Item
アンティーク(推定19世紀中期) ”大天使ガブリエル”
縦:約52mm
横:約45mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ+
ミカエルと共に古今人気の高いガブリエルのカメオの入荷です。
アンティークカメオとモダンカメオの大きな違いのひとつに、モチーフの傾向があります。
1800年代はイギリスを中心に、そして1940年頃から1960年頃のモダンカメオの時代はアメリカを中心に流行したカメオ。
さらに時が下り1980年代より現在にいたるモダンカメオの時代は日本がその流通の主流となっております。
この市場の移り変わりでの顧客の需要の変化にこたえる形でカメオのモチーフは主流となるものが変わっており、アンティークではキリスト教の色の濃い作品も多くみられるも、現在は宗教色の濃い作品は少なくなってきました。
今回のカメオはキリスト教の天使の中でもミカエルと共に大変高い人気をもつガブリエルのカメオ。
19世紀の名品らしく彫りは精緻でメリハリが強く、構図もバランスよく整っており、各細部の描写の美しさもさすがの一言。
シェルカメオ、それも大きさに制限の大きなコルネリアンのカメオでありながら像は厚く、美しく流れる巻髪、整った顔立ち、繊細で大きな翼、どれをとっても超一流ですが、しかし本作のもっとも見所となるのは、やはり胸元に添えた手でしょう。
人物画において手の表現は非常に重要で、手は顔と同じくらいに、そして顔には出しきれない表情をも表現するものといって過言ではありません。
現在ではノト氏の活躍によりカメオの構図に手が加えられることも多くなっていますが、ノト氏の登場以前となる19世紀においては手が彫り入れられたカメオは非常に数が少なく、ごく一部のマリア像や受胎告知くらいしかないという構図的特徴があります。
本作は19世紀の技術でもって精巧かつなめらかな手が彫り入れられた稀有な作品で、その美しい手は優しく清らかなガブリエルを象徴しているようです。
クオリティは19世紀のカメオの中でも非常に高く、同じ構図のガブリエルのカメオもたまに見かけるのですが、それらの中でもとりわけ質の高い逸品となります。
貝は色の優しいコルネリアン。
殻口にちかい色の濃い部分を使ったもので、コルネリアンとしては大きさもあり厚みにも恵まれた良材を使用しております。
この部位に典型的な12時位置から左下へ走るヘアライン数筋は本作にもみられるものの、割れなど大きな痛みは見られません。
表面にはわずかにナレがあり、これに関しては髪のディテールがわずかに損なわれている一方で手の滑らかさに一役買っており、良い経年をもったといえ一長一短。
それとは別に翼に極軽度の酸化の痕跡が見られ、これに関しては時価に考慮しております。
フレームは14ctゴールド製。
ブローチではなくペンダントのみで、おそらくオリジナルではなく20世紀前半にアメリカで再制作されたものと見ます。
バチカンはしっかりロウ付けして閉じられており、このままで現行のアクセサリーと同様に使用することができます。
横:約45mm
作者:-(アンティーク)
QR:カタログクオリティ+
ミカエルと共に古今人気の高いガブリエルのカメオの入荷です。
アンティークカメオとモダンカメオの大きな違いのひとつに、モチーフの傾向があります。
1800年代はイギリスを中心に、そして1940年頃から1960年頃のモダンカメオの時代はアメリカを中心に流行したカメオ。
さらに時が下り1980年代より現在にいたるモダンカメオの時代は日本がその流通の主流となっております。
この市場の移り変わりでの顧客の需要の変化にこたえる形でカメオのモチーフは主流となるものが変わっており、アンティークではキリスト教の色の濃い作品も多くみられるも、現在は宗教色の濃い作品は少なくなってきました。
今回のカメオはキリスト教の天使の中でもミカエルと共に大変高い人気をもつガブリエルのカメオ。
19世紀の名品らしく彫りは精緻でメリハリが強く、構図もバランスよく整っており、各細部の描写の美しさもさすがの一言。
シェルカメオ、それも大きさに制限の大きなコルネリアンのカメオでありながら像は厚く、美しく流れる巻髪、整った顔立ち、繊細で大きな翼、どれをとっても超一流ですが、しかし本作のもっとも見所となるのは、やはり胸元に添えた手でしょう。
人物画において手の表現は非常に重要で、手は顔と同じくらいに、そして顔には出しきれない表情をも表現するものといって過言ではありません。
現在ではノト氏の活躍によりカメオの構図に手が加えられることも多くなっていますが、ノト氏の登場以前となる19世紀においては手が彫り入れられたカメオは非常に数が少なく、ごく一部のマリア像や受胎告知くらいしかないという構図的特徴があります。
本作は19世紀の技術でもって精巧かつなめらかな手が彫り入れられた稀有な作品で、その美しい手は優しく清らかなガブリエルを象徴しているようです。
クオリティは19世紀のカメオの中でも非常に高く、同じ構図のガブリエルのカメオもたまに見かけるのですが、それらの中でもとりわけ質の高い逸品となります。
貝は色の優しいコルネリアン。
殻口にちかい色の濃い部分を使ったもので、コルネリアンとしては大きさもあり厚みにも恵まれた良材を使用しております。
この部位に典型的な12時位置から左下へ走るヘアライン数筋は本作にもみられるものの、割れなど大きな痛みは見られません。
表面にはわずかにナレがあり、これに関しては髪のディテールがわずかに損なわれている一方で手の滑らかさに一役買っており、良い経年をもったといえ一長一短。
それとは別に翼に極軽度の酸化の痕跡が見られ、これに関しては時価に考慮しております。
フレームは14ctゴールド製。
ブローチではなくペンダントのみで、おそらくオリジナルではなく20世紀前半にアメリカで再制作されたものと見ます。
バチカンはしっかりロウ付けして閉じられており、このままで現行のアクセサリーと同様に使用することができます。