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ジェンナーロ・ガロファロ作 ”湖風”
縦:約55mm
横:約42mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオです。
本作の特徴は同氏のカメオの特徴そのもの、すなわち言葉にすればただ1点、まるでカメオがひとつの窓で、その向こうに景色が広がっているような空気感があることです。
人気は一般にも見た目としてわかりやすく”高さのあるのが良いカメオ”と言われることが多いのもあってか前期銘のものが高い傾向もあるのですが、カメオについて専門的な知見を持つ人達の間ではジェンナーロ・ガロファロ氏は後年のものほど作品が良くなるといわれており、簡易的な見分け方として"G.G"とサインが切られたものは90年代以前のもの、2000年頃から"Garofalo"と略せず切られるもので、本作は比較的後年の2000年代の作品となっております。
作風としては壮年期銘の作品は布状の枠に縁取られた作品が多く、人物像も高く彫られておりますが、老年期銘の作品では同系等のモチーフでは全体的な厚みは抑えた作品が多くなります。
それでも老年期の作品のほうが良質と言われるのは、壮年期のものと老年期のものを見比べると、前期のものは厚い枠に閉じ込められたように空気感に動きが感じられない一方で、後期のものは画面から空気が流れ出してくるような動きが感じられるからでしょう。(そもそもモダンカメオは絵画的手法を交えた彫刻であり、構図や色遣いも重要となってくるので厚みがあればいいというものではない)
これは、前期に多く見られた布状の枠をもつ作品は年を追うごとに少なくなり、枠はシンプルに、かつ枠の手前に配置するように花などを添えた作品や、そもそも枠がない作品が増えてくること、布状の枠を持つのは画面が大きく十分な余白が取れる大判や、風景を含まない作品にのみ見られるようになることからも、ガロファロ氏自身が作品の中においてそうした閉鎖的な世界を廃して生命感のある開放的な世界を目指して意図的に作り上げていったものであることが伺えます。
本作も構図こそ壮年期の作品と同じであるものの、枠はシンプルに、人物像は要所々々はしっかり抑えながらも全体的にはフラットに彫って敢えて主張を弱め、全体のバランスがとられているところにガロファロ氏の壮年期より進んだ表現が見られます。
全体として安定感があり無駄な余白を感じさせない絶妙なバランスを持っており、人物は不自然さのない姿勢でよく収まり、花は過不足なく彩りを添え、背景の遠景の構図も綺麗で、同系統の作品の中でもひときわよく出来た一品と思います。
貝は白色部はくっきりとして暗色部も色濃く厚みのある貝を使い、状態も光に透かしてもわかりにくいほどの薄いヘアラインが1本あるのみで傷みと呼べるほどのものは皆無、表も欠けなど見られず完品と言っていい状態です。
横:約42mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオです。
本作の特徴は同氏のカメオの特徴そのもの、すなわち言葉にすればただ1点、まるでカメオがひとつの窓で、その向こうに景色が広がっているような空気感があることです。
人気は一般にも見た目としてわかりやすく”高さのあるのが良いカメオ”と言われることが多いのもあってか前期銘のものが高い傾向もあるのですが、カメオについて専門的な知見を持つ人達の間ではジェンナーロ・ガロファロ氏は後年のものほど作品が良くなるといわれており、簡易的な見分け方として"G.G"とサインが切られたものは90年代以前のもの、2000年頃から"Garofalo"と略せず切られるもので、本作は比較的後年の2000年代の作品となっております。
作風としては壮年期銘の作品は布状の枠に縁取られた作品が多く、人物像も高く彫られておりますが、老年期銘の作品では同系等のモチーフでは全体的な厚みは抑えた作品が多くなります。
それでも老年期の作品のほうが良質と言われるのは、壮年期のものと老年期のものを見比べると、前期のものは厚い枠に閉じ込められたように空気感に動きが感じられない一方で、後期のものは画面から空気が流れ出してくるような動きが感じられるからでしょう。(そもそもモダンカメオは絵画的手法を交えた彫刻であり、構図や色遣いも重要となってくるので厚みがあればいいというものではない)
これは、前期に多く見られた布状の枠をもつ作品は年を追うごとに少なくなり、枠はシンプルに、かつ枠の手前に配置するように花などを添えた作品や、そもそも枠がない作品が増えてくること、布状の枠を持つのは画面が大きく十分な余白が取れる大判や、風景を含まない作品にのみ見られるようになることからも、ガロファロ氏自身が作品の中においてそうした閉鎖的な世界を廃して生命感のある開放的な世界を目指して意図的に作り上げていったものであることが伺えます。
本作も構図こそ壮年期の作品と同じであるものの、枠はシンプルに、人物像は要所々々はしっかり抑えながらも全体的にはフラットに彫って敢えて主張を弱め、全体のバランスがとられているところにガロファロ氏の壮年期より進んだ表現が見られます。
全体として安定感があり無駄な余白を感じさせない絶妙なバランスを持っており、人物は不自然さのない姿勢でよく収まり、花は過不足なく彩りを添え、背景の遠景の構図も綺麗で、同系統の作品の中でもひときわよく出来た一品と思います。
貝は白色部はくっきりとして暗色部も色濃く厚みのある貝を使い、状態も光に透かしてもわかりにくいほどの薄いヘアラインが1本あるのみで傷みと呼べるほどのものは皆無、表も欠けなど見られず完品と言っていい状態です。