm(カメオ30mm)
作者:-(アンティーク)
QR:アーティスティッククオリティ
ヴィクトリアン中期バッカンテと共に人気の女神フローラのカメオの入荷です。
日本のカメオの歴史は浅く、1980年代ごろからの流通となっており、それより古いものはあまり見かける機会がありません。
たまに見かけるものも質がいいとは言えないものが大半を占め、アンティークカメオが豊富に残る海外市場においてでもただ古いだけ、またフレームがそれなりの出来でもカメオそのものが二流三流というものが多く、カメオそのものが素晴らしいものはやはり高値で取引されております。
今回のお品物は19世紀中頃の作と思われるフローラ像のカメオです。
ゼピュロスの妻であり花と春の女神であるフローラ。
華やかな見た目がバッカンテと共に好まれ、古くから高い人気のある女神です。
本作はそんなフローラを高彫りで美しく描いたカメオです。
フローラの特徴である頭に飾られた花や、三つ編みにして結われたかみは非常に高くとって彫られており、三つ編みが首の後ろで向こうに回る様子や、花の茎の周りを通る様子など巧妙かつ精緻に描かれております。
アンティークの良品によくみられるリボンや髪の毛先が背景に溶け込むような絶妙の色使い、髪のウェーブや洋服のひだも細かく、かつデッサン的に正しく彫られており、腕のいい職人の作であることがわかります。
顔つきに少々クセがあるため時価を控えめに見積もりましたが、技術的にはミュージアムクオリティの制作も十分に可能であろうと思われる作者の品であり、構図そのものはさして派手でなく彫刻の技量によって魅せるという、間違いのないアンティークの良品といえる逸品です。
貝はカフェオレ色の地に非常に色の良い乳白色が乗るサードニクス。
褐色層と白色層のコントラストはこの上なく素晴らしいものがあり、表面の極々わずかなナレによる光沢もあって、良質のアンティークカメオとはこういうものといえる逸品です。
画面1時半の位置に極々薄いヘアラインが1筋あるのみでその他の傷もなく、アンティークとして極上の状態です。
フレームはおそらくゴールドフィルド。
真鍮系の色合いでなく間違いなく金の色であり、上質なゴールドフィルドで非常に厚い箔を巻かれているようで色落ちがなく、見た目金製のように映ります。
ただ、19世紀中頃というとカリフォルニアのゴールドラッシュのまさにそのころであり、いまだ世界的に出回る金の量は少なく貴重であったこと、当時金の希少性ゆえにレポゼやカンティーユといった少ない金の量で華麗に見せる技術が発展したなどの背景を考えますと、本作は使っている金の量が多すぎるのではと思えますので、金無垢ではないのではと判断しております。
作りは非常に丁寧で、写真の通り貝の厚みにかなり丁寧に合わせて作られたケースで覆われており、技術的な品質の高さが伺えます。