Item
アンティーク(推定20世紀初期) 「アポローン」
縦:約47mm(枠含50mm・突出部を除く)
横:約28mm(枠含31mm)
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
カメオの原点であり高級品とされるストーンカメオ。
しかしながら現在のストーンカメオは99%機械生産品であり、工芸品ではなく工業品と呼ぶべきものが大半を占めます。
このカメオの機械生産は1970年代から起こったもので、それ以前の作品は昔ながらの手彫りのカメオであり、作品数もずっと少なく、そして価格も誇張無しに桁2つ高価なものになります。
今回のカメオは20世紀初期の作品。
19世紀のストーンカメオと20世紀のそれでは像のシルエットの取り方に違いがあり、シェルカメオ同様に20世紀前半を通して徐々に品質が下がっていきまして、特に髪の彫りの省略は見た目の印象が著しく変わるため、取り扱い作品の品質に気を配っているメインギャラリーの方では一応手彫りのストーンカメオであるにもかかわらず20世紀以降のカメオはほぼ取り扱いがありません。
今回の作品は肩などのシルエットの取り方やディテールから20世紀のものであると判断しつつ、髪周りは19世紀と同様の彫り方が成されていることから取り扱いとなったものです。
モチーフに関しましては装飾らしい装飾がないのが悩みどころで、仕入れ元の解釈ではアンティノウスとのことでしたが、アンティノウスの場合はバッカスに扮した姿が一般的であることや、アンティノウスにしては髪がやや長いことから、私の見立てでは太陽神アポローンかと思います。
また像の装飾が少ないことに加えて母材が厚みが出にくいオニキスのため全体的にやや薄く、インパクトのある姿になりがちなスモーク系メノウのストーンカメオと比べると大人しめな印象を受けますが、ストーンカメオにしては面積が広いため実際に手にするとなかなかによく映えます。
それにこの面積で厚みもあるストーンカメオとなると40gや50gとなるケースが多く身に着けるには重すぎるため、使える大粒ストーンカメオのアンティークジュエリーとしてもなかなか類例がない価値を生み出しております。
石はブラックコーヒーのような地色と白色のコントラストが美しいオニキス。
背景色は順光で見ている分には完全に真っ黒ですが、光にすかすとマデイラ色に見えることから現代の着色石ではなく天然オニキスであることがわかります。
また状態もよく、高く彫られた胸部縁もチップ等無いのですが、像の首元あたりを横一線、白色層にヘアラインが入っています。
普通に見てもほとんどわからないものですが3枚目の画像ではよく見ると分かるのでご確認ください。
ちなみにこのヘアラインは光にすかしてみたところ褐色部には入っておらず白色層のみに入ったもので、通常使用においてここから割れるようなことはなさそうです。
フレームは14ktホワイトゴールド。
無刻印ですが買い付け元の方でテスト済みで、一応こちらでも硫黄系薬品で銀でないことは確認済み。
石の黒と白のツートーンカラーによくあった落ち着いた銀色の輝きが美しいこちらのフレームはおそらく20世紀後半で、シンプルなペンダント仕立てとなっております。
こちらも歪み等一切なくつい最近作られたような綺麗さです。
横:約28mm(枠含31mm)
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ
カメオの原点であり高級品とされるストーンカメオ。
しかしながら現在のストーンカメオは99%機械生産品であり、工芸品ではなく工業品と呼ぶべきものが大半を占めます。
このカメオの機械生産は1970年代から起こったもので、それ以前の作品は昔ながらの手彫りのカメオであり、作品数もずっと少なく、そして価格も誇張無しに桁2つ高価なものになります。
今回のカメオは20世紀初期の作品。
19世紀のストーンカメオと20世紀のそれでは像のシルエットの取り方に違いがあり、シェルカメオ同様に20世紀前半を通して徐々に品質が下がっていきまして、特に髪の彫りの省略は見た目の印象が著しく変わるため、取り扱い作品の品質に気を配っているメインギャラリーの方では一応手彫りのストーンカメオであるにもかかわらず20世紀以降のカメオはほぼ取り扱いがありません。
今回の作品は肩などのシルエットの取り方やディテールから20世紀のものであると判断しつつ、髪周りは19世紀と同様の彫り方が成されていることから取り扱いとなったものです。
モチーフに関しましては装飾らしい装飾がないのが悩みどころで、仕入れ元の解釈ではアンティノウスとのことでしたが、アンティノウスの場合はバッカスに扮した姿が一般的であることや、アンティノウスにしては髪がやや長いことから、私の見立てでは太陽神アポローンかと思います。
また像の装飾が少ないことに加えて母材が厚みが出にくいオニキスのため全体的にやや薄く、インパクトのある姿になりがちなスモーク系メノウのストーンカメオと比べると大人しめな印象を受けますが、ストーンカメオにしては面積が広いため実際に手にするとなかなかによく映えます。
それにこの面積で厚みもあるストーンカメオとなると40gや50gとなるケースが多く身に着けるには重すぎるため、使える大粒ストーンカメオのアンティークジュエリーとしてもなかなか類例がない価値を生み出しております。
石はブラックコーヒーのような地色と白色のコントラストが美しいオニキス。
背景色は順光で見ている分には完全に真っ黒ですが、光にすかすとマデイラ色に見えることから現代の着色石ではなく天然オニキスであることがわかります。
また状態もよく、高く彫られた胸部縁もチップ等無いのですが、像の首元あたりを横一線、白色層にヘアラインが入っています。
普通に見てもほとんどわからないものですが3枚目の画像ではよく見ると分かるのでご確認ください。
ちなみにこのヘアラインは光にすかしてみたところ褐色部には入っておらず白色層のみに入ったもので、通常使用においてここから割れるようなことはなさそうです。
フレームは14ktホワイトゴールド。
無刻印ですが買い付け元の方でテスト済みで、一応こちらでも硫黄系薬品で銀でないことは確認済み。
石の黒と白のツートーンカラーによくあった落ち着いた銀色の輝きが美しいこちらのフレームはおそらく20世紀後半で、シンプルなペンダント仕立てとなっております。
こちらも歪み等一切なくつい最近作られたような綺麗さです。







