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パスクアーレ・オッタヴィアーノ作 ブーシェ画 ”初恋の行方”
縦:約54mm(カメオ45mm)
横:約58mm(カメオ50mm)
作者:パスクアーレ・オッタヴィアーノ
QR:エクストラクオリティ+
シェルカメオ界の巨匠のひとり、パスクアーレ・オッタヴィアーノ氏のカメオです。
ジェンナーロ・ガロファロ、フランコ・スカーラとともに世界的にも高く評価される、名実ともに間違いなく現代最高峰の作者の一人、パスクアーレ・オッタヴィアーノ。
特徴的な透明感のある彫りと極めて細かな表現力は他の作者と一線を画しており、誰が見ても優れていると分かるものを作るという点においては先の二名の巨匠よりもインパクトのある存在です。
オッタヴィアーノ作の特徴といえる透明感のあるレースは本作においてももちろん健在です。
最近は息子のファビオ氏、甥のジーノ氏、また血縁者以外では近年マッシモ・バルツァーノ氏も綺麗なレースを彫りますが、やはりこの手の作風の筆頭はパスクアーレ氏でしょう。
本作のモチーフはフランソワ・ブーシェ画『Are They Thinking about the Grape?』。
オッタヴィアーノ氏やジョヴァンニ・ノト氏の作品によく見られるように、細かな画面を彫り込む技術を持った作者からは題材として選ばれることの多いブーシェの絵画。
タイトルを直訳すれば『彼らはブドウについて考えているか?』となります。
このような宗教色のない絵画における葡萄は粒の多さから多産などを意味するととっていいでしょうか。
するとこの題名は二人の若い恋人たちがその将来のことを考えているかという意味になり、この恋人たちの初々しさを、また、葡萄は描かれているがその畑は描かれていないところから、それが予め用意されたものではなく自然に実ったもの、すなわち親に決められた相手なのではなく純真な恋愛により結ばれた二人であることをも暗示しているとされています。
こうした内容から、本作のタイトルとしては私の方で『初恋の行方』としました。
本作のサインは通常オッタヴィアーノ氏のサインとして使われる”Ottaviano”とは異なり”PO”と切られている珍しい作品ですが、裾の細かなレース彫りはもちろんとして、元の絵そのままではなく背景に湖(もしくは川)を挟み対岸に町を配置するのはパスクアーレ氏の作品にもよく見られる構図(販売済みの『羊飼いの贈り物』と見比べれば、木、柵、川などの風景の描き方が明らかに同じ作者のものであることがおわかりになるかと思います)であること、裏面にはパスクアーレ氏の作品の仲買いとしてよく名前が見られるジェンナーロ・ボリエッロ氏のサインがある事から、間違いなくパスクアーレ・オッタヴィアーノ作と鑑定しております。
貝の質もよく色の濃い地と綺麗な白色、裏面4時方面と7時方面に薄いヘアラインがありますが、表には白色層も残っていることもあり見た状態としては完品と言って差し支えないレベルにあります。
フレームは金の使用量の多い覆輪留めに、外周にはモールと金線細工による飾りのついた豪華なもの。
刻印は裏面7時方面に”K18”と入っております。
横:約58mm(カメオ50mm)
作者:パスクアーレ・オッタヴィアーノ
QR:エクストラクオリティ+
シェルカメオ界の巨匠のひとり、パスクアーレ・オッタヴィアーノ氏のカメオです。
ジェンナーロ・ガロファロ、フランコ・スカーラとともに世界的にも高く評価される、名実ともに間違いなく現代最高峰の作者の一人、パスクアーレ・オッタヴィアーノ。
特徴的な透明感のある彫りと極めて細かな表現力は他の作者と一線を画しており、誰が見ても優れていると分かるものを作るという点においては先の二名の巨匠よりもインパクトのある存在です。
オッタヴィアーノ作の特徴といえる透明感のあるレースは本作においてももちろん健在です。
最近は息子のファビオ氏、甥のジーノ氏、また血縁者以外では近年マッシモ・バルツァーノ氏も綺麗なレースを彫りますが、やはりこの手の作風の筆頭はパスクアーレ氏でしょう。
本作のモチーフはフランソワ・ブーシェ画『Are They Thinking about the Grape?』。
オッタヴィアーノ氏やジョヴァンニ・ノト氏の作品によく見られるように、細かな画面を彫り込む技術を持った作者からは題材として選ばれることの多いブーシェの絵画。
タイトルを直訳すれば『彼らはブドウについて考えているか?』となります。
このような宗教色のない絵画における葡萄は粒の多さから多産などを意味するととっていいでしょうか。
するとこの題名は二人の若い恋人たちがその将来のことを考えているかという意味になり、この恋人たちの初々しさを、また、葡萄は描かれているがその畑は描かれていないところから、それが予め用意されたものではなく自然に実ったもの、すなわち親に決められた相手なのではなく純真な恋愛により結ばれた二人であることをも暗示しているとされています。
こうした内容から、本作のタイトルとしては私の方で『初恋の行方』としました。
本作のサインは通常オッタヴィアーノ氏のサインとして使われる”Ottaviano”とは異なり”PO”と切られている珍しい作品ですが、裾の細かなレース彫りはもちろんとして、元の絵そのままではなく背景に湖(もしくは川)を挟み対岸に町を配置するのはパスクアーレ氏の作品にもよく見られる構図(販売済みの『羊飼いの贈り物』と見比べれば、木、柵、川などの風景の描き方が明らかに同じ作者のものであることがおわかりになるかと思います)であること、裏面にはパスクアーレ氏の作品の仲買いとしてよく名前が見られるジェンナーロ・ボリエッロ氏のサインがある事から、間違いなくパスクアーレ・オッタヴィアーノ作と鑑定しております。
貝の質もよく色の濃い地と綺麗な白色、裏面4時方面と7時方面に薄いヘアラインがありますが、表には白色層も残っていることもあり見た状態としては完品と言って差し支えないレベルにあります。
フレームは金の使用量の多い覆輪留めに、外周にはモールと金線細工による飾りのついた豪華なもの。
刻印は裏面7時方面に”K18”と入っております。