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ジェンナーロ・ガロファロ作 典型的作例大判 ”メモリア”
縦:約70mm
横:約55mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のシェルカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオです。
ガロファロ氏はモダンカメオを語る上で決して外せない存在です。
ただ、その何が優れているのかというとドレープの柔らかな布の質感が…などと語られるのを見かけるのですが、私はそうではないと見ております。
確かに近年の作品はそういった細部も素晴らしいですが、そもそもそうした彫刻的表現にかけては古くから存在したアンティークのカメオも極めて優れており、一方で若年期のガロファロ氏の作品の細部はそこまで出来が良いとは言えず、したがってわずか16歳でカメオコンクールを制して24歳で最高のカメオ職人の一人とまで言われたのは、そんな些事ゆえではありえません。
アンティークカメオとモダンカメオの違いはなにも時代だけではなく、アンティークはあくまでも彫刻的表現が追求されるのに対してモダンは彫刻と絵画の中間的な表現がなされるところにあり、若いガロファロ氏の作品が絶賛されたのは彫刻と絵画の両立を高いレベルで表現してモダンカメオという新しい分野を切り拓いたからにほかならないのです。
事実、ガロファロ氏のカメオは人物像の位置が低めにあることが多く、人物を描き空いたところに背景を描くのではなく、最初から人物と背景とが一体になった画面を描く、明らかに絵画的構図の取り方をしているのが他の作者に類を見ない特徴といえましょう。
このようにガロファロ氏の典型的作風となった風景図は人気も極めて高く、歳を重ねるごとに彫刻の技術も冴えて、布状の枠を廃しより開放的な雰囲気を得るなど大きく前進しながら制作されていきますが、一方で後年は蔦のようなものをあしらった作品や周囲に薄く白色層を残して霧がかかったような表現をした作品が多くなり、かつて典型的であった風景図のカメオは少なくなっていきます。
また前期銘にせよ後期銘にせよ、ガロファロ氏の典型的作例といえるこの風景図のカメオは殆どが50mmと55mmで60mm以上のサイズは極端に数が少なく、稀に見る大型の風景図も典型的作例とはやや違うモチーフを取り入れたものが多く、そのままスケールアップしたものは極めて稀です。
さて前置きが長くなりましたが、本作はその貴重な後期銘の風景図、特筆すべきはその大きさでなんと70mmの大判です。
それもガロファロ氏の典型といえる湖を背景に女性をメインに配置したもので、枠をシンプルにして花を添えた風景図の完成形。
空を高く取り、かつシンメトリックな構図は人物と背景を調和させながら、まさに絵画・肖像画のような雰囲気を放っており、モダンカメオの始祖的存在にしてその頂点たるガロファロ氏の作風を如実に伝えております。
貝の質は極上、極めて濃い地色と白色のコントラストが綺麗で、また白色部にも色にじみがみられません。
また状態は裏面0時の方向に表には達しない小さな亀裂があるのみで、ヘアラインは見られない完品。
金具もシンプルながらに安価なL線巻ではなく専用に作られたもので金が厚くずっしりしており、こちらの状態もピン曲がりさえない極上の状態を保持しております。
モダンカメオの歴史におけるジェンナーロ・ガロファロ氏の功績、それを成した典型的作例、市場に多く存在するそれらより2回りも大きな画面、最高の状態。
このような作品は現在カメオ専門店でもそう見られるものではありません。
横:約55mm
作者:ジェンナーロ・ガロファロ
QR:カタログクオリティ
世界に名高い超一流のシェルカメオ職人、ジェンナーロ・ガロファロ作のカメオです。
ガロファロ氏はモダンカメオを語る上で決して外せない存在です。
ただ、その何が優れているのかというとドレープの柔らかな布の質感が…などと語られるのを見かけるのですが、私はそうではないと見ております。
確かに近年の作品はそういった細部も素晴らしいですが、そもそもそうした彫刻的表現にかけては古くから存在したアンティークのカメオも極めて優れており、一方で若年期のガロファロ氏の作品の細部はそこまで出来が良いとは言えず、したがってわずか16歳でカメオコンクールを制して24歳で最高のカメオ職人の一人とまで言われたのは、そんな些事ゆえではありえません。
アンティークカメオとモダンカメオの違いはなにも時代だけではなく、アンティークはあくまでも彫刻的表現が追求されるのに対してモダンは彫刻と絵画の中間的な表現がなされるところにあり、若いガロファロ氏の作品が絶賛されたのは彫刻と絵画の両立を高いレベルで表現してモダンカメオという新しい分野を切り拓いたからにほかならないのです。
事実、ガロファロ氏のカメオは人物像の位置が低めにあることが多く、人物を描き空いたところに背景を描くのではなく、最初から人物と背景とが一体になった画面を描く、明らかに絵画的構図の取り方をしているのが他の作者に類を見ない特徴といえましょう。
このようにガロファロ氏の典型的作風となった風景図は人気も極めて高く、歳を重ねるごとに彫刻の技術も冴えて、布状の枠を廃しより開放的な雰囲気を得るなど大きく前進しながら制作されていきますが、一方で後年は蔦のようなものをあしらった作品や周囲に薄く白色層を残して霧がかかったような表現をした作品が多くなり、かつて典型的であった風景図のカメオは少なくなっていきます。
また前期銘にせよ後期銘にせよ、ガロファロ氏の典型的作例といえるこの風景図のカメオは殆どが50mmと55mmで60mm以上のサイズは極端に数が少なく、稀に見る大型の風景図も典型的作例とはやや違うモチーフを取り入れたものが多く、そのままスケールアップしたものは極めて稀です。
さて前置きが長くなりましたが、本作はその貴重な後期銘の風景図、特筆すべきはその大きさでなんと70mmの大判です。
それもガロファロ氏の典型といえる湖を背景に女性をメインに配置したもので、枠をシンプルにして花を添えた風景図の完成形。
空を高く取り、かつシンメトリックな構図は人物と背景を調和させながら、まさに絵画・肖像画のような雰囲気を放っており、モダンカメオの始祖的存在にしてその頂点たるガロファロ氏の作風を如実に伝えております。
貝の質は極上、極めて濃い地色と白色のコントラストが綺麗で、また白色部にも色にじみがみられません。
また状態は裏面0時の方向に表には達しない小さな亀裂があるのみで、ヘアラインは見られない完品。
金具もシンプルながらに安価なL線巻ではなく専用に作られたもので金が厚くずっしりしており、こちらの状態もピン曲がりさえない極上の状態を保持しております。
モダンカメオの歴史におけるジェンナーロ・ガロファロ氏の功績、それを成した典型的作例、市場に多く存在するそれらより2回りも大きな画面、最高の状態。
このような作品は現在カメオ専門店でもそう見られるものではありません。