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ジェンナーロ・ガロファロ作 ”午睡”
縦:約55mm
横:約42mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオです。
本作の特徴は同氏のカメオの特徴そのもの、すなわち言葉にすればただ1点、まるでカメオがひとつの窓で、その向こうに景色が広がっているような空気感があることです。
一般に特徴として語られる布の質感をはじめとするこまごまとしたことに関しては同氏と同等に、またはそれよりも上手く彫る職人がいくらでもおり、そこはガロファロ氏の作品が優れるという本質的な部分ではないと思います。(ただし老年期のものはそれらも素晴らしいの一言につきます)
しかしながら、このなんとも言えない奇妙なまでの空間の表現力はジェンナーロ・ガロファロ氏をおいて他になく、言葉にすれば簡単ですがこれこそが同氏を超一流たらしめる所以であり、ただこの一つを極めたことで天才と呼ばれるまでになったのでしょう。
ジェンナーロ・ガロファロ氏は後年のものほど作品が良くなるといわれ、簡易的な見分け方として"G.G"とサインが切られたものは90年代以前の作品と言われています。
本作もそうであるように壮年期は布状の枠に覆われた作品が多いのですが、その優れた空間表現力ゆえに枠の主張が強すぎるといいますか、どことなく閉じ込められたような狭さ、息苦しさを感じ、これがガロファロ氏が後年にドレープ枠を使わなくなった理由なのだろうな、と思わせられます。
とはいえ、あくまで同氏の後年作より劣る傾向にあるという話であり、わずか16歳でカメオコンクールを制し、24歳で最高のカメオ職人の一人とまで言われたように、カメオ界全体から見れば壮年期においても優れた作品であることに変わりはありません。
また、本作の構図は手をおろし顔をうつむかせて目を閉じたものであり、この作品から感じられる”静”とうまくかみ合っていて、穏やかな午睡を思わせる出来となっているあたり、これはこれでありなのではないかなと思います。
さらに視覚的な面におきましても、この時期のガロファロ氏の作品の印象はどれも似たり寄ったりに見えますが細かく見れば個体差は大きく、白色部の色が暗い作品が多く見られるところ、本作は白色部がやや黄色味がかってはいるものの明暗ともに色が濃い良い貝を使っております。
また殻の凹凸に人物像の位置を左右されて必ずしもガロファロ氏の思うように配置ができるわけではないようで、そのため人物の姿勢が悪かったり構図のバランスが悪かったりするものも少なくなく、そういう観点を持ってみても本作はバランスよく綺麗にまとまった作品だと思います。
状態もシェル内部にもヘアライン1筋なく、かなり古い作品にもかかわらず背景の水面や枠の縁などにはツヤが残っており非常に良好です。
壮年期銘のルースの出物は割と多いですが、色や構図まで見て綺麗で状態もよいものとなるとだいぶ数が少なくなりますので、ひと味違う作品をお手元に置きたい方はこの機会にどうぞ。
横:約42mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオです。
本作の特徴は同氏のカメオの特徴そのもの、すなわち言葉にすればただ1点、まるでカメオがひとつの窓で、その向こうに景色が広がっているような空気感があることです。
一般に特徴として語られる布の質感をはじめとするこまごまとしたことに関しては同氏と同等に、またはそれよりも上手く彫る職人がいくらでもおり、そこはガロファロ氏の作品が優れるという本質的な部分ではないと思います。(ただし老年期のものはそれらも素晴らしいの一言につきます)
しかしながら、このなんとも言えない奇妙なまでの空間の表現力はジェンナーロ・ガロファロ氏をおいて他になく、言葉にすれば簡単ですがこれこそが同氏を超一流たらしめる所以であり、ただこの一つを極めたことで天才と呼ばれるまでになったのでしょう。
ジェンナーロ・ガロファロ氏は後年のものほど作品が良くなるといわれ、簡易的な見分け方として"G.G"とサインが切られたものは90年代以前の作品と言われています。
本作もそうであるように壮年期は布状の枠に覆われた作品が多いのですが、その優れた空間表現力ゆえに枠の主張が強すぎるといいますか、どことなく閉じ込められたような狭さ、息苦しさを感じ、これがガロファロ氏が後年にドレープ枠を使わなくなった理由なのだろうな、と思わせられます。
とはいえ、あくまで同氏の後年作より劣る傾向にあるという話であり、わずか16歳でカメオコンクールを制し、24歳で最高のカメオ職人の一人とまで言われたように、カメオ界全体から見れば壮年期においても優れた作品であることに変わりはありません。
また、本作の構図は手をおろし顔をうつむかせて目を閉じたものであり、この作品から感じられる”静”とうまくかみ合っていて、穏やかな午睡を思わせる出来となっているあたり、これはこれでありなのではないかなと思います。
さらに視覚的な面におきましても、この時期のガロファロ氏の作品の印象はどれも似たり寄ったりに見えますが細かく見れば個体差は大きく、白色部の色が暗い作品が多く見られるところ、本作は白色部がやや黄色味がかってはいるものの明暗ともに色が濃い良い貝を使っております。
また殻の凹凸に人物像の位置を左右されて必ずしもガロファロ氏の思うように配置ができるわけではないようで、そのため人物の姿勢が悪かったり構図のバランスが悪かったりするものも少なくなく、そういう観点を持ってみても本作はバランスよく綺麗にまとまった作品だと思います。
状態もシェル内部にもヘアライン1筋なく、かなり古い作品にもかかわらず背景の水面や枠の縁などにはツヤが残っており非常に良好です。
壮年期銘のルースの出物は割と多いですが、色や構図まで見て綺麗で状態もよいものとなるとだいぶ数が少なくなりますので、ひと味違う作品をお手元に置きたい方はこの機会にどうぞ。