Item
ジェンナーロ・ガロファロ作 大判傑作 ”鏡”
縦:約70mm
横:約47mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のシェルカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオの入荷です。
ジェンナーロ・ガロファロ氏はモダンカメオの先駆けとなった作者の1人で、存命中のカメオ作者としては最高に位置する職人です。
アンティークカメオとモダンカメオの違いはなにも時代だけではなく、アンティークはあくまでも彫刻的表現が追求されるのに対してモダンは彫刻と絵画の中間的な表現がなされるところが特徴で、この構図的特徴を人物図で世に示して見せたのがジェンナーロ・ガロファロ氏です。(モダンカメオそのものはジョヴァンニ・ノト氏を端とするが、ノト作の人物図に背景に風景を描いたものは無い)
ガロファロ氏のカメオは人物像の位置が低めにあることが多く、人物を描き空いたところに背景を描くのではなく、最初から人物と背景とが一体になった画面を描く、明らかに絵画的構図の取り方をしているのが他の作者に類を見ない特徴といえ、現在のモダンカメオの源流はジョヴァンニ・ノト氏が作り出したモチーフとジェンナーロ・ガロファロ氏が作り出した構図概念にあると言っていいでしょう。
さて、今回のお品物はそのジェンナーロ・ガロファロ氏のカメオです。
ジェンナーロ・ガロファロ氏の作品といえば湖を背にしたポートレート。
"Garofalo"銘以降のものでは蔓を配したプロフィールが一般的となってきますが、多くのカメオコレクター様方にとってはやはり”G.G.”銘の頃のポートレートが印象的であろうと思います。
今回のお品物は、そんなガロファロ作としては異風となる一品です。
縦70mmという大判の涙滴型に描かれるのは、”G.G.”銘の作品においては非常に数の少ない背景無しのプロフィール。
先述の通り後期の銘になればこうした背景無しのものが増えてきますが、今回のお品物はそれらともまた違う作品です。
決定的に違うのは画面における人物が占める面積で、通常ガロファロ作は背景があることを前提とした構図であるのが基本であり、他の作者のカメオより人物が小さく描かれる傾向があるところ、本作は人物が非常に大きく描かれており、その雰囲気の力強さは圧倒的なものがあります。
この人物の大きさは後年の蔓を配した人物図のそれさえ大きく上回っており、私の知る限りガロファロ作でここまで人物を大きく描いてみせた作品は商業ピースでは類がなく、アートピースにおいて稀に見られるくらいのものです。
顔立ちにばらつきのある前期型のガロファロ作にあって顔つきも非常に凛々しく、そして鑑賞のポイントとなる手も他のガロファロ作に描かれるものと違って骨を意識した精緻な彫りで、顔つきの美しさも相まって強い生命感を感じさせます。
このように他のガロファロ作と一線を画する一方でやはりガロファロ氏らしいのは、他では見ることのない見切れた構図。
周囲にはしっかりと厚みと高さをとって彫られた枠がめぐらされ、その中に配置された見切れた人物像は、その不安定さゆえに像に動きを与えながらも画面の中で絶妙な位置にあって安定した画面を生み出しており、一見矛盾しながら確かに成立するこの構図は、通常の絵画のようなガロファロ作と異なり、まるで鏡のような印象を与えます。
とかく現物のすばらしさは一種異質なものがあり、ジェンナーロ・ガロファロ作の中でも非常に出来が良く見ごたえのある逸品です。
貝は非常に濃いコーヒー色の地にくっきりとした純白の上層をもったもの。
非常に分厚い貝が使われており、仮に多少のヘアラインやヒビがあっても問題にならなそうな貝なのですが、ヘアライン、チップなど一切なしの完品で、欠点は一切ございません。
フレームはK18。
サインから見てわかるように比較的古い作品についたフレームらしく、風車式の金具に爪留め式のキャッチがついております。
横:約47mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のシェルカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオの入荷です。
ジェンナーロ・ガロファロ氏はモダンカメオの先駆けとなった作者の1人で、存命中のカメオ作者としては最高に位置する職人です。
アンティークカメオとモダンカメオの違いはなにも時代だけではなく、アンティークはあくまでも彫刻的表現が追求されるのに対してモダンは彫刻と絵画の中間的な表現がなされるところが特徴で、この構図的特徴を人物図で世に示して見せたのがジェンナーロ・ガロファロ氏です。(モダンカメオそのものはジョヴァンニ・ノト氏を端とするが、ノト作の人物図に背景に風景を描いたものは無い)
ガロファロ氏のカメオは人物像の位置が低めにあることが多く、人物を描き空いたところに背景を描くのではなく、最初から人物と背景とが一体になった画面を描く、明らかに絵画的構図の取り方をしているのが他の作者に類を見ない特徴といえ、現在のモダンカメオの源流はジョヴァンニ・ノト氏が作り出したモチーフとジェンナーロ・ガロファロ氏が作り出した構図概念にあると言っていいでしょう。
さて、今回のお品物はそのジェンナーロ・ガロファロ氏のカメオです。
ジェンナーロ・ガロファロ氏の作品といえば湖を背にしたポートレート。
"Garofalo"銘以降のものでは蔓を配したプロフィールが一般的となってきますが、多くのカメオコレクター様方にとってはやはり”G.G.”銘の頃のポートレートが印象的であろうと思います。
今回のお品物は、そんなガロファロ作としては異風となる一品です。
縦70mmという大判の涙滴型に描かれるのは、”G.G.”銘の作品においては非常に数の少ない背景無しのプロフィール。
先述の通り後期の銘になればこうした背景無しのものが増えてきますが、今回のお品物はそれらともまた違う作品です。
決定的に違うのは画面における人物が占める面積で、通常ガロファロ作は背景があることを前提とした構図であるのが基本であり、他の作者のカメオより人物が小さく描かれる傾向があるところ、本作は人物が非常に大きく描かれており、その雰囲気の力強さは圧倒的なものがあります。
この人物の大きさは後年の蔓を配した人物図のそれさえ大きく上回っており、私の知る限りガロファロ作でここまで人物を大きく描いてみせた作品は商業ピースでは類がなく、アートピースにおいて稀に見られるくらいのものです。
顔立ちにばらつきのある前期型のガロファロ作にあって顔つきも非常に凛々しく、そして鑑賞のポイントとなる手も他のガロファロ作に描かれるものと違って骨を意識した精緻な彫りで、顔つきの美しさも相まって強い生命感を感じさせます。
このように他のガロファロ作と一線を画する一方でやはりガロファロ氏らしいのは、他では見ることのない見切れた構図。
周囲にはしっかりと厚みと高さをとって彫られた枠がめぐらされ、その中に配置された見切れた人物像は、その不安定さゆえに像に動きを与えながらも画面の中で絶妙な位置にあって安定した画面を生み出しており、一見矛盾しながら確かに成立するこの構図は、通常の絵画のようなガロファロ作と異なり、まるで鏡のような印象を与えます。
とかく現物のすばらしさは一種異質なものがあり、ジェンナーロ・ガロファロ作の中でも非常に出来が良く見ごたえのある逸品です。
貝は非常に濃いコーヒー色の地にくっきりとした純白の上層をもったもの。
非常に分厚い貝が使われており、仮に多少のヘアラインやヒビがあっても問題にならなそうな貝なのですが、ヘアライン、チップなど一切なしの完品で、欠点は一切ございません。
フレームはK18。
サインから見てわかるように比較的古い作品についたフレームらしく、風車式の金具に爪留め式のキャッチがついております。