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アンティーク(推定19世紀中期)レポゼ細工枠付「アルテミス」

アンティーク(推定19世紀中期)レポゼ細工枠付「アルテミス」
縦:約20mm(枠含47mm)
横:約20mm(枠含26mm)
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ

現在でこそ機械生産がおこなわれ大量生産されているメノウを素材としたハードストーンカメオ。
カメオの歴史においては1970年代より作られ始めたもので、それより前は人が手作業で鋼より硬いメノウを彫って作っていたため、希少性も価格も現在の比ではありませんでした。
従いまして当時のストーンカメオとなれば一流の作品でなくても貴重なものであり、しばしば高価になりがちでなかなか手が出しにくい部類といえましょう。

今回は小粒ながらに名作、月の女神アルテミスをモチーフとしたカメオです。
カメオの世界においてアルテミスは少々珍しい存在でして、ギリシャやローマ神話の神々を頻繁にモチーフとして扱った19世紀においてもあまり作例が見られません。
実際当ギャラリーの展示品を見ましてもアルテミス単独のシェルカメオどころかアルテミスを描いた数点は全てモダンカメオの絵画物で、アンティークのシェルカメオは構図を問わず1点もありませんし、私が所有しているサウリーニ工房に関する書籍などにもアルテミスの作例は載っておりません。
一方シェルに比べてオニキスなどの色合いが月光を思わせるからか、ストーンカメオの題材としては好まれる傾向があります。
今回はサードニクスのカメオで、彫りの良さは当時をしても超一流の腕前。
立体的な髪の彫り上げや複雑なシルエットは1900年前後には見られなくなるもので、典型的良質な19世紀のストーンカメオといえましょう。
ちなみに作者に関しましては確かな情報はない物の、整った顔つきや構図感、また地色層を掘り下げて白色層の厚み以上の立体感を出す技法は、当ギャラリーでも人気が高い「オリーブ冠のアテーナー」と非常に似通っており、同じ作者の手によるものと推察されます。

石は赤褐色の地に透明感のある白色層の乗ったサードニクス。
シェルカメオにおいて"cassis madagascariensis"を素材としたものをサルドニクスといいますが、その語源となった石あることからわかるように、カメオ素材としてはコントラストにすぐれるオニキスと共にもっとも格式の高いものといえましょう。
状態もよく、ストーンカメオで最も気になるメノウのクラックは無し。
ただし完全ともいえず、首元、5時位置の髪先、睫毛にそれぞれ小さなチップがあります。
とはいえ20㎜のカメオのこの大きさのチップということから考えていただければわかるように精査してようやくわかる傷ではあり、通常使用および鑑賞共に気になることは無いかと思われます。

フレームは銀製のレポゼ細工枠。
板金を彫金用の小鎚で打ち出して模様を形作る鍛造技法の一種で、フレームの表面をよく見ると無数の鎚目模様が見てとれます。
また銀は鍛造による加工硬化で大変硬くなる金属で、実際制作から150年余り経っていると思われる本作のフレームも歪みや潰れが見られず、当時の一流の彫金職人の仕事を完全な形で今に残しております。
¥135,000 SOLD OUT
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