Item
アンティーク(推定19世紀中期) 金細工枠つき大判 ”デイ&ナイト”
縦:約72mm(カメオ55mm)
横:約65mm(カメオ44mm)
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
イギリスより入荷しました、貴重なデイ&ナイト、それも非常に大きなカメオです。
日本のカメオの歴史は浅く、1980年代ごろからの流通となっており、それより古いものはあまり見かける機会がありません。
たまに見かけるものも質がいいとは言えないものが大半を占め、アンティークカメオが豊富に残る海外市場においてでもただ古いだけ、またフレームがそれなりの出来でもカメオそのものが二流三流というものが多く、カメオそのものが素晴らしいものはやはり高値で取引されております。
今回のお品物はアンティークの中でも海外でも高い人気を持ち、かつ数の少ないデイ&ナイトのカメオ。
デイ&ナイトは、昼の女神ヘメラーと、その母である夜の女神ニュクスを描いた構図です。
アンティークにおいては珍しくダブルフェイスが一般的に用いられた構図ですが、2インチ(5㎝)を超えるものはさほど多くないアンティークにおいてはダブルフェイスを描くだけの画面が得られないためか、バッカンテやフローラといったモチーフと比べると数が少なくなります。
貴重な素材を使って作られるだけに出来のいいものは多く、海外でも高値で取引されるカメオとなっております。
本作もまた出来のいい、それもコルネリアンとしては現代の基準から見ても大きめとなる55mmのカメオです。
構図は雲の上で光を放つヘメラーと、月と星の下に目を閉じ眠るニュクスという、デイ&ナイトとして典型的なもの。
しかし、画面下には鳩と梟が描かれることの多い本モチーフとしては珍しく、松明を携えたエロースが描かれております。
細かくも精緻な彫りは腕のいい職人の手によるものであることを示し、また金枠もヴィクトリアンの特徴的な金細工とあって、アンティークジュエリーらしい完成度の高さの一品です。
貝は大判のコルネリアン。
古いコルネリアンに特有の画面上部から左下に向けて入るヘアラインと、そのほか光に透かして裏面からみてわかる程度のごく薄いヘアライン数筋があるものの、亀裂や欠けは無し。
また表面にごく緩やかに摩耗がみられますが、摩耗で真っ先に消える髪の毛のディテールもしっかり残っており、アンティークとしては極上の状態といっていいでしょう。
フレームはイギリスの9ctゴールド製。
手の込んだ金細工の品物で、周囲の装飾はレポゼ細工(板金の打ち出し成型)によるもの。
裏面は打ち込み面が見えないようにもう1枚の金の板を溶接し、見かけは金無垢材のように丁寧に仕上げられております。
画面上部の貝型の爪はカメオのデザインを邪魔しないように移動させられており、残念ながら金枠優先になりがちで現在ではあまり見かけられない、彫金師のカメオに対する敬意が見て取れるあたりも古き良き時代を思わせてくれます。
留め具は20世紀後半に風車式金具に取り換えられており、それ以外は19世紀のオリジナルです。
横:約65mm(カメオ44mm)
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
イギリスより入荷しました、貴重なデイ&ナイト、それも非常に大きなカメオです。
日本のカメオの歴史は浅く、1980年代ごろからの流通となっており、それより古いものはあまり見かける機会がありません。
たまに見かけるものも質がいいとは言えないものが大半を占め、アンティークカメオが豊富に残る海外市場においてでもただ古いだけ、またフレームがそれなりの出来でもカメオそのものが二流三流というものが多く、カメオそのものが素晴らしいものはやはり高値で取引されております。
今回のお品物はアンティークの中でも海外でも高い人気を持ち、かつ数の少ないデイ&ナイトのカメオ。
デイ&ナイトは、昼の女神ヘメラーと、その母である夜の女神ニュクスを描いた構図です。
アンティークにおいては珍しくダブルフェイスが一般的に用いられた構図ですが、2インチ(5㎝)を超えるものはさほど多くないアンティークにおいてはダブルフェイスを描くだけの画面が得られないためか、バッカンテやフローラといったモチーフと比べると数が少なくなります。
貴重な素材を使って作られるだけに出来のいいものは多く、海外でも高値で取引されるカメオとなっております。
本作もまた出来のいい、それもコルネリアンとしては現代の基準から見ても大きめとなる55mmのカメオです。
構図は雲の上で光を放つヘメラーと、月と星の下に目を閉じ眠るニュクスという、デイ&ナイトとして典型的なもの。
しかし、画面下には鳩と梟が描かれることの多い本モチーフとしては珍しく、松明を携えたエロースが描かれております。
細かくも精緻な彫りは腕のいい職人の手によるものであることを示し、また金枠もヴィクトリアンの特徴的な金細工とあって、アンティークジュエリーらしい完成度の高さの一品です。
貝は大判のコルネリアン。
古いコルネリアンに特有の画面上部から左下に向けて入るヘアラインと、そのほか光に透かして裏面からみてわかる程度のごく薄いヘアライン数筋があるものの、亀裂や欠けは無し。
また表面にごく緩やかに摩耗がみられますが、摩耗で真っ先に消える髪の毛のディテールもしっかり残っており、アンティークとしては極上の状態といっていいでしょう。
フレームはイギリスの9ctゴールド製。
手の込んだ金細工の品物で、周囲の装飾はレポゼ細工(板金の打ち出し成型)によるもの。
裏面は打ち込み面が見えないようにもう1枚の金の板を溶接し、見かけは金無垢材のように丁寧に仕上げられております。
画面上部の貝型の爪はカメオのデザインを邪魔しないように移動させられており、残念ながら金枠優先になりがちで現在ではあまり見かけられない、彫金師のカメオに対する敬意が見て取れるあたりも古き良き時代を思わせてくれます。
留め具は20世紀後半に風車式金具に取り換えられており、それ以外は19世紀のオリジナルです。