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マッシモ・ファランガ作 サルヴァトール・ダリ画 ”ナルシスの変貌”
縦:約55mm
横:約40mm
作者:マッシモ・ファランガ
QR:アーティスティッククオリティ
次世代の巨匠たる腕利きの若手たちを多く生んだ70年代。
マッシモ・ファランガ氏もまた70年代生まれの名匠のひとりです。
カメオとサンゴの町トッレ・デル・グレーコの工芸学校にて絵画と彫刻の基礎を学んだ後はナポリの芸術協会に身を寄せて彫刻の専門的な修業を積み、その後短い期間ながらカメオ工房にてアシスタントを経て独立したと言います。
20年ほど前の資料ではチーロ・マッツァ氏らとともに将来有望な作者のひとりとして紹介されておりましたが、現在はすでにカメオ彫刻家としては引退したとも聞き、その後の情報が得られなくなっております。
作風はこの時期若手の作者たちが盛んに作っていたどこかアールヌーボーを思わせるもので個人の作風として確立するまでに至っておらず、現存する作品も高価ながらに数が少ないとあって知る人ぞ知る名匠と言った立ち位置にあります。
さて、今回はそんなファランガ氏の作品のなかでも異色、サルヴァトーレ・ダリの絵画をモチーフとしたカメオです。
20世紀を代表する表現のひとつであるシュルレアリスム。
同様のキュビズムと並んで知らないものは無いというほど有名であり、机から溶け落ちるような時計の絵などはとりわけよく知られております。
そのシュルレアリスムの巨匠と呼ばれるのがサルヴァトール・ダリ。
本作は彼の代表作のひとつである”ナルシスの変貌”をモチーフとしたもので、水面に映り込む自らの顔を見つめるナルシスと、そのシルエットにそっくりな3本の指で卵をもつ手が描かれております。
卵からはナルシスの死後その場に生えたといわれる水仙が芽吹いており、この絵画は水面の自分に心を奪われてそのまま命を落としたナルシスと、その後水仙として復活するナルシスとを同時に描いたものと言われております。
カメオとしては構図のバランスも良く彫りも精密で美しいとあり、引退したとはいえさすがにかつて将来有望とされた作家の手による作品といったところ。
再現性も高く、ナルシスの変貌という絵画を知らなくともシュルレアリスムをモチーフとしたことははっきりわかるだけの奇妙な不可思議さをまとった作品となっております。
ちなみにダリの絵画をモチーフとしたカメオというのはそれだけで珍しく、私の知る限りでは量産ストーンカメオでわずかに取り扱われたほかは例がなく、シェルカメオでは本作の他にはみたことがありません。
今後もそうそう見つかるものではないと思われますので、ダリの絵画を好まれる方にはぜひおすすめしたい逸品であり、またとかく目を引く作品ですので、ブローチ加工して実用に供されても面白いと思います。
貝はコーヒー色に中間色をもち上層に美しく透明感のある白色を乗せた上質なサードニクス。
状態の良い貝で、裏面12時位置の浅い層にヘアライン2筋があるのみです。
また本作はペルニーチェ工房から出てきた新品のカメオですので、もちろん保管・使用による傷もない綺麗な作品となっております。
横:約40mm
作者:マッシモ・ファランガ
QR:アーティスティッククオリティ
次世代の巨匠たる腕利きの若手たちを多く生んだ70年代。
マッシモ・ファランガ氏もまた70年代生まれの名匠のひとりです。
カメオとサンゴの町トッレ・デル・グレーコの工芸学校にて絵画と彫刻の基礎を学んだ後はナポリの芸術協会に身を寄せて彫刻の専門的な修業を積み、その後短い期間ながらカメオ工房にてアシスタントを経て独立したと言います。
20年ほど前の資料ではチーロ・マッツァ氏らとともに将来有望な作者のひとりとして紹介されておりましたが、現在はすでにカメオ彫刻家としては引退したとも聞き、その後の情報が得られなくなっております。
作風はこの時期若手の作者たちが盛んに作っていたどこかアールヌーボーを思わせるもので個人の作風として確立するまでに至っておらず、現存する作品も高価ながらに数が少ないとあって知る人ぞ知る名匠と言った立ち位置にあります。
さて、今回はそんなファランガ氏の作品のなかでも異色、サルヴァトーレ・ダリの絵画をモチーフとしたカメオです。
20世紀を代表する表現のひとつであるシュルレアリスム。
同様のキュビズムと並んで知らないものは無いというほど有名であり、机から溶け落ちるような時計の絵などはとりわけよく知られております。
そのシュルレアリスムの巨匠と呼ばれるのがサルヴァトール・ダリ。
本作は彼の代表作のひとつである”ナルシスの変貌”をモチーフとしたもので、水面に映り込む自らの顔を見つめるナルシスと、そのシルエットにそっくりな3本の指で卵をもつ手が描かれております。
卵からはナルシスの死後その場に生えたといわれる水仙が芽吹いており、この絵画は水面の自分に心を奪われてそのまま命を落としたナルシスと、その後水仙として復活するナルシスとを同時に描いたものと言われております。
カメオとしては構図のバランスも良く彫りも精密で美しいとあり、引退したとはいえさすがにかつて将来有望とされた作家の手による作品といったところ。
再現性も高く、ナルシスの変貌という絵画を知らなくともシュルレアリスムをモチーフとしたことははっきりわかるだけの奇妙な不可思議さをまとった作品となっております。
ちなみにダリの絵画をモチーフとしたカメオというのはそれだけで珍しく、私の知る限りでは量産ストーンカメオでわずかに取り扱われたほかは例がなく、シェルカメオでは本作の他にはみたことがありません。
今後もそうそう見つかるものではないと思われますので、ダリの絵画を好まれる方にはぜひおすすめしたい逸品であり、またとかく目を引く作品ですので、ブローチ加工して実用に供されても面白いと思います。
貝はコーヒー色に中間色をもち上層に美しく透明感のある白色を乗せた上質なサードニクス。
状態の良い貝で、裏面12時位置の浅い層にヘアライン2筋があるのみです。
また本作はペルニーチェ工房から出てきた新品のカメオですので、もちろん保管・使用による傷もない綺麗な作品となっております。